シニア世代の株式投資のリアル 株歴が長いほど金融資産も増えていく

株の学校ドットコム
2025年10月4日 12時00分

《オンライン株式スクール「株の学校ドットコム」では、株式投資に取り組んでいる人々に、さまざまなアンケート調査を実施しています。そこから見えてきた、個人投資家・トレーダーの本音とは?》

人生100年時代に突入した日本。70歳・80歳を超えても元気なシニアはもはや珍しくなく、定年を迎えてからの「第二の人生」を謳歌する人が増えています。

そんなシニア世代は、株式投資とどう向き合っているのでしょうか?

シニア世代で株式投資に取り組んでいる人の割合は3割を超え、その他の世代よりも高いことがわかりました。なかには70代になってから始めたという人もいて、「何歳からでも始められる」という株式投資の魅力の一端が垣間見えました。


調査結果の詳細は、株の学校ドットコムのウェブマガジン
株の学校トピックス」に掲載しています。


最も株をやっているのはシニア世代

シニア世代は、どれくらい株式投資に取り組んでいるのでしょうか?

株の学校ドットコムが全国1万人を対象に実施したアンケート調査によると、60代(1,620人)のうち31.9%、70代(1,750人)では36.2%が「株式投資に取り組んでいる」と回答。シニア世代全体としては34.1%になり、全世代平均の28.9%を大きく上回っています。

これに対して、40代・50代のミドル世代は27.0%、20代・30代の若手世代は25.3%。いずれも3割を下回っており、いま日本で最も株式投資が浸透しているのはシニア世代のようです。

70代から株を始めた人もいる

そんなシニア世代は一体いつから株式投資に取り組んでいるのでしょうか?

株式投資に取り組んでいる人だけを対象にした別の調査で、自身が株を始めた年代を尋ねてみたところ、60代・70代の人の回答は、意外にも、すべての年代でほぼ均等に分かれました。

多いのは「50代」で始めたという人で、60代の人では25.4%、70代の人でも25.2%で、それぞれ4分の1を占めます。また、70代になってから始めた人も7.9%いました。

やはり、定年や老後を見据えた時期になって、その先の資産形成のひとつとして株を始める人が多いようです。

シニア世代の株式投資と金融資産

株式投資に取り組んでいる人と取り組んでいない人では、保有している資産に違いはあるのでしょうか?

1万人を対象にした先の調査では、「金融資産」(現金・預貯金や株式・債券・投資信託・貯蓄型保険など。不動産などは除く)について、現在いくら保有しているかを選択式で尋ねています。

その結果を60代・70代(計3,370人)に絞って見てみると、株式投資に取り組んでいる人では、1000万円以上の選択肢を選んだ人の割合が49.0%と半数近くになりました。5000万円以上でも16.0%、1億円を超える資産を持つと回答した人は5.4%に上ります。

一方、株式投資に取り組んでいない人では、1000万円以上が25.6%、5000万円以上が5.1%、1億円以上も1.3%に留まっています。

なお、いずれも最も回答率が高かったのは「500万円未満」ですが、株式投資に取り組んでいる人では34.4%だったのに対し、株式投資に取り組んでいない人では62.9%と6割を超えており、ここでも大きく差がついています。

株歴が長いほど「億り人」が増加

さらに、株式投資に取り組んでいる人(計1,150人)について、株の経験年数と金融資産の関係を見てみましょう。

これによると、経験年数が10年以上の人では半数を超える52.2%、20年以上の人では55.1%、30年以上の人になると実に73.7%が、「金融資産1000万円以上」と回答しました。

1億円以上の資産を築いた人も、株歴10年以上で3.0%、20年以上で9.0%、30年以上では17.2%もの人が「資産1億円」を達成しています。

株式投資は時に損失も付き物で、その成果は相場状況によって左右される部分も多くあります。それでも、長く続けていれば大きな資産を築くことができることを、この結果は示していると言えるでしょう。

シニア世代が考える、株式投資の楽しみ

株式投資に取り組んでいるシニア世代には、達成したい目標についても質問しました。具体的な金額を挙げた人も15.2%いましたが、「配当」や「株主優待」を目標に掲げる人も多い傾向が見えました。

  • 「すでに配当金で生活していけるが、もう少し配当金を増やして将来に備える」(60歳・女性)
  • 「老後を安心して暮らせる資産を貯めたい」(62歳・男性)
  • 「現状の資金の目減りが無ければ良い」(64歳・男性)
  • 「株主優待がこれまで通りであれば特になし」(70歳・男性)
  • 「配当金が年間の小遣いなれば良い」(72歳・男性)
  • 「高齢なので今からは増やす予定はない」(79歳・女性)

ただ実は、最も多かった回答は「特に目標はない」というもの。では、シニア世代はどんな思いで株式投資に向き合っているのでしょうか?

「株式投資をやっていてよかったと思っていること」を尋ねたところ、以下のような回答が挙がりました。

  • 「あらゆるニュースに興味が湧いて知識が広がった。金銭的に少し余裕が出来た」(65歳・女性)
  • 「世の中の動きや世界情勢に目を向け、経済が世界を動かしていることを切実に知ることができる」(66歳・女性)
  • 「株主限定のイベントに参加できたこと」(67歳・男性)
  • 「配当金の月がわかっているので、気持ちが楽」(73歳・男性)
  • 「ある程度の利益が出るので、趣味や旅行に出かけられるし精神的にも余裕が出たこと。経済的にも精神的にも知識的にも株式投資はやってよかった」(73歳・女性)
  • 「頭の体操と、世の中の経済状況の把握すること」(76歳・男性)

この質問に対しても「特にない」という回答は多かったのですが、それでも、単に利益を得るだけではない株式投資の魅力を感じていることがわかります。

時間を味方につけて資産形成を

株式投資は何よりも、時間を味方につけることが有利になる資産運用法です。

今回の調査では、70代から株を始めた人も一定数いることがわかりましたが、その一方で、金融資産の規模は株歴によって大きな差が出ることも明らかになっています。

何歳からでも始められる株式投資ですが、長い老後に向けてより大きな資産を築くことを目指すのであれば、なるべく早く始めたほうがいいと言えるでしょう。

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