不安の残る相場に見えた希望… 来たるべきチャンスに向けてプロが期待する銘柄とは
《日々相場と向き合うプロトレーダーは、いまどんな銘柄に注目しているのか? オンライン株式スクール「株の学校ドットコム」講師の窪田剛さんが、3つのランキングから1月相場を振り返る【ランキングで見るプロの注目銘柄】》
「鉄は国家なり」
19世紀、プロイセン・ドイツの宰相ビスマルクは高らかにこうスピーチしました。1901年、八幡製鐵所の火入れに立ち会った伊藤博文も、そう言ったそうです。
そして今、120年の時を経て、我々も叫ぼうではないか!──鉄は国家なり!!
1月相場を振り返って
株式市場は12月に大きく下落してしまいましたが、その分、1月は大きく上昇しました。八幡製鉄所の流れをくむ日本製鉄<5401>やJFEホールディングス<5411>のような大型銘柄が大きく上昇。そして、12月から引き続き銀行にも資金が入っており、2月以降もこれら大型銘柄が相場を牽引してくれそうです。
1月相場で上がった株・下がった株
そんな2023年1月の株式相場を売買代金と値上がり率・値下がり率のランキングで振り返ってみたいと思います(太字はピックアップ銘柄)。
1月相場でプロが気になった銘柄
このランキングの中から、私・窪田が気になった銘柄をピックアップします。
・売買代金ランキング
【第8位】日本製鉄<5401> 7,327億円
1月は「鉄」の月でした。ほかにもJFEホールディングス<5411>や中山製鋼所<5408>、東京製鉄<5423>などにも資金が入っており、産業の根幹である鉄に資金が入るのはとてもいい流れだなぁと感じます。この流れが続けば「うさぎ年に株価が跳ねる」かな?と思います。
・売買代金
【第2位】三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306> 2.04兆円
【第3位】三井住友フィナンシャルグループ<8316> 1.3兆円
【第11位】みずほフィナンシャルグループ<8411> 6,262億円
年末から動き出した銀行ですが、1月になってからも引き続き資金が入ってきています。メガバンクだけでなく地銀もいい値動きのところがあるので、併せて見ておきたいところ。
・値上がり率ランキング&値下がり率ランキング
・値上がり率
【第11位】M&A総合研究所<9552> +64.5%(6,270円→10,320円)
・値下がり率
【第12位】日本M&Aセンターホールディングス<2127> -19.3%(1,629円→1,313円)
同じM&A業界で明暗が分かれました。
事業継承が増えていくなかで事業環境は良さそうに見えますが、だからといってすべての会社が上がるわけではありません。こういうわかりやすい名前や業界が同じだと「出遅れ」も上がるだろうと安易に買ってしまう人がいますが、気をつけてください。わかりやすい結果だったのでピックアップしました。
不安の中にも希望は生まれている
遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
年末は株価が下落したまま終わってしまい、一体どうなることかと思っていましたが、1月はいい形で上昇して終わりました。このまま大型株の「鉄」や「海運」「半導体」「銀行」などのどれかに資金が入ってくれば、2023年は期待できるのではないかと思っています。
年末の時点では期待できる場面はほぼありませんでしたが、そういう中でもやはり希望は生まれており、日々相場に向き合うことの大切さを感じています。
まだまだ始まったばかりで不安も残る相場環境ですが、しっかりと相場と向き合い続けて、チャンスが来たら掴み取る準備を怠らないようにしておきましょう。
(株の学校ドットコム講師・窪田 剛)