へとへとの激しい相場… その中でプロが見つけた高値更新の銘柄とは

《日々相場と向き合うプロトレーダーは、いまどんな銘柄に注目しているのか? オンライン株式スクール「株の学校ドットコム」講師の窪田剛さんが、3つのランキングから相場を振り返る【ランキングで見るプロの注目銘柄】》
4月相場を振り返って
トランプ、ゴルァァァァァァ!!!(#゚Д゚)
トランプ関税ショックにより乱高下が激しい4月が終わりました。もうね、へとへとです。4月だけで1年分の集中力を使い切りました。しかも、トータルでマイナスになっちゃいました。
でも、この下の表を見てください。日経平均、グロース指数ともに、なんとプラスで終わっています。私だけマイナスです。苦労してお金を減らしました。

うん、知ってる。相場ってこんなもんなんだよ。
4月3日に日経が-990円、4日に-955円。ここで買っちゃった。土日を挟んで7日に-2,644円。ここでしっかりとロスカット。反発はしっかり取って一時はプラテンしたけど、結局マイナスで終わりました……。

さて、大事なことは最後に書きますが、人間は「慣れる」生き物です。
最初は大きく感情が揺れ動きますが、実態がどうであれ、徐々にそれに慣れていく。マーケットも同じように動きます。それをしっかりと理解しておけば、相場に振り回されることはなくなります(儲かるかどうかは別だけど!)。
わかっていても、損してしまうことはある。
そんな自分への戒めを込めて、この1か月を振り返ります。
4月相場で上がった株・下がった株
2025年4月の株式相場を、売買代金と値上がり率・値下がり率のランキングで振り返ってみたいと思います(太字はピックアップ銘柄/データ提供:カブケーションズ)
・2025年4月の売買代金トップ20

・2025年4月の値上がり率トップ20

・2025年4月の値下がり率トップ20

4月相場で気になった銘柄
このランキングの中から、私・窪田が気になった銘柄をピックアップします。
視界の隅っこに
売買代金ランキング
【第1位】ディスコ<6146> 4.00兆円
【第5位】アドバンテスト<6857> 2.31兆円
【第6位】フジクラ<5803> 2.25兆円
【第9位】東京エレクトロン<8035> 1.68兆円
【第13位】レーザーテック<6920> 1.45兆円
【第14位】ソフトバンクグループ<9984> 1.29兆円
これら生成AI関連(半導体関連)は、監視しているというよりも、「視界の隅っこにいる」と言ったほうが正しい感覚になってきました。
長期で保有する投資家であれば違う見方をするのかもしれませんが、比較的短期の売買がメインの私は、1日1回チャートを見るくらいになっています。AIや自動運転など、半導体が今後もどんどん使われることは間違いないと思いますが、株価が大きく動く時期はいったん終わったな、と。
ただ、今後も定期的に動くことは間違いないと思います。だから、「視界の隅っこにいる」状態となっています。引き続き「見ておこう」と思います。いつ動いても取り逃さないように。






やはり目が離せない
売買代金ランキング
【第2位】三菱重工業<7011> 3.70兆円
【第3位】川崎重工業<7012> 3.28兆円
【第8位】IHI<7013> 1.74兆円
3月に高値を付けた後は大きく調整していた防衛関連。4月のトランプ関税ショックでさらに大きく下落し、今、なんと……再びの高値圏にあります。やはり目が離せません。
ちょっと文脈は変わりますが、売買代金77位に三井E&S<7003>(2704億円)が入っています。
同じく財閥系の重工銘柄ですが、こちらは防衛というより港湾設備で注目されています。アメリカの〝中国排除〟の流れに乗って、業績を拡大させようとしているのです。売買代金では御三家には及びませんが、監視していて損はない銘柄となっております。



どうしても気になる
売買代金ランキング
【第12位】任天堂<7974> 1.47兆円
【第15位】ソニーグループ<6758> 1.28兆円
【第19位】ディー・エヌ・エー<2432> 1.08兆円
【第20位】サンリオ<8136> 8997億円
マリオ、プレステ、ポケモン、キティちゃん。「ゲーム関連」とくくるよりは、日本のコンテンツ力とでも言いましょうか、キャラクターやゲームでくくられるIP関連(知的財産:Intellectual Property)が、どうしても目に入ってきます。




もちろん、ここに挙げた銘柄だけでなく、ドラクエのスクエニ<9684>、モンハンのカプコン<9697>、ガンダムのバンナム<7832>、パワプロのコナミ<9766>、信長のコーエーテクモ<3635>。
それ以外にも、ウルトラマンの円谷フィールズ<2767>、ミクシィ<2121>、ガンホー<3765>、東宝<9602>やカドカワ<9468>などなど。
世界中で稼げるキャラクターが日本にはたくさんいます。これってすごいと思うんですよね。
グーグル<GOOG>とマリオ<7974>、どっちが有名でしょうか。アマゾン<AMZN>とガンダム<7832>、どちらが100年後も生き残っているでしょうか。どちらもすごいし比較するものでもないとは思うのですが、日本のIPってまだまだ伸びる余地がありそうに感じてしまいます。
私は〝投資家〟ではないけれど、そういうお金がIP関連銘柄に流れ込む未来は、そう遠くないうちにあるかもしれない……というか、もう始まっているのかもしれない。
実際、ランキング上位にはまだ入っていませんが、上場来高値を更新する銘柄が続々と出ています。半導体・生成AIに代わる銘柄群になるかどうかはわかりませんが、「視界の隅っこ」には入れておきましょう。
なんか気になった
値上がり率ランキング
【第11位】Synspective<290A> +59.6%
【第16位】QPS研究所<5595> +49.2%
【第27位】ispace<9348> +33.5%
普段まったく見ないのになんか気になったのが、これら宇宙関連です。
4月はグロース市場が盛り上がっていましたが、間違いなく宇宙関連銘柄もその一助となっていました。産業としてはまだまだこれからかもしれませんが、グロースに光が当たる時代がまた来るのであれば、注目されやすいのは間違いありません。要チェック!



番外編
・ネットセキュリティ
この4月は、古参トレーダーを恐怖のどん底に陥れる出来事がありました。それは、「証券口座の乗っ取り」です。
これまでは、たとえ乗っ取られたとしても出金先は本人が登録した銀行口座だけなので、正直〝なぁなぁ〟になっていました。しかし、なんと知能犯たちは「口座に勝手にログインして自分の持ち株を高値で売りつける」という方法により、お金を盗むことに成功してしまったのです。
もう4月も終わりますが、東証も証券会社もお手上げ状態のようです。こわい。怖すぎる。
そんな状況で、セキュリティ関連として3月末に新規上場したのがZenmuTech<338A>です。公開価格1,580円で上場し、すでに10,000円を超える株価がついております(値上がり率8位:+63.9%)。

「ネットセキュリティ関連も見ておけよ!」ということではなくて、証券口座の管理には十分にご注意ください。まず、送られてきたメールのリンクは踏まないこと。セキュリティは徹底しておくことを強くお勧めします。
・ゼネコン
鹿島建設<1812>、大成建設<1801>、清水建設<1803>、大林組<1802>などの大手ゼネコン株が強いです。なぜかはわかりません。でも、ちょっと気になっています。今までノーマークだっただけに、このうねりの初動には関心を寄せておきたいです。
何もないかもしれないけれど。何かあるかもしれない。




株価には逆らわない
思えば3月は平穏でした。一転して、4月はとんでもない1か月になりました。
ただ冒頭にも書いたように、人間は「慣れる」生き物だとつくづく思います。トランプ関税というとんでもない政策が出てきてマーケットは大きく反応しましたが、今後は同じようなことが発表されても「またか」という反応になることが予想されます。
「マーケットはサプライズに大きく反応し、既知の事実には反応しない」
これがわかっていると、今回のように乱高下する相場でも「ああ、またか」と冷静に対処することが出来ます。
株価の動きに逆らわず、上がったら買い、下がったら売る。
決して「こんなに下がるなんてありえない」「これはさすがに上がりすぎだ」という決めつけをせず、「株価は上にも下にも行き過ぎる」「意外と大きなニュースにも無反応」ということを理解したうえで、上がっている株をさらに買っていきましょう。
暑い夏が始まりまるぜ!
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(本記事は「株の学校トピックス」からの転載です)