新たなテーマが登場! その日に向けてプロが注目せざるを得ない銘柄とは

窪田 剛
2025年8月1日 8時30分

《日々相場と向き合うプロトレーダーは、いまどんな銘柄に注目しているのか? オンライン株式スクール「株の学校ドットコム」講師の窪田剛さんが、3つのランキングから相場を振り返る【ランキングで見るプロの注目銘柄】》

2025年7月相場を振り返って

選挙は買いだ!

7月20日に参議院議員選挙がありました。与党は惨敗でしたが、株価は織り込み済み。それどころか、石破総理がやめることで新陳代謝が進むのではないか………という思惑で大きく上昇する場面もありました。

その後は調整しましたが、振り返ってみれば、大きく上昇した6月に引き続き7月も上昇して終了。後半に上昇したことで8月への期待も高まります。

サマーラリー開始か? それとも、サマーバケーションで閑散としてしまうのか?

日経平均株価の史上最高値を間近を見据えながら、何かありそうな期待膨らむ8月相場に臨むその前に、まずは7月相場をしっかりおさらいしておきましょう。

7月相場で上がった株・下がった株

そんな2025年7月の株式相場を売買代金と値上がり率・値下がり率のランキングで振り返ってみたいと思います(太字はピックアップ銘柄/データ提供:カブケーションズ)。

・2025年7月の売買代金トップ20

・2025年7月の値上がり率トップ20

・2025年7月の値下がり率トップ20

7月相場でプロが気になった銘柄

このランキングの中から、私・窪田が気になった銘柄をピックアップします。

やっぱりここが「一丁目一番地」

売買代金ランキング

【第1位】ディスコ<6146>・・・・・・・・5.33兆円
【第2位】レーザーテック<6920>・・・・・3.92兆円
【第3位】フジクラ<5803>・・・・・・・・3.49兆円
【第4位】アドバンテスト<6857>・・・・・3.31兆円
【第7位】東京エレクトロン<8035>・・・・2.17兆円
【第8位】ソフトバンクグループ<9984>・・2.15兆円
【第18位】ソシオネクスト<6526>・・・・・9358億円
【第22位】古河電気工業<5801>・・・・・・8839億円

6月末に大きく上昇した生成AI関連ですが、特に期待の大きかったディスコ<6146>やアドバンテスト<6857>の決算内容が、期待の大きさゆえに、それに達しなかったことで売られる展開となりました。一方、ソフトバンクグループ<9984>やフジクラ<5803>は大きく上昇。

注意しつつ……とはなりますが、日経平均株価が史上最高値を更新していくには、やはりこの「生成AI関連」「半導体関連」銘柄が中心になってきます。

日経平均史上最高値の一丁目一番地はこれだ!

「防衛」「宇宙」に「原発」も追加

売買代金ランキング

【第5位】三菱重工業<7011>・・・・・・・・・2.44兆円
【第13位】IHI<7013>・・・・・・・・・・・1.25兆円
【第15位】日立製作所<6501>・・・・・・・・・1.07兆円
【第17位】東京電力ホールディングス<9501>・・1.01兆円
【第23位】川崎重工業<7012>・・・・・・・・・8592億円

防衛関連として注目されてきましたが、この度、日立製作所<6501>と東京電力<9501>が加わりました。なぜでしょうか? 考えてみてください。

もったいぶるつもりはさらさらないのですが、そうです、原発です。

7月22日に関西電力<9503>から原発新設に向けた発表が出て、にわかに原発関連として注目を浴びるようになりました。当の関西電力の株価はそこまで反応していませんが、「風向きが変わった?」「今後受注が増えるかも?」という思惑でしょうか、関連と思われる銘柄が上昇しています。

引き続き、防衛関連、そして宇宙関連としても注目の重工系ですが、そこに原発も加わってきた、ということです。まだまだ不透明ですが、今後注目せざるを得ないテーマとなりました。

生成AIも電力を使いますし、そういえば、30日には日本での観測史上最高気温(41.2度)を記録したようですね。もう、エアコンがないと本当に死んでしまう。トランプ大統領はCO2削減に興味ないし、戦争でエネルギーの高騰も続いている。

原発に反対していられない……そんな雰囲気が出てくればくるほど、注目を浴びるかもしれません(原発の良し悪しは置いておいて……)。

同じことは必ずまた起こります

値下がり率ランキング

【第1位】オルツ<260A>・・・-73.6%

巨額の詐欺により31日付で上場廃止となりました。AIのサービスをうたって100億円以上の資金を調達しましたが、上場から1年たたずでの上場廃止です。

これを見破れるか……というのは難しいかもしれません。しかし、SNSやニュースに惑わされず、しっかりとした売買ルールを持っていれば、こういった銘柄にひっかかることはなくなります。万が一引っかかったとしても、ロスカットをすることで被害を最小限に抑えられます。

被害に遭わなかったから関係ないと切り捨てず、「いつかこういうのに捕まってしまうかもしれない」と自分事として捉えて、あなたがマーケットで生き残るための教材として、しっかりと記憶しておきましょう。同じことは必ずまた起こります。

君子危うきに近寄らず

値上がり率ランキング

【第4位】データセクション<3905>・・・・・・+114.4%
【第14位】バルクホールディングス<2467>・・・+67.0%

この2つを見てどう思いますか? どちらも株価が大きく上昇しています。でも、なぜ?

私は、基本的にチャートしか見ません。ただ、自分でもなぜだかよくわからないのですが、「こういう銘柄は避けたほうがいい」というアンテナがあり、それに引っかかった銘柄たちです。

流動性が少ないため、そもそも自分の間合いには入ってこないのですが、今回は派手なIR(投資家向け広報)を出したことで流動性が一時的に上昇しており、ちょっと調べてみました。

結論を言います──「君子危うきに近寄らず」。触らないことをお勧めします。

気になる人は調べてみてください。私は、近寄りません。触りません。注意喚起として挙げておきます。

3つのテーマを携えて、いざ!

選挙が終わり、同じタイミングで日米の関税にも先行きが見えてきたことで、日経平均株価は大きく上昇をしました。今年はトランプ関税による乱高下もありましたが、今のところは史上最高値付近にあり、夏、そして年末に向けて、よい位置につけています。

ここでピックアップした生成AI・半導体関連、そして、今回から注目していきたい原発関連。どれも規模の大きなマーケットであり、大きな金額が動くだけに注目してほしいと思います。

また、今月は株価が穏やかだったのでピックアップはしませんでしたが、6月に取り上げたアニメやゲームのIP関連も引き続き注目しています。

関税が落ち着いたことで、自動車をはじめとした輸出関連や、金融関連にも上昇しているものが目立ちます。ここからどう展開していくのか楽しみではありますが、まずは上記3つのテーマで銘柄をとらえておくと良さそうです。

その3つって何だっけ? ……と読み返さなくても言えるようになってくださいね。

  • AI(生成AI、半導体、電線)
  • 原発(電力)
  • IP(アニメ、ゲーム)

この3つを携えて、8月もしくは年内にあるかもしれない日経平均史上最高値更新時に大きな利益をあげましょう!

いくぞ! サマーラリー!!

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(本記事は「株の学校トピックス」からの転載です)

[執筆者]窪田 剛
窪田 剛
[くぼた・つよし]トレーダー、投資家。オンライン株式スクール「株の学校ドットコム」講師。数日から数週間保有するスイングトレードをメインに手がける。トレーダーとして日々相場と向き合うかたわら、エンジェル投資家としてベンチャー企業に出資したり、社会貢献活動にも力を入れる。スキーとサウナ、温泉とゲームが好き。著書に『株の学校』『株の学校 超入門』(いずれも高橋書店)がある。
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