いよいよ相場の流れが変わる? アツい夏に向けてプロが注目する銘柄とは

窪田 剛
2022年8月1日 8時00分

gargantiopa/Adobe Stock

《日々相場と向き合うプロトレーダーは今どんな銘柄に注目しているのか? オンライン株式スクール「株の学校ドットコム」講師の窪田剛さんが、3つのランキングから7月相場を振り返ります》

7月相場を振り返って

これまで続いてきたドル高・円安の流れが140円を目前にして反転し、7月最終営業日には急激な円高となって133円で終わりました。

また、アメリカのダウ平均株価もどうやら底打ちをした感じが出てきており、流れが変わりそうな雰囲気を感じられる7月でした。

指数 6月終値 7月終値 騰落率
日経平均株価 26,393 27,801円 +5.3%
TOPIX 1,870ポイント 1,940ポイント +3.7%
東証グロース指数 843ポイント 901ポイント +6.9%

7月相場で上がった株・下がった株

そんな2022年7月の株式相場を、売買代金と値上がり率・値下がり率のランキングで振り返ってみたいと思います(太字はピックアップ銘柄/データ提供:CMBトレード塾)。

・2022年7月の売買代金トップ20

順位 コード 銘柄 売買代金
1 6920 レーザーテック 2.57兆円
2 8035 東京エレクトロン 1.37兆円
3 9984 ソフトバンクグループ 1.33兆円
4 9983 ファーストリテイリング 1.13兆円
5 7203 トヨタ自動車 1.01兆円
6 9107 川崎汽船 9069億円
7 9101 日本郵船 8325億円
8 6758 ソニーグループ 7482億円
9 8306 三菱UFJフィナンシャル・グループ 6954億円
10 9104 商船三井 6887億円
11 6861 キーエンス 6879億円
12 7974 任天堂 6136億円
13 9501 東京電力ホールディングス 6113億円
14 6594 日本電産 5030億円
15 6619 ダブル・スコープ 4676億円
16 8316 三井住友フィナンシャルグループ 4557億円
17 6098 リクルートホールディングス 4532億円
18 9433 KDDI 4289億円
19 4063 信越化学工業 4223億円
20 4502 武田薬品工業 3979億円

2022年7月の値上がり率トップ20

順位 コード 銘柄 値上がり率
1 7727 オーバル +85.0%
2 4192 スパイダープラス +78.2%
3 2323 fonfun +55.0%
4 7477 ムラキ +53.5%
5 2388 ウェッジホールディングス +48.7%
6 2484 出前館 +48.1%
7 3995 SKIYAKI +47.9%
8 2160 ジーエヌアイグループ +47.6%
9 7809 壽屋 +47.0%
10 7050 フロンティアインターナショナル +45.9%
11 5212 不二硝子 +44.1%
12 7878 光・彩 +43.7%
13 4443 Sansan +43.5%
14 4270 BeeX +42.6%
15 9229 サンウェルズ +42.0%
16 7373 アイドマ・ホールディングス +41.1%
17 1382 ホーブ +40.6%
18 2791 大黒天物産 +39.7%
19 6697 テックポイント +36.7%
20 3479 ティーケーピー +36.2%

2022年7月の値下がり率トップ20

順位 コード 銘柄 値上がり率
1 7901 マツモト −31.6%
2 7074 トゥエンティーフォーセブン −29.6%
3 3825 リミックスポイント −28.2%
4 7351 グッドパッチ −27.9%
5 3772 ウェルス・マネジメント −26.8%
6 9522 リニューアブル・ジャパン −26.7%
7 4571 ナノキャリア −25.7%
8 6561 HANATOUR JAPAN −23.9%
9 3238 セントラル総合開発 −23.3%
10 3656 KLab −22.5%
11 4837 シダックス −21.9%
12 6181 タメニー −21.4%
13 3739 コムシード −21.4%
14 8018 三共生興 −19.8%
15 2934 ジェイフロンティア −19.3%
16 7808 シー・エス・ランバー −19.0%
17 6552 GameWith −18.3%
18 6619 ダブル・スコープ −17.6%
19 9247 TREホールディングス −17.5%
20 4616 川上塗料 −17.3%

7月相場でプロが気になった銘柄

このランキングの中から、私・窪田が気になった銘柄をピックアップします。

・売買代金ランキング

【第1位】レーザーテック<6920>……2.57兆円
【第2位】東京エレクトロン<8035>……1.37兆円

半導体関連銘柄、いよいよ下げ止まったか? という雰囲気が感じられたのでピックアップ。

2017年から2021年まで5年にわたり大きく上昇を続けてきた半導体関連ですが、2022年になって調整が続いていました。それがここにきて、ちょっと様子が変わってきた感じがします。まだまだ予断を許さない状況ではあるのですが、ずっと強かった業界だけに注目しておきたいところです。

【第6位】川崎汽船<9107>……9069億円
【第7位】日本郵船<9101>……8325億円
【第10位】商船三井<9104>……6887億円

7月21日に仲良く3社そろって上方修正を発表しました。6月にピークを付けてもう終わったかなと思いきや、再度上昇しています。さすがに高値更新するところまではいきませんでしたが、勢いを取り戻せば、もしかするかもしれません。資金も集まってきているので要チェックです。

・値下がり率ランキング

【第1位】マツモト<7901>……−31.6%(20,500円→14,020円)

はい。こういうことです。

先月のコラムで注意喚起した銘柄ですが(値上がり率1位:+557%)、今月になって大きく下落しました。一時は10,000円も割り込み、−50%を超えて下落する場面もありました。

何度でも言いますが、こういう仕手株には手を出してはいけません!

[先月のマツモトの記事]

いいですか、何度でも言いますが、こういうのが仕手株です。絶対に手を出さないでください。ここで取り上げるのも憚られるのですが、せめてこの記事を読んでくれる人が地獄に足を踏み入れないようにしてほしいとの思いからピックアップ。ほんと、不幸になるから手を出さないで。

【第18位】ダブル・スコープ<6619>……−17.6%(2,271円→1,870円)

こちらも先月の値上がり率ランキングに登場し(5位:+106)、1か月で2倍上昇したのち、今月は値下がり率ランキングでの登場となってしまいました。

急上昇した分の調整とみることもできますが、子会社の上場延期のニュースもあり、あまりいい形のチャートではなくなってしまいました。こうなってしまうと、ちょっと手を出すのは控えたほうがいいなと思います。一応こちらも先月の記事を貼っておきます。

[先月のダブル・スコープの記事]

値上がり率ランキングでも5位(1,125円→2,317円:+106%)と大きく上昇。6月に入ってから出来高を伴い、約2倍となりました。電池の部品を扱っており、EV(電気自動車)などで需要が増えていることや、子会社の韓国市場への上場承認などもあり大きく買われました。

ただし、6月最終日は陰線かつ上ヒゲも出現しており、目先調整が入ってもおかしくない水準です。

日足と週足を見てみると、6月に入ってからの出来高の伸びが明確に見て取れます。こういう出来高のチャートは上昇しやすいので、覚えておくとよいでしょう。テストに出ます

8月の相場は大きく動く!?

サマーラリー始まるかも!!!

7月は、そんな期待の持てる終わり方となりました。日経平均株価は28,000円を超えられませんでしたが、為替の急激な動きも一服し、ダウ平均株価も反転したように見えます。もちろん、まだまだどうなるかわかりませんし、「夏枯れ相場」となってしまう可能性も捨てきれません。

でも、もしかしたら8月はとてもアツい、HOTな相場になる可能性も結構ある、と思っています。

もし夏枯れになってしまったらポジションを落として、夏休みを満喫すればよいでしょう。でも、アツい相場になる可能性もあるので、そうなったらしっかりと稼いでほしいと思います。

夏の暑さにもコロナにも負けぬ、丈夫な身体をもち、大きく稼ぐ
そういうものに、私はなりたい。

大きな波が来たら一緒に乗っていきましょう!

(株の学校ドットコム講師・窪田 剛

[執筆者]窪田 剛
窪田 剛
[くぼた・つよし]トレーダー、投資家。オンライン株式スクール「株の学校ドットコム」講師。数日から数週間保有するスイングトレードをメインに手がける。トレーダーとして日々相場と向き合うかたわら、エンジェル投資家としてベンチャー企業に出資したり、社会貢献活動にも力を入れる。スキーとサウナ、温泉とゲームが好き。著書に『株の学校』『株の学校 超入門』(いずれも高橋書店)がある。
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