【今月の株価はどうなる?】2月といえば外食・小売 さらに選挙と五輪で買われる銘柄とは
《2月といえば節分にバレンタインデー。株式市場にも、そんな「風物詩」があります。お決まりのパターンや上がりやすい株など、その月ならではの「あるある」を知っておけば、ムダな損失を避け、大きなチャンスをつかめるかもしれません》
2月相場といえば外食・小売株
2月は、選別色を強めながらも、全体としては底堅さが意識されやすい月です。「節分天井・彼岸底」という相場格言が示すように、月の初めは新春相場の勢いが持続しやすいものの、その後は徐々に調整色が強まっていきます。
こうした2月相場で注目されやすいのは、本決算を迎える外食や小売など消費関連銘柄です。さらに今年は、冬季五輪などの短期的なテーマ株に、政策期待を映した「高市銘柄」も加わり、いずれも個別物色が進みやすい分野といえます。
日経平均株価は、過去20年の平均がプラス0.2%と、年間を通じてみると大きな上昇はありません。ただし、今年度のように企業業績への期待が高い局面では、来たる3月相場に向けた「助走の月」としての意味合いが強まります。

もちろん、今年も例年どおりの値動きをするとは限りませんが、こうした相場の季節性や、その月の恒例イベントにあわせた値動きのパターンを事前に知っておくことで、それを先回りして投資することもできるようになります。
さらに、月ごとのアノマリーからその傾向や特徴を読み解くことで、効率的な物色がしやすくなります。「アノマリー」とは相場における経験則のことで、根拠はないけどよく当たるものや、相場格言として長く言い伝えられているものも多くあります。
〈参考記事〉最も株高・株安になりやすいのは何月? 意外と知らない株式相場のパターンとは?
2月の日経平均株価はどう動く?
(過去の2月の日経平均株価のチャートはこちら)。
2月相場には、1月相場が堅調だった場合は上旬までその上昇基調が継続しやすい、という特徴があります。その後は、3月期企業の第3四半期決算が本格化し、指数全体よりも業績を軸にした銘柄選別へと関心が移っていく、という構図です。

2026年は政治と金融政策に注視
2026年の2月は例年以上に、内外の政治情勢に左右されやすい局面となりそうです。
国内では8日(日)に衆議院議員選挙を控えます。仮に与党優位の展開となれば、政策の安定性と継続性への期待が高まり、「高市トレード」を意識した物色が市場心理と株価の下支えとなる可能性があります。
一方で、最大の不確実要因は日米の中央銀行の金融政策です。
日本銀行は昨年12月に政策金利を0.75%に引き上げましたが、追加利上げの前倒し観測もくすぶっています。春闘の賃上げ動向は日銀の金融政策を見極めるうえで重要な材料のひとつで、その結果が見え始める3~4月を前に、2月相場は先行する観測や思惑にも振り回されやすくなります。
アメリカでも今年の利下げ観測は盤石とはいえず、インフレ再燃への警戒感が残ります。次期FRB議長の指名がされましたが、トランプ大統領の発言をきっかけに浮上した中央銀行の政治的独立性を巡る懸念は完全には払拭されておらず、引き続き注視が必要です。
足元では金銀相場が急落しており、政治的な期待と金融政策を巡る不透明感が重なるなか、今年の2月相場は神経質な値動きになりやすい局面です。
2月のアノマリーで上がる株
そんな2月相場で上昇しやすいのは、どんな銘柄でしょうか? 過去10年(2016年~2025年)の2月相場で勝率が高かった銘柄を見てみましょう。いずれも、「2月相場に強い銘柄」として相場ではおなじみの企業です。
この中で特に注目したいのは、大戸屋ホールディングス<2705>です。この10年で8勝2敗と、安定した強さを見せています。2月の株価上昇のポイントは、決算と、2月独特の季節性です。

・大戸屋ホールディングス<2705>
定食屋チェーン「大戸屋ごはん処」を国内外で展開し、健康志向のメニューが広く支持を集めている大戸屋ホールディングス<2705>。2023年の黒字転換以降、業績は着実に改善しています。
今期(2026年3月期)の中間決算では、経常利益が前年同期比13.7%増と堅調で、通期計画の進捗率も過去平均を上回る64.7%でした。直近の既存店売上高も前年同期比9.2%増でプラス基調を維持しており、2月に発表される第3四半期決算も上振れ期待が持てるところです。
2月相場は、小売・外食が物色されやすいアノマリーがあります。そんな中で、業績の裏付けがある銘柄は相対的に注目度が高まります。こうした動きは大戸屋に限らず、小売・外食セクターにも波及しやすいのが特徴です。

なぜ2月は小売・外食株が買われるのか?
2月は、年末年始商戦の結果や第3四半期決算を通じて、通期業績や来期見通しが意識されやすい月です。そのため、小売も外食もセクター全体が再評価される傾向があります。加えて、このセクターには2月期決算の企業も多く、株主優待を目的とした買いが入りやすくなります。
例えば、クリエイト・レストランツ・ホールディングス<3387>やビックカメラ<3048>など2月末に権利確定日を迎える人気の優待株には実需買いが集中する一方、大戸屋やSRSホールディングス<8163>などの3月期企業には本決算を見越した先回りの仕込みが2月に入るのです。
今年も、業績期待と優待取りの両面から株価押し上げ効果を期待できそうです。
短期イベントとして意識したい五輪株
今年の2月は、6日から22日にかけてミラノ・コルティナ冬季五輪が開催されます。過去の大会では、公式スポンサーやスポーツ用品メーカー、放送関連などが短期的に注目を集めやすく、観戦需要に関する消費関連銘柄も物色されてきました。
代表的な銘柄と言えば、日本選手団のオフィシャルウェアを提供するアシックス<7936>や、スキー日本代表チームのユニフォームを手がけるゴールドウイン<8111>です。選手の活躍や露出は、ブランドイメージ向上に直結しやすい点が特徴です。
選手を支援する銘柄では、フィギュアスケートに関わりの深い化粧品のコーセー<4922>や、みんなで観戦できる場として英国風パブ「HUB」を展開するハブ<3030>は、観戦需要の受け皿として今回も期待されます。
ただし、こうした動きは五輪期間中の短期的なものにとどまるケースも少なくありませんので、業績への実質的なインパクトを冷静に見極める姿勢が重要です。
政策期待で注目される銘柄群
衆議院の解散総選挙を背景に、政策期待を映した「高市銘柄」が再び注目されつつあります。
第一次高市政権が「日本成長戦略会議」で掲げた17の戦略分野は、国策として中長期的な成長が期待できるテーマ群といえます。なかでも、引き続き中核となるのが、AI・半導体関連です。
データセンター需要の拡大を背景に、AIサーバーの冷却設備を担う高砂熱学工業<1969>や、ICパッケージ基板で特にエヌビディア向けの実績が評価されるイビデン<4062>などが、成長の裾野を支える存在といえます。
また味の素<2802>は、食品会社でありながら半導体製造に不可欠な絶縁フィルムの世界シェアを持ち、AIの高度化が進むほど存在価値が高まる企業です。
防衛・安全保障分野では、防衛費のGDP比2%超えが現実味を帯びる中、関連銘柄の注目が高まりそうです。ミサイルや艦艇を手がける三菱重工業<7011>、レーダー技術に強みを持つ三菱電機<6503>、艦艇や潜水艦に採用される高機能素材を持つ極東貿易<8093>などが挙げられます。
国土強靭化の分野では、海洋土木で国内首位の五洋建設<1893>なども政策の継続性を背景に安定した需要が見込まれる銘柄として注目されます。
緊張感ある相場で見極める実力
2月の日本株は、政治的な期待と金融政策を巡る不確実性に金銀相場の急落が重なり、緊張感の高い相場となりそうです。
もっとも、TOPIXの1株あたり利益成長率が来年度にかけて大きく加速するとの見方もあり、企業業績という土台は着実に強まりつつあります。
五輪など短期のテーマを意識しつつも、決算で実力が確認できる銘柄を冷静に選び、バランスを保ちながら相場と向き合いたいところです。









