「株式分割」とは?

株式分割[かぶしきぶんかつ]


株式会社が発行済株式を一定の割合で分割し、株式数を増やすこと。投資家にとっては、購入単価が安くなり、流動性が増すことから、投資を行いやすくなる。企業にとっては、株主数を増やすための効果的な方法のひとつ。

株式分割を行うと発行済み株式が分割されるため、株式数が増え、その分割比率に応じて株価は下がる。ただし、保有者の株式数も増えるため、資産価値自体は変わらない。株主に対して無償で株数の保有を増やすことから「株式無償割り当て」とも呼ばれる。

・さらに詳しく解説

株式分割は、企業の発表から2週間~2か月程度で実施される。株式分割が行われる前日を「基準日」と言い、基準日の2週間前までに告知することが義務付けられているからだ。

基準日は、新しい株券を割り当てる株主を確定する日のことであり、その割り当て方法は、配当や株主優待の権利確定日と同様のスケジュールとなる。

なお、株式分割に伴って個人投資家が行う手続きは何もない。

【株式分割の例】 株価4,000円の株式が「1:4の比率」で株式分割を実施
  • 保有株式数:1株が4株になるので、保有数は4倍となる
  • 株価:4分割されるため、4,000円÷4=1,000円となる
【投資家にとってのメリット】
  • 購入金額が安くなる
  • 配当金が増える場合がある
  • 株価が上昇しやすい傾向にある
  • 市場参加者の増加により流動性が高まる
【参考記事】

・短期トレードの現場から一言

株主分割は、企業が投資家をどう見ているか、また、株価対策に気を配っているのかを測ることのできる一つの指標となる。投資家にとって株価が上昇しやすい施策のため、新規上場した銘柄が株価5,000円を超えてくると、株式分割への期待で買いが入り、さらに上昇が加速する場合がある。

人気銘柄ともなると、株式分割の実施が発表されると株価が上昇し、分割時点の株価も高くなるという高騰劇を演じることもある。

購入単価が安くなると市場参加者の増加が期待でき、売買益や配当狙い、ヘッジ、裁定取引、短期売買など様々な目的を持った投資家が集まりやすくなり、出来高が増えて、流動性が高まる。出来高が大きくなるとさらに多くの投資家の目に留まり、取引が盛り上がる、という好循環が起こる。

ただし、この状況で、決算が投資家の期待を下回るといった悪材料が出ると、逆回転が起こり、価格の下落も起こりやすくなる。

かつて、あるIT企業が「1:100」の株式分割を行って市場参加者を驚かせた。当時の方式では、2か月間は一時的に資金が動かせなくなって有価証券が希薄化するという、株式分割の穴をついたものだった。その銘柄の株価は、赤字決算の発表をきっかけに転がり落ちていった。

株式分割は一見良い仕組みだが、やり過ぎたりタイミングを間違えたりすると、諸刃の剣となるのである。


*「現場から一言」は、株式市場に真摯に向き合う投資家・トレーダーの視点から、初心者が特に勘違いしやすい側面について、経験を積んだ人々の知見をお届けします。ただし、これは絶対的な「正解」ではなく、あくまで一個人の見解である点にご留意ください。

2019/06/07
[執筆者]株の窓口 編集部
株の窓口 編集部
「こうすれば絶対に勝てる」「これを買えば儲かる」といった、ひとりの個人の独断や成功体験よりも「普遍的な事実」こそが重要だと考え、小手先のテクニックではない、投資・トレードの本質をお伝えします。多くの個人投資家が無防備なまま株式市場に参加し、大切なお金をなくしています。そうした負の流れを変えるべく、株初心者の方や、これから株を本気で始めようとしている方にもわかりやすい解説を心がけています。

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