海運株の次は鉄鋼株? 好況続く業界でプロが注目する銘柄とは

窪田 剛
2021年9月1日 12時00分

8月相場を振り返って

遂に、月末最終日に下落するジンクスが終わりました。

2020年の9月から2021年7月まで11か月連続、月末の日経平均株価は前日比マイナスで終わっていましたが、この8月、ようやく前日比プラスで終わることができました。しかも、28,089円(前日比+300円)という大きな上昇となりました。

下落トレンドだった日経平均も28,000円台を回復し、ここから年末にかけていい形で終わったのではないかと感じます。

[7月終値→8月終値]
  • 日経平均株価: 27,283円    → 28,089円
  • TOPIX:  1,901ポイント → 1,960ポイント
  • マザーズ指数: 1,085ポイント → 1,135ポイント

8月相場で上がった株・下がった株

そんな2021年8月の相場を売買代金値上がり率値下がり率のランキングで振り返ってみたいと思います。

・2021年8月の売買代金トップ20

順位 証券コード 銘柄 売買代金
1 9101 日本郵船 1.95兆円
2 9984 ソフトバンクグループ 1.34兆円
3 6920 レーザーテック 1.32兆円
4 7203 トヨタ自動車 1.21兆円
5 7974 任天堂 1.12兆円
6 9104 商船三井 1.04兆円
7 8035 東京エレクトロン 7574億円
8 6758 ソニーグループ 7002億円
9 9983 ファーストリテイリング 6085億円
10 9107 川崎汽船 5590億円
11 6861 キーエンス 4886億円
12 8306 三菱UFJフィナンシャル・グループ 4771億円
13 5401 日本製鉄 4641億円
14 6098 リクルートホールディングス 4391億円
15 5411 JFEホールディングス 4006億円
16 4507 塩野義製薬 4003億円
17 8316 三井住友フィナンシャルグループ 3760億円
18 6367 ダイキン工業 3615億円
19 6954 ファナック 3570億円
20 4568 第一三共 3537億円

・2021年8月の値上がり率トップ20

順位 証券コード 銘柄 値上がり率
1 9127 玉井商船 +169.7%
2 7089 フォースタートアップス +116.4%
3 3936 グローバルウェイ +100.9%
4 9308 乾汽船 +89.0%
5 5820 三ッ星 +80.7%
6 9360 鈴与シンワート +79.5%
7 6620 宮越ホールディングス +77.8%
8 7855 カーディナル +74.2%
9 9941 太洋物産 +69.7%
10 7769 リズム +68.6%
11 2158 FRONTEO +65.5%
12 3376 オンリー +64.4%
13 3825 リミックスポイント +63.3%
14 9272 ブティックス +63.1%
15 9268 オプティマスグループ +62.4%
16 6626 SEMITEC +61.5%
17 6034 MRT +60.8%
18 6069 トレンダーズ +60.5%
19 8848 レオパレス21 +60.4%
20 7072 インティメート・マージャー +60.2%

・2021年8月の値下がり率トップ20

順位 証券コード 銘柄 値下がり率
1 4582 シンバイオ製薬 −46.6%
2 4427 EduLab −33.6%
3 4196 ネオマーケティング −32.2%
4 9514 エフオン −31.5%
5 3446 ジェイテックコーポレーション −29.7%
6 7792 コラントッテ −28.5%
7 7527 システムソフト −27.6%
8 4918 アイビー化粧品 −27.3%
9 4193 ファブリカコミュニケーションズ −27.1%
10 7369 メイホーホールディングス −26.8%
11 2138 クルーズ −26.4%
12 6629 テクノホライゾン −26.1%
13 9517 イーレックス −26.1%
14 3674 オークファン −26.0%
15 7358 ポピンズホールディングス −25.8%
16 8783 GFA −25.1%
17 3960 バリューデザイン −24.7%
18 4344 ソースネクスト −24.6%
19 6063 日本エマージェンシーアシスタンス −23.6%
20 8150 三信電気 −23.0%

8月相場でプロが気になる銘柄

この中から、気になる銘柄をピックアップしてみます。

・海運

[売買代金ランキング]
  • 1位:日本郵船<9101>……1.95兆円
  • 6位:商船三井<9104>……1.04兆円
  • 10位:川崎汽船<9107>……5590億円
[値上がりランキング]
  • 1位:玉井商船<9127>……+169.7%
  • 4位:乾汽船<9308>………+89.0%
  • 21位:明治海運<9115>……+58.6%

何か月も追いかけている海運株ですが、なんと8月末にまた高値を更新してきたためピックアップ。7月末から急上昇をはじめ、8月中頃にはいったん終わったかと思いましたが、力強く切り返して高値更新となりました。

以前も紹介したバルチック海運指数も上昇を続けています。

コロナによる影響で経済が再度ストップするかもしれないという懸念はありますが、経済の大動脈である海運指数をみていると、今のところそんなことはなさそうです。

海運株の今後も楽しみですが、経済の先行きを占う指標としてもしっかりとチェックしておきたいですね。

・鉄鋼

[売買代金ランキング]
  • 13位:日本製鉄<5401>……4641億円
  • 15位:JFEホールディングス<5411>……4006億円

「鉄は国家なり!」──かつて、プロイセンの首相・ビスマルクはこう叫んだといいます。

海運もそうですが、やはり「」は経済の根幹です。海運株の好調をみても鉄鋼業界の活況をみても、コロナ後に向けて、世界は動き出しているように感じます。

・半導体

[売買代金ランキング]
  • 3位:レーザーテック<6920>………1.32兆円
  • 7位:東京エレクトロン<8035>……7574億円

オールドエコノミーであり、経済の大動脈である「鉄」「海運」とくれば、やはり現代の経済の大きな流れをつくっている「半導体」。ここにも、やはり資金が入ってきました。

チャート的にも、いったん落ち着くと思いきや、なんとレーザーテックは月末に怒濤の上昇を続け、新高値を付けて8月を終えました。

「海運」「鉄」「半導体」。時価総額が大きく、相場を牽引しうるこの3業種をぜひ監視をしてみてください。

突然のハシゴ外しに要注意

海運株を何か月も追いかけていますが、この8月は邦船3社に加えて中堅どころにも資金が巡り、大きく上昇しました。

こんな感じでメインの銘柄以外に資金が入ることを「横に広がる」と表現しますが、こんなときは要注意です。横に広がり始めると、大きな上昇の波の終わりの始まりになることが多いのです。まだしばらくは続くかもしれませんが、注意しておくといいでしょう。

とはいえ、海運株ではど真ん中から広がって中堅にも資金が入ってきましたので、この流れ、もしかしたら「鉄」にも広がるかもしれません。今のうちに「鉄」の中堅どころを監視しておくと、ちょっとした上昇で利益を上げられる“かも”しれません。

そうなると、「あれ」と「あれ」かな? ……というような感じで、監視銘柄に「関連銘柄」を入れておくとよいと思います。

年末に向けていい形で8月を終えました。いきなりハシゴを外される展開にも気を付けつつも、乗るしかない! このビッグウェーブに! 9月も張り切っていきましょう!

(株の学校ドットコム講師・窪田 剛

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[執筆者]窪田 剛
窪田 剛
[くぼた・つよし]トレーダー、投資家。オンライン株式スクール「株の学校ドットコム」講師。数日から数週間保有するスイングトレードをメインに手がける。トレーダーとして日々相場と向き合うかたわら、エンジェル投資家としてベンチャー企業に出資したり、社会貢献活動にも力を入れる。スキーとサウナ、温泉とゲームが好き。著書に『株の学校』『株の学校 超入門』(いずれも高橋書店)がある。
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