個人投資家の約9割がプラス。それでもストレスが減らない理由とは【800人に聞きました】
《オンライン株式スクール「株の学校ドットコム」では、株式投資に取り組んでいる人々を対象として、さまざまなアンケート調査を実施しています。そこから見えてきた、個人投資家・トレーダーのホンネとは?》
7月11日、日経平均株価が新たな史上最高値を更新しました。3月上旬に初の4万円台を突破してから一時は調整局面に入っていましたが、ここに来て、株価はするすると上昇を見せました。
あらためて株式市場に注目が集まる中、株の学校ドットコムは、全国の株式投資に取り組む20代~70代の男女800名に、2024年下半期の展望に関するアンケート調査を実施しました。
株式投資で利益を出している人は88%
まず、2024年の株式投資の成果について質問したところ、含み益・含み損を含む損益状況では、88%の人がプラスと回答しました。昨年末の2023年12月に実施した同調査と比較すると、6ポイントの増加です。
株の学校ドットコムでは2022年12月から、半年ごとに同じ内容の調査を実施しています。その推移を見てみると、株価の上昇とともに、損益プラスの人の割合が増えていることがわかります。
株価が28,000円前後だった2022年12月と比べると、損益プラスの人は75%から88%へと、13ポイント増加しました。ちなみに、日経平均株価はこの期間に、実に45%も上昇しています。
具体的な損益額を見ると、「+0円以上~50万円未満」の人の割合が常に最多です。しかし、2022年12月の45.6%から、2024年6月は37.9%へと7.8ポイント減少しました。同じく、「-1円以上~50万円未満」の人の割合も13.3%から5.8%へ7.5ポイント減少しています。
その反面、最も大きく増加したのは「+50万円以上~300万円未満」の人の割合で、19.1%から34.0%へ14.9ポイントの増加となりました。+50万円以上と回答した人の割合はいずれの金額においても増加しており、全体的に利益額が増えていることが見て取れます。
同様に、損益額が減っていることもわかります。
※「含み益」「含み損」について
保有している株式等の評価額が購入額よりも上回っていれば「含み益」、下回っていれば「含み損」と言います。
株式投資のストレス、5人に1人が比較的「大きい」
続いて、株式投資に対するストレスについて聞きました。「0(ストレスは全くない)」から「10(ストレスが極めて大きい)」までの数値でストレスの大きさを回答してもらったところ、ストレス度最高の「10(ストレスが極めて大きい)」を選んだ人は全体の3.6%でした。
「7」以上を選んだ人は20.5%で、全体の5人に1人が比較的大きなストレスを感じていることになります。反対に、「0(ストレスは全くない)」と回答した人は、14.9%でした。
ストレス度合いについても、2022年12月からの推移を見てみます。株価の上昇とともにストレス度合いの高い人が減っている傾向は見て取れるものの、その変化はさほど大きなものにはなっていません。株式投資とは、株価が上がればストレスがなくなる、という単純なものではないということでしょう。
それでは、利益が増えているのにストレスが大きいと回答した人は、具体的にどんなことにストレスを感じているのか? 今回の調査では次のような回答が得られました(原文ママ)。
- 「自分は経験が浅いので投資してもマイナスになったり最後までプラスになるか分からないので
凄くストレスになります」(38歳・男性) - 「何に投資していいかわからないが、投資をしないといけないという恐怖感が強い」(50歳・男性)
- 「購入したいときに資金がない」(62歳・女性)
- 「株式の上下に気持ちが上下するからです」(47歳・男性)
- 「円安がすぎる。乱高下はげしく、売買時をのがした」(56歳・女性)
- 「投資額が大きくなると日々の増減が気になる」(65歳・男性)
- 「営業担当者からの勧誘電話が多い」(74歳・女性)
- 「損をするかもしれない恐怖がストレス」(48歳・男性)
- 「値動きが気になって仕事に差し障る」(45歳・男性)
- 「上がり基調なので、辞め時が分からず、ストレスになる」(68歳・男性)
- 「好調の時期なのに思ったより増えないので」(44歳・男性)
- 「お金を1円でも失いたくないから」(27歳・女性)
2024年の日本株は「上昇する」が2倍近い
2024年上半期の日経平均株価は、年初の33,193円から6月末の39,583円へ19%上昇しました。それを踏まえて、2024年の下半期の株価はどうなると展望しているかについて回答してもらいました。
「大きく上昇する」「上昇する」と回答した人は、34.1%、それに対して「大きく下落する」「下落する」と回答した人は18.7%となりました。下落すると考える人よりも上昇する人のほうが2倍近く多い結果になりました。ただ、最も多い回答は「横這い」の47.4%でした。
日経平均株価、「5万円まで上がる」は2%
「日経平均株価は今年中にいくらまで上がると思いますか?」という質問に対しては、「もう上がらない」と答えた人が最多の29.8%でした。調査日(6月29日)の日経平均株価は39,583円でしたが、「45,000円」以上を選択した人は合計で17.9%いました。
株式投資に対する、自分なりの向き合い方を
今年に入ってからの株価の上昇で、約9割の人の損益がプラスとなり、利益額も増えていることがわかりました。その反面、ストレス度についてはあまり大きな変化がなく、株価が上がるとストレスが消えるわけではないこともうかがえます。
いつ利益確定して良いのかわからずに悩む人、チャンスに乗り遅れてしまう人、株価の値動きが気になってしまい気持ちまで上下する人、いつか株価が下がって損をするのではと恐怖する人……。実に様々なストレスがあります。
大切な資金を投じている以上、ある程度のストレスがあることは致し方ないのも事実です。
株式投資にあたって重要なことのひとつは、自分が許容できる「適切なリスク」を見極めることです。自分が許容できないほどの過度なリスクをとってしまうと、不安や恐怖といったストレスも大きくなります。
まずは自分の気持ちに向き合い、自分が許容できるリスクはどれくらいなのかを考えることが大切です。
(本記事は「株の学校トピックス」からの転載です)
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