まだ荒れ模様の夏相場 来たる大波に乗るべくプロが監視する銘柄とは
《日々相場と向き合うプロトレーダーは、いまどんな銘柄に注目しているのか? オンライン株式スクール「株の学校ドットコム」講師の窪田剛さんが、3つのランキングから相場を振り返る【ランキングで見るプロの注目銘柄】》
2024年8月相場を振り返って
8月相場が始まって3営業日で、日経平均株価は39,101円から31,156円まで、一気に8,000円(正確には7,945円)下落しました。ただ、その後は何事もなかったかのように回復し、終わってみれば前月比−1.16%、グロース市場に至っては月間プラスで終わることとなりました。
日本は「利上げ」、アメリカは「利下げ」。為替は依然、1ドル=146円と円安水準のまま。ですが、この先、日米のトップが変わる選挙もあり、マーケットは今後大きく変化していくとみています。その大きな変化は、大きなチャンスでもあります。
まだ荒れ模様の相場ですが、次の大きな動きに向けてしっかりと8月を振り返り、これから来る大きな波に乗る準備を始めていきましょう。
8月相場で上がった株・下がった株
そんな2024年8月の株式相場を売買代金と値上がり率・値下がり率のランキングで振り返ってみたいと思います(太字はピックアップ銘柄/データ提供:カブケーションズオンラインスクール)
・2024年8月の売買代金トップ20
・2024年8月の値上がり率トップ20
・2024年8月の値下がり率トップ20
8月相場でプロが気になった銘柄
このランキングの中から、私・窪田が気になった銘柄をピックアップします。
これからも目を離すな
売買代金ランキング
【第1位】レーザーテック<6920> 4.67兆円
【第2位】ディスコ<6146> 4.29兆円
【第3位】東京エレクトロン<8035> 3.65兆円
【第4位】ソフトバンクグループ<9984> 2.83兆円
【第9位】アドバンテスト<6857> 1.99兆円
【第15位】信越化学工業<4063> 8866億円
【第18位】ルネサスエレクトロニクス<6723> 7955億円
毎月恒例ですが、上位20銘柄のうち半導体関連は7銘柄となり、先月から1つ減りました。
8月には、半導体銘柄を世界で牽引しているエヌビディア<NVDA>の決算発表もありました。好決算にもかかわらず期待が高すぎたため株価は下落で反応しましたが、今後どうなるかはまだまだわかりません。
ここで取り上げた半導体銘柄も、チャート的には崩れてしまっており、回復には時間がかかりそうです。しかし、世界経済を引っ張るという意味で、やはり半導体関連は常に視界に入れておきたい銘柄です。
日経平均5万円、そして10万円にいくとしたら、半導体関連は必ずその中心地にいるはず。目をそらさずに監視を続けましょう。
引き続き、要注目
売買代金ランキング
【第6位】三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306> 2.56兆円
【第7位】三井住友フィナンシャルグループ<8316> 2.49兆円
【第16位】みずほフィナンシャルグループ<8411> 8688億円
メガバンク3行は、引き続き要注目です。ただ、8月の暴落でチャートは崩れてしまっており、7月の高値回復までには道のりが遠そうな形となっています。とはいえ、金利上昇局面において銀行関連は必ず注目される場面が増えます。しっかりと監視を続けておきましょう。
いよいよ舞台は整った!
金利が上がると株価には悪影響ではありますが、果たしてどうなるか。混乱しそうな8月に備えて、しっかりと振り返っておきましょう。
7月コラムの一文です。「混乱しそうな8月」……本当に、めっちゃ混乱しましたね(苦笑)
ただ、月初に混乱したため、その後、株価は回復しており、なかには高値更新している銘柄も出ています。今後に向けていい〝アク抜き〟をしたような状況と言えるでしょう。弱気は振り落とされて、上値が軽くなった可能性もあります。
また、日米ともにトップが替わる予定です。新しいリーダーは自分主導で新しい政策や経済対策を打ち出して人気を取りつつ、新たな切り口で産業を育てていくことになります。その結果、特定の業界に資金が大きく流れ込む、といったことが起こり得ます。それは、数か月以内にも起こるでしょう。
年末、そして来年に向けて、いよいよ舞台が整ってまいりました。いい感じの銘柄も増えています。9月相場から年末にかけては、しっかりと稼げる相場になりそうです。ぜひとも楽しんでいきましょう!
(本記事は「株の学校トピックス」からの転載です)