強さを見せた日経平均 2022年相場に向けてプロが一層注目する銘柄とは

窪田 剛
2021年12月31日 9時00分

12月相場を振り返って

急落して終わった11月から一気に反転し、強いとは言えないまでも、日経平均株価は月間で3.5%ほど上昇する強さを見せました。反対に、新興銘柄の多いマザーズは−7.76%と大きく下落。強弱入り交じる展開ではありましたが、来年に向けていい形で終われたのかなと感じました。

   11月終値 12月終値 騰落率
日経平均株価 27,821円 28,791円 +3.49%
TOPIX 1,928ポイント 1,992ポイント +3.32%
マザーズ指数 1,070ポイント 987ポイント −7.76%

12月相場で上がった株・下がった株

そんな2021年12月の相場を売買代金と値上がり率・値下がり率のランキングで振り返ってみたいと思います(データ提供:CMBトレード塾

・2021年12月の売買代金トップ20

順位 証券コード 銘柄 売買代金
1 6920 レーザーテック 2.67兆円
2 9984 ソフトバンクグループ 2.1兆円
3 8035 東京エレクトロン 1.24兆円
4 9107 川崎汽船 1.23兆円
5 9101 日本郵船 1.14兆円
6 7203 トヨタ自動車 1兆円
7 7974 任天堂 9109億円
8 6758 ソニーグループ 8986億円
9 9104 商船三井 8474億円
10 9983 ファーストリテイリング 8050億円
11 6098 リクルートホールディングス 7174億円
12 6861 キーエンス 5965億円
13 8306 三菱UFJフィナンシャル・グループ 5367億円
14 2158 FRONTEO 5242億円
15 6501 日立製作所 5234億円
16 6981 村田製作所 4545億円
17 9432 日本電信電話 4462億円
18 6367 ダイキン工業 4293億円
19 8316 三井住友フィナンシャルグループ 4230億円
20 4412 サイエンスアーツ 3977億円

・2021年12月の値上がり率トップ20

順位 証券コード 銘柄 値上がり率
1 4699 ウチダエスコ +105.9%
2 7254 ユニバンス +98.3%
3 3825 リミックスポイント +97.6%
4 4310 ドリームインキュベータ +91.2%
5 2195 アミタホールディングス +75.3%
6 4599 ステムリム +66.8%
7 8922 日本アセットマーケティング +66.3%
8 4888 ステラファーマ +66.3%
9 3691 リアルワールド +65.2%
10 7063 Birdman +62.6%
11 7777 スリー・ディー・マトリックス +54.5%
12 8530 中京銀行 +53.3%
13 4336 クリエアナブキ +52.0%
14 8806 ダイビル +51.2%
15 7375 リファインバースグループ +50.8%
16 6047 Gunosy +50.0%
17 3779 ジェイ・エスコム ホールディングス +50.0%
18 4377 ワンキャリア +48.1%
19 6730 アクセル +47.7%
20 1518 三井松島ホールディングス +46.2%

・2021年12月の値下がり率トップ20

順位 証券コード 銘柄 値下がり率
1 3936 グローバルウェイ −66.7%
2 9519 レノバ −61.0%
3 3121 マーチャント・バンカーズ −56.4%
4 3498 霞ヶ関キャピタル −49.0%
5 4169 ENECHANGE −43.2%
6 6049 イトクロ −41.9%
7 9919 関西スーパーマーケット −41.7%
8 7078 INCLUSIVE −40.4%
9 4591 リボミック −39.2%
10 3927 フーバーブレイン −38.1%
11 7095 Macbee Planet −36.9%
12 7373 アイドマ・ホールディングス −36.5%
13 3841 ジーダット −36.3%
14 7342 ウェルスナビ −31.8%
15 7692 アースインフィニティ −31.7%
16 4816 東映アニメーション −30.1%
17 4378 CINC −29.4%
18 9250 GRCS −28.8%
19 3760 ケイブ −27.8%
20 7068 フィードフォースグループ −27.7%

12月相場でプロが気になった銘柄

この中から、気になる銘柄をピックアップしてみます。

・売買代金ランキング

  • 1位:レーザーテック<6920>……2.7兆円
  • 3位:東京エレクトロン<8035>……1.2兆円

終わったと思ったら再度高値を更新してくる──そんなことが繰り返される半導体関連の代表2銘柄。注目しておくべきテーマなので、ほぼ毎月ピックアップしています。

そんな半導体株の行方を占う際に使われるのがSOX指数です。世界の主要な半導体関連銘柄30社の加重平均型株式指数で、景気の先行指標としても見られています。この指数も日々チェックすることで、より半導体関連銘柄で利益を上げやすくなると思います。参考にしてみてね!

《参考記事》半導体関連銘柄の今後はどうなるのか。気にしておきたい「SOX指数」とは

  • 4位:川崎汽船<9107>……1.2兆円
  • 5位:日本郵船<9101>……1.1兆円
  • 9位:商船三井<9104>……8,500億円

9月まで相場全体を牽引していた海運株ですが、3か月の調整を経て再度上昇の機運を見せています。今月もそれなりに上昇しましたが、前回の高値を超えてくると面白い展開になります。海運株は改めて2022年も要チェック!

・値上がり率ランキング

  • 20位:三井松島ホールディングス<1518>……+42%(1,293円→1,891円)

10月に投資家でYouTuberの井村俊哉さんが大量報告書を提出して話題となっていましたが、今月になって大きく値上がり。

他人が買った銘柄をただ単純に信じて買うのは、たとえ、その人がまともな人であってもやってはいけないことです。こういうことがあっても、それは同じ。そういった意味も込めて、あえてピックアップさせていただきました。

とはいえ、この上昇は素直にすごいと思います。

・値下がり率ランキング

  • 1位:グローバルウェイ<3936>……−66%(910円→303円)

先月もピックアップしましたが、改めて大きな下落となりました(株式分割により、株価が先月から大きく変わっています)。当然といえば当然なんですが、仕手株に手を出すとこうなる、といういい例なのでしっかりとピックアップ。臭いものに蓋をせず、ここから学び取ることが大事なんだと思います。

さて、何度も言います──「仕手株には手を出すな!

  • 2位:レノバ<9519>……−56%(5,350円→2,082円)

SDGsの流れに乗って大きく上昇していましたが、アテにしていた風力発電開発の入札に敗れてしまい、大きく下落してしまいました。

結構大事なことなんですが、この下落は、まともにファンダメンタルズ分析をしていれば予測できました。だから分析をしたほうがいいという話ではなく、分析をしていなくてもチャートを見ていればこういった下落には巻き込まれなくて済む。チャートにはすべてが反映されている──ということを伝えたくてピックアップしました。

私自身、しっかりとした銘柄分析をすることはありませんが、チャートはしっかりと、そして数多く見るようにしています。

株式投資、株式トレードに正解はありませんが、自分に合ったやり方を探し続けることが、継続して利益を上げていく秘訣だと思います。このチャートを見て、しっかりと心に刻んでほしいです。

ただ勝つのではなく「勝ち続ける」ために

三井松島ホールディングスのところでも話をしましたが、「他人に乗っかって稼ぐのはよくない」ということを改めて伝えておきます。もちろん、稼げればいいという側面は少なからずあるため、他人に乗っかったっていいじゃんという考えもわからないわけではありません。

でもね、それでは「勝ち続ける」ことができないんです。大事なのは「勝つこと」ではなく「勝ち続けること」。そのためには、しっかりと自分のやり方を見つけて「再現性」を確立して、繰り返し、継続していく必要があるんです。他人の銘柄に乗っかって勝ったとしても、それは「再現性がない」のです。

他人のやり方や銘柄を参考にしながら、自分のモノにしていくのであれば、それは素晴らしいことですが、ただ他人の銘柄に乗っかるというのはよくないよ、ということを伝えさせていただきます。

2022年相場に向けて

さて、年の瀬になりました。今これを書いているのは12月30日大納会の日の深夜です。

このコラムも1年以上続けさせていただき、自分の考えをまとめるいい機会となっています。2022年もどうぞよろしくお願いします。

「仕手株はだめ!」
「再現性のある自分のやり方を探し続けろ!」

どうぞ良いお年をお迎えください。

(株の学校ドットコム講師・窪田 剛

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[執筆者]窪田 剛
窪田 剛
[くぼた・つよし]トレーダー、投資家。オンライン株式スクール「株の学校ドットコム」講師。数日から数週間保有するスイングトレードをメインに手がける。トレーダーとして日々相場と向き合うかたわら、エンジェル投資家としてベンチャー企業に出資したり、社会貢献活動にも力を入れる。スキーとサウナ、温泉とゲームが好き。著書に『株の学校』『株の学校 超入門』(いずれも高橋書店)がある。
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