資金が一斉に逃げている…混沌とする相場でプロがワクワクしている銘柄とは

窪田 剛
2026年4月1日 14時30分

《日々相場と向き合うプロトレーダーは、いまどんな銘柄に注目しているのか? オンライン株式スクール「株の学校ドットコム」講師の窪田剛さんが、3つのランキングから相場を振り返る》

2026年3月相場を振り返って

今年の上昇を見事に打ち消した1か月となってしまいました。

自民党圧勝の株価上昇から一転、中東問題により株価は大きく下落。それも、ただ単に株価が下がるだけでなく、トランプ大統領の発言によって振り回された人も多かったと思います。私もその一人です。

これまでとは打って変わって、一気に混沌としてきた3月相場。しっかりと振り返り、うまくいかなかった人は切り替えて、うまくいっている人も気を引き締めて、新年度相場に臨んでいきましょう。

3月相場で上がった株・下がった株

そんな2026年3月の株式相場を売買代金と値上がり率・値下がり率のランキングで振り返ってみたいと思います(太字はピックアップ銘柄/データ提供:カブケーションズ)。

・2026年3月の売買代金トップ20

・2026年3月の値上がり率トップ20

・2026年3月の値下がり率トップ20

3月相場でプロが気になった銘柄

このランキングの中から、私・窪田が気になった銘柄をピックアップします。

AI半導体──「代金増加・株価下落」が意味するもの

→売買代金ランキング *()内は2月
【1】キオクシアホールディングス<285A>15.36兆円(11.70兆円)  
【2】フジクラ<5803>6.45兆円(4.80兆円)
【3】古河電気工業<5801>5.19兆円(2.32兆円)
【4】アドバンテスト<6857>4.84兆円(4.92兆円)
【5】ソフトバンクグループ<9984>3.66兆円(3.87兆円)
【6】レーザーテック<6920>3.44兆円(2.09兆円)
【7】JX金属<5016>3.42兆円(2.17兆円)
【8】ディスコ<6146>3.22兆円(3.20兆円)
【9】東京エレクトロン<8035>2.68兆円(2.77兆円)
【13】住友電気工業<5802>1.86兆円(1.72兆円)
【16】三井金属<5706>1.70兆円(1.41兆円)

なんと、上位10銘柄中9銘柄がAI半導体関連となりました。そして、多くの銘柄で売買代金が先月よりも増加しています。

代金が増加して、株価が下落する──これが意味するところは「逃げ足の速い資金が一斉に逃げている」ということです。

もちろん、まだまだ底堅い動きをしている銘柄もあるのですが、だからと言って、ここから高値を取っていくには相当のエネルギー(資金の流入)が必要となってきます。

混沌として、先の見えないマーケット。値動きの激しい銘柄からは距離を置くのが賢明かもしれません。資金が逃げ出している当セクターは、雰囲気が変わるまでは、いったんお休みしてもいいのではないでしょうか。

戦争・防衛──資金を集めた銘柄・一時的だった銘柄

→売買代金ランキング *()内は2月
【11】三菱重工業<7011>2.60兆円(2.69兆円)
【23】INPEX<1605>1.36兆円(4250億円)/値上がり率40位:+23.1%
【24】IHI<7013>1.34兆円(1.94兆円)
【25】川崎重工業<7012>1.33兆円(1.68兆円)
【28】住友金属鉱山<5713>1.12兆円(1.44兆円)

中東情勢悪化により、UAEまで攻撃される事態になりました。それを受けて重工系に一時資金が集まりましたが、先行きの見通しの悪化により、その後は下落する流れになってしまいました。

同じように、安全資産の金と言えば“ベッシ”(住友金属鉱山の通称。かつての別子銅山から)ですが、こちらも資金が入ってきたのは一時的でした。

反対に資金を集めたのが、INPEX(旧・帝国石油)です。

産油国であるイランが攻撃され、報復攻撃で同じく産油国のUAEが被害を受け、原油価格の主要な指標であるWTIは、2月末は65ドルでしたが3月末には105ドルと、1か月で約60%も値上がりしました。この上昇を受けて、INPEXの株価は上昇することとなりました。

身近なガソリン価格も上昇していますが、物流や様々な製品にも影響が出始めており、インフレ待ったなしです。はやく落ち着いてほしい。なによりも、医療にも影響が出始めています。はやくはやく解決を望みます。

ホルムズ海峡──経済を回す重要ピースとして

→売買代金ランキング *()内は2月
【31】商船三井<9104>9816億円(4786億円)
【45】日本郵船<9101>6674億円(3259億円)
【56】川崎汽船<9107>5511億円

ランキング外ではありますが、今回の問題で注目されているのがイランとUAEの間にあるホルムズ海峡で、多くの船がペルシャ湾に閉じ込められました。その結果、プラス(船賃の上昇)もマイナス(コストの上昇と需要の減少)もあり得る船会社に注目が集まりました。

ニュース記事だけなので本当かフェイクかはわかりませんが、トランプ大統領が「石油が欲しければアメリカから買うかホルムズに取りに行け」というようなことを言ったとか。それが本当かどうかはさておき、世界が混乱していることが理解できるかと思います。

船会社自体が4月以降も注目になるかはわかりませんが、経済を回していくうえで必要なピースであることに変わりはありません。見ておくべき。

ウォーレン・バフェット銘柄──気になる次の手は?

→売買代金ランキング *()内は2月
【18】三菱商事<8058>1.50兆円(1.02兆円)
【27】東京海上ホールディングス<8766>1.18兆円(6623億円)/値上がり77位:+11.9%

この2銘柄の共通点は何か、おわかりでしょうか?

そうです。世界一の投資家と名高い、ウォーレン・バフェット銘柄です。バフェットの経営するバークシャーハサウェイ社が保有しているのが三菱商事であり、3月に投資することが決まったのが東京海上HDです。

バークシャーハサウェイ自体が保険会社でもあるため、東京海上HDは非常に相性が良いということもあって大きく上昇しました。

中東問題による暗いニュースばかりの中、唯一といっていいほど明るいニュースとなりました。バフェット銘柄については、これまで商社、そして損保と広がってきましたが、次の一手はあるのか。考えるだけでワクワクします。

しっかり休んで、しっかり備えよう

「日経平均10万円、あるぞ!」と言っていたのは誰でしょうか。はい、先月の私です。見事な天井フラグとなりました。

やはり、全体の雰囲気が強気に傾きすぎると、こういうことが起こるのが相場です。本当に勉強になりました。私自身も、1〜2月に積み上げてきた利益の大半を3月に失ってしまいました。攻めた結果とはいえ、定石通り休むべきだった……と反省しています。

現時点では、日々乱高下が続いるので、今はマーケットから一歩引いて、焦らず次の展開を待つべき時なんだと感じます。

とはいえ、マーケットから完全に離れるのではなく、観察を継続し、次のチャンスを辛抱強く待つべき、つらい時期でもあります。ですが、こういったときにこそ真摯にマーケットと向き合うことで、力がつき、その後の利益に繋がります。

桜の開花も進み、自然に癒されながら、今はしっかりと休みましょう。そして、次のチャンスを掴むために、しっかりと学び、力をつけ、次の大きな波に備えましょう。必ず、それは、報われます。報われるはず!

新年度も、希望をもって進んでいきましょう!

(本記事は「株の学校トピックス」からの転載です)

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[執筆者]窪田 剛
窪田 剛
[くぼた・つよし]トレーダー、投資家。オンライン株式スクール「株の学校ドットコム」講師。数日から数週間保有するスイングトレードをメインに手がける。トレーダーとして日々相場と向き合うかたわら、エンジェル投資家としてベンチャー企業に出資したり、社会貢献活動にも力を入れる。スキーとサウナ、温泉とゲームが好き。著書に『株の学校』『株の学校 超入門』(いずれも高橋書店)がある。
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