一流の投資家はどんなルールで株を買っているのか? 「マイルール」をもつメリット・デメリットと、気をつけたい注意点
《株で勝てる人と勝てない人は一体どこが違うのか? 実は、どちらにも「共通点」があります。30年以上の実績をもつファンドマネージャーが「一流の投資家」の条件を明かす【情熱の株式投資論】》
みなさんは自分自身でルールを作っているでしょうか? 漠然と「ルールのような決め事」を持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、言葉としてしっかりルールを作っている人は意外と少ないのではないかと思います。
マイルールを作るメリット・デメリット
まずはルールを作るメリットとデメリットから話を始めたいと思います。
・ルールを作るメリット
自分のルールを持つメリットには、「リスク軽減」「安定した運用」「自己規律の確立」「透明性の向上」があります。
- リスクの軽減……事前にルールを決めておくことで、感情的な判断による損失を最小限に抑えることができます。すると、不安定な相場でも冷静にルールに基づいた行動が可能になります。
- 安定した運用……一貫した投資方針を維持することで、短期的な市場の変動に振り回されず、長期的な視点で資産形成を進めることができます。
- 自己規律の確立……ルールを設けることで、投資における自己規律を養い、衝動的な投資を抑制することができます。
- 透明性の向上……自分の投資行動を客観的に評価し、改善点を見つけることができます。
・ルールを作るデメリット
これに対して、ルールを作るデメリットとしては「柔軟性の欠如」「ルール至上主義」「心理的な負担」が考えられます。
- 柔軟性の欠如……市場環境の変化に対応できず、チャンスを逃してしまう可能性があります。ルールに縛られすぎて、新しい投資手法や銘柄に挑戦できない可能性があります。
- ルール至上主義……ルールを守ることに固執しすぎて、市場の状況や個々の銘柄の特性を見落とす可能性があります。
- 心理的な負担……ルールに縛られることで、投資がストレスに感じられ、モチベーションが低下する可能性があります。
ルールを作る上での注意点
株式投資におけるルールは、リスクを軽減し、安定した資産形成に役立ちますが、一方で、柔軟性を失ったり、機会損失につながる可能性もあります。ルールを作る際は、そうしたメリットとデメリットを比較検討し、自分にとって最適なルールを見つけることが重要です。
では、具体的にどんな点に注意してルールを作ればいいのでしょうか? 私は「明確な目標設定」「シンプルで実行可能なルール」「定期的な見直し」「根拠に基づくルール」を挙げたいと思います。
- 明確な目標設定……投資の目的に合ったルールを設定することが重要です。
- シンプルで実行可能なルール……複雑なルールは、途中で守らなくなる可能性が高いです。シンプルで、無理なく続けられるルールを設定しましょう。
- 定期的な見直し……市場環境、自身の状況、投資スキルの向上に合わせて、ルールを定期的に見直す必要があります。
- 根拠に基づくルール……過去の経験や客観的なデータに基づいて、ルールを設定します。
一流の投資家のマイルール
最後に、どれくらい参考になるかはわかりませんが、私自身の「マイルール」をご紹介しておきます。
【朋川流マイルール】
- 決められたルールに反する“例外”は全体の10%以内に抑える
- 個別銘柄の保有比率は5%以内にする
- レバレッジをかけるのは、上昇相場が始まってから1年半~2年以内とする
- 米国株の保有比率は80%以上、日本株の保有比率は10%以下とする
- IT、資本財・サービス、ヘルスケア、消費安定、消費循環、金融で業種分散を図る
- 株価がどんなに絶好調でも、βの低いディフェンシブ銘柄(消費安定やヘルスケアなど)は保有し続ける
- 短期売買(トレーディング)のポジションは総資産の10%以内(簿価ベース)とする
- 個別銘柄の保有比率は「確信度(期待リターンとリスク)」に基づいて決定する
- 1回の決算の結果だけで判断しない。2回以上の決算を確認する
- 最終的には自分の考えと責任で投資を実行するが、他者の意見(リサーチ・レポートなど)にも耳を傾ける
〈買い候補銘柄のルール〉
- 赤字や営業キャッシュフローがマイナスの企業には投資しない
- 長期(5年の株価チャート)で上昇トレンドを形成している企業に投資する
- 新規上場株には投資しない(最低でも上場後3~6か月は様子を見る)
- 一度にフルポジションを作らず、2~3回に分けて株を買う
- 株価が下落している株を買う(下値支持線近くで)
- 業績が高水準で“安定”しているか、“改善”が見られる企業を買う
- 成長率(売上や営業利益など)や利益率(ROIC、ROE、営業利益率など)を重視する
- “競争優位性”を有する業界内でトップクラスの企業を買う
- 株式市場が過熱している時には買いは行わない
- 自分が買おうとする時に“不安”や“恐怖”を感じなければ、買いを手控える
- 簿価(買値)の上昇につながる買い増しは、株数を減らして対応
〈売却候補銘柄のルール〉
- 株価が上昇している株を売る(上値抵抗線近くで)
- 株価が買値から2~3倍に上昇したら、一部は利確する
- 株価が短期間に急角度で上昇したら、一部は利確する
- 不祥事や会計上の問題がある企業は保有しない
- 競争優位性を失った企業は保有しない
- 提供している製品やサービスに対する需要が衰えてきた企業は保有しない
【短期売買(トレーディング)のマイルール】
私の投資の中心はあくまで長期保有ですが、限定的に短期売買(トレーディング)も行っています。それには当然、別途ルールを設けています。
- 株価の上昇余地が下落リスクの3倍以上か、下落リスクが限定的な時(5%未満の下落リスク)のみ買いを行う
- 抵抗線を大きく下回ったら売却する
- 遅くとも買入日の翌日には売り(ストップ)注文を入れる
- 含み益率が10%を超えたら、売り注文を買値まで引き上げ、その後の上昇に合わせて売値も引き上げる
ルールはあくまで一つの指針であり、状況に応じて柔軟に対応することも大切です。











