3月の株価はどうなる? 権利取りの狙い目は高配当より「連続増配」。WBC株で注意したいのは…
《WBCでの大谷翔平選手の躍動に早くも胸が高鳴る3月。株式市場もまた、新年度へ向けた「仕込みの季節」を迎えます。金利や政治、AI株の動向に市場が揺れるなか、次の主役を探るヒントは?》
3月相場と言えば「権利取り」
3月は期末に向けて上昇しやすい月です。前半は「節分天井・彼岸底」の格言どおり株価の調整が残りやすいものの、後半にかけては権利取りや新年度期待が重なって上昇しやすい傾向があります。
そんな3月相場で注目されやすいのは、期末に向けて盛り上がる配当株のほかに、外食・飲食関連やスポーツイベント関連といったテーマ株も挙げられます。
日経平均株価は、過去20年の平均がプラス0.7%と突出して高いわけではありませんが、新年度相場に向けた「助走の月」となりやすいのが特徴です。

もちろん、今年も例年どおりの値動きをするとは限りませんが、こうした相場の季節性や、その月の恒例イベントにあわせた値動きのパターン、上がりやすい銘柄を事前に知っておくことで、それを先回りして投資することもできるようになります。
さらに、月ごとのアノマリーからその傾向や特徴を読み解くことで、効率的な物色がしやすくなります。「アノマリー」とは相場における経験則のことで、根拠はないけどよく当たるものや、相場格言として長く言い伝えられているものも多くあります。
〈参考記事〉最も株高・株安になりやすいのは何月? 意外と知らない株式相場のパターンとは?
3月の日経平均株価はどう動く?
(過去の3月の日経平均株価のチャートはこちら)。
3月相場は、「前半にアメリカ株が軟調になりやすい」というアノマリーがあり、日本株もその影響を受けやすい傾向があります。一方、後半にかけては配当や優待の権利取りに向けた動きのほか、権利落ち銘柄への再投資、そこへ新年度への期待が重なって月末に向けて上昇する、という構造です。

今年の3月は「政治×金融政策」で重要な月に
2026年の3月相場は、政治イベントと金融政策が同時に重なる重要な月となりそうです。
最大の注目は、19日に予定されている日米首脳会談です。衆院選で大勝を収めた高市政権にとっては初の本格的な外交の場となります。対米投資や経済協調が打ち出されれば、防衛・インフラ・AI関連など政策関連株への物色が再燃する可能性があります。
また、日銀金融政策決定会合(3月18日・19日)と近接した日程で行われることから、連続する材料として意識される展開となりそうです。市場では、日銀の4月利上げへの見方がくすぶっており、円安是正や政策規律への言及が強まれば、引き締め観測が改めて意識される可能性があります。
一方、アメリカではFRBが政策金利を据え置く姿勢を示しているものの、議長人事をめぐる思惑は完全には払拭されていません。政治と金融政策の距離感への警戒が再燃すれば、ドル相場が不安定化しやすくなります。
為替の変動は日本株にとって、輸出株と内需株の優劣を入れ替える材料となりやすいため、注視が必要です。
3月のアノマリーで上がる株
そんな3月相場で上昇しやすいのは、どんな銘柄でしょうか? 過去10年(2016年~2025年)の3月相場で勝率が高かった銘柄を見てみると、「3月相場に強い銘柄」として相場ではおなじみの企業が並んでいます。
この中で特に注目したいのは、横河電機<6841>です。この10年で9勝1敗と安定した強さを見せています。3月に強い理由は、安定した受注残と2月に行われる第3四半期決算です。

・横河電機<6841>
横河電機は、プラント制御システムと計測機器を中核とするグローバル企業です。近年、エネルギー関連投資の回復を追い風に受注環境が改善しているほか、データセンター向けの制御・監視システム等の需要拡大が業績を押し上げています。
2月に発表した今期(2026年3月期)第3四半期決算では、通期の経常利益を前期比1.9%増の870億円へ上方修正し、年間配当も14円増額の78円としました。為替の見直しに加え、エネルギー関連投資やデータセンター関連の伸びが寄与しています。
これを受けて株価は上昇。アメリカのAI関連SaaS株の調整に連れ安する場面もありましたが、その後はさらに大きく伸びて上場来高値も更新しました。受注残も積み上がり、エネルギー関連やAIデータセンター需要も堅調で、業績面に陰りは見られません。
2月末の米エヌビディア決算では好内容に反して株価は下落し、日本のAI関連にも調整が入りました。そうした影響には注意が必要ですが、外部環境が落ち着けば再び上値を試す展開も期待できそうです。

権利取りで上がる「連続増配」「累進配当」
3月は年度末の権利取り需要が意識される月です。特に、配当を確保しようとする資金が入りやすく、配当株への関心が高まります。
なかでも注目したいのは、連続増配(増配を続けている)の実績をもつ銘柄と、累進配当(減配しない)の方針を掲げている銘柄です。単なる利回りの高さではなく、株主還元を継続する姿勢が評価につながります。
今年の3月は金利や政治をめぐるイベントが重なり、相場の方向感が揺れやすい局面が予想されます。こうした環境下では、減配リスクの低い銘柄ほど選別買いが入りやすい環境といえます。
連続増配では三菱HCキャピタル<8593>、累進配当なら三菱UFJフィナンシャルグループ<8306>、東京海上ホールディングス<8766>。自社株買いを含めた総還元姿勢が明確な伊藤忠商事<8001>や三井物産<8031>などの商社株も、期末需要の点から視野に入ります。
金利上昇局面では銀行・保険が優位となりやすく、資源市況が安定すれば商社株が追随する……といった展開も想定されるため、そのような視点からも注目したいところです。

決算と優待で狙いたい「外食・飲食」
4月に本決算発表を控える2月期決算企業にも注目です。
特に2月期決算が多い外食・飲食関連は、月次や第3四半期の業績から通期の着地が見えやすく、本決算を見越した「先回りの買い」が入ります。月次売上や既存店動向が堅調な銘柄に資金が集中し、強い銘柄を中心とした業界内での選別が強まる傾向があります。
加えて、外食・飲食関連企業は株主優待の還元色が強いことも特徴です。物価高では「外食優待」への支持が高まり、株価の下支えにつながります。春の歓送迎会や花見需要も重なるため、3月は外食・飲食のテーマ性も出やすい月でもあるのです。
まず挙げられるのは、海外展開を成長ドライバーとする物語コーポレーション<3097>(「焼肉きんぐ」「ゆず庵」など)やサイゼリヤ<7581>、また、外食需要の恩恵を受ける酒類メーカーで業績が底堅いキリンホールディングス<2503>など。
さらに、3月期決算で優待人気も高いゼンショーホールディングス<7550>(「すき家」「なか卯」「はま寿司」など)、トリドールホールディングス<3397>(「丸亀製麺」など)も注目されます。

WBCで上がる株、売買の注意点は?
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が3月5日に開幕します。連覇への期待から話題性は高く、日本代表の活躍次第では、スポーツ用品メーカーやメディア・広告関連企業、外食関連などがテーマ株として物色されるでしょう。
野球用品大手のミズノ<8022>や小売のゼビオホールディングス<8281>は、野球人気の高まりが需要喚起につながる可能性があります。外食では、観戦需要の取り込みが期待されるハブ<3030>などがテーマ株として意識されるでしょう。

もっとも、こうしたスポーツイベント関連は「期待先行」「大会中盛り上がり」「終了後反動」といった値動きになりやすく、日程を意識した売買が鍵となります。
試合に熱中しつつも、投資判断は冷静に。









