日本株はこれから大きく動く? 年末に向けてプロが目を離さない銘柄とは
《日々相場と向き合うプロトレーダーは、いまどんな銘柄に注目しているのか? オンライン株式スクール「株の学校ドットコム」講師の窪田剛さんが、3つのランキングから相場を振り返る【ランキングで見るプロの注目銘柄】》
11月相場を振り返って
トランプ氏圧勝! そして、ダウ最高値更新!
アメリカの大統領選挙が終わり、トランプ氏が再選。まだ具体的なことは決まっていませんが、ダウ平均株価だけでなくS&P500やナスダックも史上最高値を更新しました。でも、日本は下落。
年末、そして来年に向けてどうなるか。アメリカについていけるのか。史上最高値更新までいけるのか! いつチャンスが来てもおかしくないので、しっかりと準備しておきましょう。
11月相場で上がった株・下がった株
そんな2024年11月の株式相場を売買代金と値上がり率・値下がり率のランキングで振り返ってみたいと思います(太字はピックアップ銘柄/データ提供:カブケーションズオンラインスクール)。
・2024年11月の売買代金トップ20
・2024年11月の値上がり率トップ20
・2024年11月の値下がり率トップ20
11月相場でプロが気になった銘柄
このランキングの中から、私・窪田が気になった銘柄をピックアップします。
ありがとう。また会う日まで
売買代金ランキング
【第1位】ディスコ<6146> 4.19兆円(前月4.59兆円)
【第3位】アドバンテスト<6857> 2.99兆円(前月2.64兆円)
【第4位】レーザーテック<6920> 2.98兆円(前月3.27兆円)
【第6位】東京エレクトロン<8035> 1.97兆円(前月2.29兆円)
【第9位】ソフトバンクグループ<9984> 1.74兆円(前月1.75兆円)
毎月恒例の半導体関連銘柄ですが、アドバンテスト以外は大きく下落しており、売買代金も減少しています。アドバンテストも、高値は更新したものの、月末に向けて大きく下落してしまっています。
長い期間にわたり相場を牽引してきた半導体も、お休み期間に入りました。このコラムでは追いかけ続けようと思っていますが、これらの銘柄がまた大きく相場を牽引するようになるまでには、時間がかかりそうです。
ありがとう、半導体関連銘柄たち。また会う日まで──
来月またすぐピックアップします。
しばらく目が離せない
売買代金ランキング
【第2位】三菱重工業<7011> 3.14兆円
【第8位】IHI<7013> 1.82兆円
【第10位】川崎重工業<7012> 1.52兆円
重工3社がそろってランクイン。日本の防衛費の増額をトランプ次期大統領が求めてくるだろう、という思惑から買われていたようですが、3銘柄とも選挙後に失速。月末には下落して終わりました。
ただ、実際に防衛費の増額ということになればまた注目されることになると思います。しばらくは目が離せません。
少し離れて見守ります
売買代金ランキング
【第20位】セブン&アイ・ホールディングス<3382> 6741億円
8月にカナダのアリマンタシォン・クシュタール(ACT)社からの買収提案を受けましたが、その後、創業家によるTOBも検討されているようで、今後の行方が楽しみになってきました。
ここから株価が大きく下落することはあまり考えられませんが、果たしてどうなるやら。少し離れたところから見守りたいと思います。
あの共通点が注目度アップ中
値上がり率ランキング
【第4位】リミックスポイント<3825> +125.8%(151円→341円)
【第18位】メタプラネット<3350> +62.1%(1425円→2310円)
【第51位】マネックスグループ<8698> +39.4%(730円→1018円)
質問です。この3社の共通点は何でしょうか?
答えは、ビットコイン(BTC)。傘下に暗号資産の取引所があったり、BTC自体を大量に保有していたりと、BTCの値上がりと共に注目される銘柄たちです。
いまBTCは1500万円を超えて、ドル建てではもうすぐ100,000ドル目前。注目度がどんどんと上がる中で、これらの銘柄は押さえておいたほうがいいでしょう。
ついに値下がりでもランクイン
値下がり率ランキング
【第16位】レーザーテック<6920> -29.9%(23,475円→16,440円)
半導体関連銘柄の筆頭であり、売買代金ランキングでは常に上位に入るレーザーテックが、ついに値下がり率ランキングでもランクインしてしまいました。
先ほども話したとおり、半導体関連銘柄は少しお休みの時期に入ったようです。とはいえ、いつ復活してくるかわからないため、今後も目を離さないようにしてください。
日本が大きく動き出す…?
11月相場も終わっちゃいましたね。みなさま、いかがでしたでしょうか。トランプ相場、儲かりましたか? ここまではアメリカだけ強くてあまり日本株には恩恵が少ないですが、実は日本でも大きな動きが出始めています。
8月のACT社によるセブン&アイ<3382>の買収提案に始まり。ソニーグループ<6758>によるKADOKAWA<9468>への買収提案。NTTドコモ<9432>による住信SBIネット銀行<7163>買収のニュース(ドコモはNTTの完全子会社です)。
さらには、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)によるウェルスナビ(7342)のTOB。他にもありますが、多くの上場企業が、さらに大きな上場企業に呑み込まれていくニュースが増えてきました。
まだまだ現在進行中なので、どうすれば自分の利益を最大化できるのかを考えながら、こういった銘柄の値動きを見ておくのも勉強になると思います。私も、毎日眺めているだけですが、何かヒントがないかと思いながら見ています。おすすめです。
さて、もう年末ですね。次にこのコラム原稿を執筆するのは年の瀬か。早い。時の流れが早すぎる……。でも、来年もたくさんチャンスがあるんだろうなぁ、と今から楽しみです。一緒に年末相場と2025年を駆け抜けていきましょう。
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(本記事は「株の学校トピックス」からの転載です)