いい兆しに高まる期待。プロが2025年相場のスター候補に挙げる銘柄とは
《日々相場と向き合うプロトレーダーは、いまどんな銘柄に注目しているのか? オンライン株式スクール「株の学校ドットコム」講師の窪田剛さんが、3つのランキングから相場を振り返る【ランキングで見るプロの注目銘柄】》
2024年12月相場を振り返って
高値引けとはならなかったものの、アメリカの主要指数(ダウ平均株価、ナスダック総合指数、S&P500種指数)はすべて12月に高値更新をしました。トランプ政権が始まる2025年に向けて期待が高まっていると考えられます。
日経平均株価も年末の終値としては過去最高値となり、12月だけを見ても+4.41%と大きく上昇。来年に向けてよい形になってきました。
ただ、個人投資家に人気の新興市場には相変わらず大きな資金が入っておらず、年明け以降もこの流れが継続すると思われます。
ですが、もし新興市場に資金が入り始めたら、上昇が加速していくサインにもなり得るので、監視の目を緩めないようにしておきましょう。
12月相場で上がった株・下がった株
そんな2024年12月の株式相場を売買代金と値上がり率・値下がり率のランキングで振り返ってみたいと思います(太字はピックアップ銘柄/データ提供:カブケーションズオンラインスクール)。
・2024年12月の売買代金トップ20
・2024年12月の値上がり率トップ20
・2024年12月の値下がり率トップ20
12月相場でプロが気になった銘柄
このランキングの中から、私・窪田が気になった銘柄をピックアップします。
なんとか踏みとどまった半導体
売買代金ランキング
【第1位】ディスコ<6146> 3.31兆円
【第2位】アドバンテスト<6857> 2.86兆円
【第7位】レーザーテック<6920> 2.09兆円
【第9位】東京エレクトロン<8035> 1.71兆円
【第11位】ソフトバンクグループ<9984> 1.54兆円
安値を更新している銘柄もある半導体関連銘柄ですが、なんとか踏みとどまって、下げ止まったかもしれない……と感じています。とはいえ、底抜けしていく可能性もまだまだありますが、引き続き、日本市場で大きなウエイトを占めるこれらの銘柄は追いかけていきましょう。
2025年相場のスター銘柄かも?
売買代金ランキング
【第3位】IHI<7013> 2.86兆円
【第4位】三菱重工業<7011> 2.85兆円
【第6位】川崎重工業<7012> 2.24兆円
とびぬけて大きな上昇にはなっていませんが、資金流入が続いています。アメリカのトランプ次期大統領の就任が目前に迫り、引き続き注目されています。来年のスターはこの3兄弟かもしれない。うん。見ておきましょう。
心配もあるけれど楽しみ
売買代金ランキング
【第10位】トヨタ自動車<7203> 1.62兆円
【第13位】日産自動車<7201> 1.18兆円
【第14位】ホンダ<7267> 1.05兆円
遂に大手自動車メーカーにまで再編の波が押し寄せてきました。日本経済の根幹をなしてきた自動車産業の雄、日産自動車や三菱自動車ですら単独では生き残りが厳しいということでしょうか。
日本人として期待したい想いはありつつも、逆にホンダが足を引っ張られて共倒れにならないかと勝手に心配してしまいます。
電気自動車、水素自動車、ハイブリッド、ロボットタクシー、ライドシェア……自動車メーカーは今後も様々な角度から注目されていくと思います。要チェックです。
ちなみに、テスラ<TSLA>の時価総額は約200兆円。対して、トヨタは50兆円、ホンダ8兆円、日産2兆円、となっています。2025年に大きな動きはあるかな? 楽しみです。
剥がれた期待に改めて注意喚起
値下がり率ランキング
【第18位】KADOKAWA<9468> -27.4%(4,335円→3,144円)
11月にソニーグループ<6758>による買収のニュースがあり大きく買われていましたが、12月19日、買収ではなく10%程度の出資にとどまると報道され、期待が剥がれ落ちて株価も大きく下落しました。
先月、見ておくと勉強になるかもしれないと書きましたが、やはり、こういったニュースやイベントで株価が動く銘柄は注意が必要だと改めて感じました。
同じように買収期待で動いているセブン&アイ・ホールディングス<3382>や住信SBIネット銀行<7163>が今後どうなるかはわかりませんが、ニュースやSNSに振り回されることなく、自分の判断の軸をしっかりもって「自分で考える癖」を付けていきたいですね。
何があっても前向きに
今年も1年間お疲れさまでした。新NISAスタートによる日経平均株価の大きな上昇。そして、過去最高値38,915円を更新し、終値でもこの値段を大きく超えて、2025年に向けた素晴らしい終わり方だったと感じています。
特に、12月に4%以上も上昇したことは、次の一年に向けてのいい兆しだと考えられます。
地政学的リスクや天災、疫病、政治リスクなど不安要素は尽きませんが、人間の経済活動がなくなることはありません。何があっても前向きに、地に足を付けて学び、一歩ずつ資産を増やしていく作業を、新たな年もご一緒しましょう。
それでは皆様、よいお年を。
もしくは、あけましておめでとうございます。
2025年もどうぞよろしくお願いします。
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(本記事は「株の学校トピックス」からの転載です)