下落続く日本株 イヤな雰囲気の中でプロが期待を寄せる銘柄とは
7月相場を振り返って
東京オリンピックが始まりました! 日本勢のメダルラッシュは素直に嬉しいです。そんな日々メダル獲得のニュースを横目に、私・窪田の証券口座は安値更新を続けています(涙)
全体的に下降トレンドのなか、ギャップアップして高値を超えて反転か……と見せかけて、また下落。私自身はトレンドフォロー(流れに乗る)のトレードをしているので、とても大変な1か月でした。
ただ、昔と比べて成長したと思えるのは、損失を(昔よりだいぶ)小さく抑えられたこと。自分の間合いに合わないときは合わないなりに立ち回ることができたなと、この1か月を振り返って思います。
6月終値 7月終値
・日経平均株価: 28,791円 → 27,283円 (−5.24%)
・TOPIX : 1,943ポイント → 1,901ポイント (−2.16%)
・マザーズ指数: 1,207ポイント → 1,085ポイント (−10.11%)
日経平均株価は、5月の安値27,385円を割り込んでしまいました。このあとすぐに反発できればいいのですが、さてどうなるか。下降トレンドが続く場合は無理して買わず、しっかり損切りをして、空売りで狙うのが基本戦略です。ナンピン買いは絶対だめ!
7月相場で上がった株・下がった株
そんな2021年7月の相場を、売買代金と値上がり率・値下がり率のランキングで振り返ってみたいと思います。
・2021年7月の売買代金トップ20
順位 | 証券コード | 銘柄 | 売買代金 |
1 | 9984 | ソフトバンクグループ | 1.44兆円 |
2 | 6920 | レーザーテック | 1.30兆円 |
3 | 7974 | 任天堂 | 1.07兆円 |
4 | 7203 | トヨタ自動車 | 8845億円 |
5 | 9983 | ファーストリテイリング | 8508億円 |
6 | 6758 | ソニーグループ | 8264億円 |
7 | 8035 | 東京エレクトロン | 6226億円 |
8 | 6861 | キーエンス | 5081億円 |
9 | 8306 | 三菱UFJフィナンシャル・グループ | 4888億円 |
10 | 4523 | エーザイ | 4425億円 |
11 | 6981 | 村田製作所 | 4319億円 |
12 | 6501 | 日立製作所 | 4281億円 |
13 | 8316 | 三井住友フィナンシャルグループ | 3917億円 |
14 | 6594 | 日本電産 | 3837億円 |
15 | 9101 | 日本郵船 | 3789億円 |
16 | 6954 | ファナック | 3645億円 |
17 | 4063 | 信越化学工業 | 3644億円 |
18 | 4502 | 武田薬品工業 | 3192億円 |
19 | 6098 | リクルートホールディングス | 3167億円 |
20 | 2413 | エムスリー | 3121億円 |
・2021年7月の値上がり率トップ20
順位 | 証券コード | 銘柄 | 値上がり率 |
1 | 3936 | グローバルウェイ | +158.5% |
2 | 8256 | プロルート丸光 | +80.8% |
3 | 3377 | バイク王&カンパニー | +77.7% |
4 | 7373 | アイドマ・ホールディングス | +74.9% |
5 | 7527 | システムソフト | +61.7% |
6 | 2978 | ツクルバ | +61.5% |
7 | 7599 | IDOM | +52.7% |
8 | 6335 | 東京機械製作所 | +46.1% |
9 | 9326 | 関通 | +42.3% |
10 | 6083 | ERIホールディングス | +41.3% |
11 | 8886 | ウッドフレンズ | +39.5% |
12 | 6564 | ミダック | +36.9% |
13 | 4068 | ベイシス | +36.4% |
14 | 9073 | 京極運輸商事 | +35.2% |
15 | 5935 | 元旦ビューティ工業 | +34.7% |
16 | 7187 | ジェイリース | +34.5% |
17 | 9812 | テーオーホールディングス | +32.3% |
18 | 3919 | パイプドHD | +32.0% |
19 | 7370 | Enjin | +31.8% |
20 | 2981 | ランディックス | +31.7% |
・2021年7月の値下がり率トップ20
順位 | 証券コード | 銘柄 | 値下がり率 |
1 | 6628 | オンキヨーホームエンターテイメント | −80.0% |
2 | 2351 | ASJ | −40.3% |
3 | 3346 | 21LADY | −37.6% |
4 | 4199 | ワンダープラネット | −35.5% |
5 | 8040 | 東京ソワール | −35.2% |
6 | 4477 | BASE | −32.5% |
7 | 4069 | BlueMeme | −32.5% |
8 | 6659 | メディアリンクス | −31.8% |
9 | 4057 | インターファクトリー | −31.8% |
10 | 4479 | マクアケ | −30.6% |
11 | 6195 | ホープ | −30.2% |
12 | 7345 | アイ・パートナーズフィナンシャル | −29.9% |
13 | 6521 | オキサイド | −29.2% |
14 | 4389 | プロパティデータバンク | −28.6% |
15 | 6562 | ジーニー | −27.7% |
16 | 7805 | プリントネット | −27.6% |
17 | 6047 | Gunosy | −26.7% |
18 | 7063 | Birdman | −26.1% |
19 | 4564 | オンコセラピー・サイエンス | −26.1% |
20 | 3497 | LeTech | −25.9% |
7月相場でプロが気になった銘柄
この中から、気になる銘柄をピックアップしてみます。
・ソフトバンクグループ<9984>
- 売買代金1位:1.44兆円
月間で12%も下落しました。中国当局による、海外市場(主にアメリカ)に上場する中国企業に対する規制強化によって、同社の投資先が毀損するということで売られ続けました。
また、投資先のDiDiが国家安全上の理由でダウンロードが規制されるなど、投資先に中国の大型企業が多いソフトバンクグループには厳しい1か月となりました。
・日本郵船<9101>
先月も取り上げた邦船3社を、今月もピックアップ。
- 日本郵船<9101>……売買代金15位:3,789億円
- 商船三井<9104>……売買代金32位:2,308億円
- 川崎汽船<9107>……売買代金93位:1,252億円
月末に商船三井が配当を大幅に増やす(150円から550円!)発表をして、3社とも大きく上昇しました。商船三井は株価が約5,000円なので10%配当です。
先月紹介したバルチック海運指数も高止まりしており、今後も期待です。
・バイク王&カンパニー<3377>/IDOM<7599>
- バイク王&カンパニー<3377>………値上がり率3位:+77.7%(801円→1,424円)
- IDOM<7599>…………………………値上がり率7位:+52.7%(654円→999円)
バイクの買取で有名なバイク王&カンパニーと、車の買取「ガリバー」で有名なIDOM。コロナで生活様式が大きく変わり、プライベート空間で移動できる車(バイクも)は今後も人気が続きそう。
ただ、両社とも通常時は売買代金(流動性)が少ないため、売買する際はしっかりとチャートと流動性を見て判断するようにしましょう。
・BASE<4477>/マクアケ<4479>
- BASE<4477>………値下がり率6位:−32.5%(1,689円→1,140円)
- マクアケ<4479>……値下がり率10位:−30.2%(6,350円→4,530円)
2020年に大きく値上がりした2社ですが、ここへ来て大きく下落しました。業績自体が悪いわけではないのですが、株価が大きく上昇していた反動ですね。
株式市場では、このように過剰に大きく上昇したり下落したりすることがよくあるので、この2社の値動きは参考になると思います。
株は、常に勝つ必要はない
それにしても、マザーズが大きく下がりましたね。日経平均株価も安値を更新してしまい、ここで反発できなければ下降トレンドが継続してしまいます。2021年後半に向けて、ちょっと嫌な雰囲気になってきました。
5月の大きな下落以降、パッとしない相場が続いています。こういう相場のとき、多くの人は、それまでの利益を全て吐き出してしまいがちです。それだけならまだいいほうで、さらに売買を重ねて、損を拡大してしまう人も少なくありません。
マーケットにはいい時期も悪い時期もあります。いい時期に稼ぐことは誰にでもできますが、悪いときに減らさないことこそ、長期的に稼ぎ続けるためにとても重要なことなのです。
常に勝つ必要はない。
勝てないときは減らさない。
これをぜひ覚えておいてほしいと思います。
とにかく損を小さくすること。8月もがんばっていきましょう!
(株の学校ドットコム講師・窪田 剛)