日経3万円突破も今後はどうなる? プロがいま気にする銘柄とは
2月相場を振り返って
なんといってもこの2月は、日経平均株価が約30年ぶりに3万円を超えました。ただ、勢いのある値動きでしたが、月末には大きく下落し、3万円を割り込んで終了。3月以降に不安の残る終わり方となりました。
- 日経平均株価:27,663円→28,966円(+4.71%)
- TOPIX:1,808ポイント→1,864ポイント(+3.1%)
- マザーズ指数:1,208ポイント→1,214ポイント(+0.5%)
それでも、3万円という節目を意識することで、今後の対応も変わってきます。いい年度末に向けてしっかりと準備をしていきましょう。
・2021年2月の日経平均株価
2月相場で上がった株・下がった株
そんな2021年2月の相場を売買代金と値上がり率・値下がり率のランキングで振り返ってみたいと思います。
・2021年2月の売買代金トップ20
順位 | 証券コード | 銘柄 | 売買代金 |
1 | 9984 | ソフトバンクグループ | 2.42兆円 |
2 | 7974 | 任天堂 | 1.48兆円 |
3 | 6758 | ソニー | 1.32兆円 |
4 | 9983 | ファーストリテイリング | 1.05兆円 |
5 | 7203 | トヨタ自動車 | 1.03兆円 |
6 | 8035 | 東京エレクトロン | 8391億円 |
7 | 8306 | 三菱UFJフィナンシャル・グループ | 7301億円 |
8 | 2413 | エムスリー | 6771億円 |
9 | 6981 | 村田製作所 | 6455億円 |
10 | 8698 | マネックスグループ | 5838億円 |
11 | 6861 | キーエンス | 5609億円 |
12 | 6594 | 日本電産 | 5453億円 |
13 | 8316 | 三井住友フィナンシャルグループ | 5219億円 |
14 | 6954 | ファナック | 4425億円 |
15 | 6613 | QDレーザ | 4207億円 |
16 | 6920 | レーザーテック | 4134億円 |
17 | 6098 | リクルートホールディングス | 3960億円 |
18 | 4502 | 武田薬品工業 | 3918億円 |
19 | 9201 | 日本航空 | 3753億円 |
20 | 6501 | 日立製作所 | 3520億円 |
・2021年2月の値上がり率トップ20
順位 | 証券コード | 銘柄 | 値上がり率 |
1 | 9318 | アジア開発キャピタル | +450.0% |
2 | 2315 | CAICA | +363.1% |
3 | 2656 | ベクター | +333.8% |
4 | 7078 | INCLUSIVE | +323.9% |
5 | 3825 | リミックスポイント | +220.2% |
6 | 6699 | ダイヤモンドエレクトリックホールディングス | +219.9% |
7 | 7992 | セーラー万年筆 | +121.6% |
8 | 8698 | マネックスグループ | +117.5% |
9 | 4582 | シンバイオ製薬 | +114.2% |
10 | 7863 | 平賀 | +113.2% |
11 | 6172 | メタップス | +112.1% |
12 | 2928 | RIZAPグループ | +110.4% |
13 | 7043 | アルー | +106.7% |
14 | 6731 | ピクセラ | +104.5% |
15 | 4124 | 大阪油化工業 | +101.8% |
16 | 6561 | HANATOUR JAPAN | +98.1% |
17 | 6615 | ユー・エム・シー・エレクトロニクス | +94.9% |
18 | 9271 | 和心 | +88.2% |
19 | 6628 | オンキヨーホームエンターテイメント | +87.5% |
20 | 8732 | マネーパートナーズグループ | +87.3% |
・2021年2月の値下がり率トップ20
順位 | 証券コード | 銘柄 | 値下がり率 |
1 | 4488 | AI inside | −36.7% |
2 | 5939 | 大谷工業 | −29.5% |
3 | 4495 | アイキューブドシステムズ | −28.8% |
4 | 7076 | 名南M&A | −28.7% |
5 | 6400 | 不二精機 | −28.6% |
6 | 6897 | ツインバード工業 | −28.6% |
7 | 5212 | 不二硝子 | −28.0% |
8 | 6907 | ジオマテック | −27.8% |
9 | 6579 | ログリー | −27.2% |
10 | 6035 | アイ・アールジャパンホールディングス | −26.5% |
11 | 7689 | コパ・コーポレーション | −26.1% |
12 | 6347 | プラコー | −25.6% |
13 | 6549 | ディーエムソリューションズ | −25.4% |
14 | 6619 | ダブル・スコープ | −24.9% |
15 | 7707 | プレシジョン・システム・サイエンス | −24.7% |
16 | 3542 | ベガコーポレーション | −24.6% |
17 | 2148 | アイティメディア | −24.3% |
18 | 6996 | ニチコン | −24.1% |
19 | 6612 | バルミューダ | −24.0% |
20 | 4054 | 日本情報クリエイト | −23.6% |
2月相場で気になった銘柄たち
この中から、気になる銘柄をピックアップしてみます。
・ソフトバンクグループ<9984>──売買代金1位
2000年以来の株価1万円を回復。時価総額でトヨタ自動車<7203>の26兆円に次ぐ21兆円となりました。投資先の株価上昇に依るところが大きいですが、投資先が増えてきていることでバランスも取れつつあるようです。トヨタを追い抜く日も近いか!?
・ファーストリテイリング<9983>──売買代金4位
株価が10万円を超えて、最低投資金額が1,000万円を超えました。投資するには最低でも1,000万円以上が必要ということ。時価総額は約11兆円。売っている服はお値打ちですが、株価はお値打ちどころではありません。
日経平均株価への寄与度の問題もありますが、この状態がどこまで許容されるかを見ていきたいと思います。なお、東証は最低投資金額50万円以下を推奨しています。さて。
・マネックスグループ<8698>──売買代金10位、値上がり率21位
年末には300円台だった株価が1,175円まで上昇。業績拡大というよりも、傘下のコインチェック(仮想通貨取引所「Coincheck」を運営)の利益拡大を見込んでの株価上昇と考えられます。ビットコインも年末300万円から600万円まで上昇しました。
ビットコインを買うのはちょっとなぁ……という人はマネックスに注目しておくといいですよ!
・スノーピーク<7816>──値上がり率17位
2020年、ライフスタイルの変化と、旅行に行けない代わりに密にならないキャンプが流行。そんな需要をうまく取り込んだ同社は、決算発表をきっかけに上昇が加速。「『いい』とは聞いていたけど、そんなにいいのか!」というサプライズによる上昇でした。
この「サプライズ」というのが株価には大事なんです。決算の数字が「いい」「悪い」ではなく、驚きを持って捉えられることで、大きな資金が流れ込んだり、流出したりします。こういったきっかけを捉えることで資金が大きく増えることにつながります。
2月の終値は3,070円。3月はどうなるか楽しみです。
いざ、勝負の3月相場へ
日経平均株価が3万円を突破。でも、月末は大きく下落して、暗雲立ち込める3月入りとなります。月末に大きく下落しながらも、それを否定して翌月さらに上昇していくというパターンは、この半年よく見られましたが、果たして今度はどうか。
個人的には、さらに上昇していくには、ちょっと分が悪い感じもしています。新型コロナウイルスのワクチンも有効であるというデータが揃いつつあります。出尽くしで下落してしまうのか、今後さらに上昇していくのか。
来たる3月にしっかりと相場と向き合っていくことで、今年一年の成果が決まるかもしれません。そんな大事な1か月になりそうです。
(株の学校ドットコム講師・窪田 剛)