「押し目」とは?
・押し目[おしめ]
上昇局面において一時的に下落したところ。
つまり、結果的に「ここが『押し目』だった」ということしか言えず、上昇から下落に転じた際に、そこから下降トレンドに入るのか、一時的な下落でとどまってさらなる上昇につながるのかは、その時点ではわかり得ない。
【関連用語】
- 押し目待ちに押し目なし
誰もが勢いがある上昇局面の銘柄を狙っているが、高値を買うのは精神的に難しいため、少し下がってきたところ、つまり「押し目」を待っている。そのため、少しでも下がると買いが殺到して下がるに下がらず、結果として「押し目」がないまま上昇を続ける……ということになりがちである。
・短期トレードの現場から一言
「押し目」の目安としてよく言われるのが「前回安値」。では、なぜ「前回安値」がターゲットとなるのかを考えてみよう。
それは前回、その株価を底に上昇に転じたという目印だから。そう考えると、その「前回安値」でまた再び切り返すのではないか?と考えるのが人間心理。そのため、「押し目」つまり下落から上昇に転じる「転換点」として、「前回安値」のひとつの目安となる。
一方、前回安値で一揉みした後に抜ける(下げる)ようであれば、それは「押し目」ではなく、下落局面入りということになる。ただし、次の安値で切り返し、結局、ある程度の長い期間で見れば「押し目」だった、というケースもある。
いずれにせよ、「押し目」というのは結果論に過ぎない。後講釈であり、後出しジャンケンと同じだ。過去のチャートを見て「ここが絶好の押し目だった」なんてことは、誰にでも言える。
テレビや雑誌ではよく「ここが押し目だ」というコメントが聞かれる場面が多々あるが、その時点では、実際どうなるか全くわからないのが現実。こうしたもっともらしいコメントには注意しよう。鵜呑みにせず、自分で考え、「そうならない」ケースを常に考える癖をつけてほしい。
*「現場から一言」は、株式市場に真摯に向き合う投資家・トレーダーの視点から、初心者が特に勘違いしやすい側面について、経験を積んだ人々の知見をお届けします。ただし、これは絶対的な「正解」ではなく、あくまで一個人の見解である点にご留意ください。