あなたは「投資」をやっていますか? 7割は何もしておらず、女性は男性の6割に留まる

《オンライン株式スクール「株の学校ドットコム」では、株式投資に取り組んでいる人々に、さまざまなアンケート調査を実施しています。そこから見えてきた、個人投資家・トレーダーの本音とは?》
10月4日は「投資の日」でした。正式には「証券投資の日」で、より多くの人々に株式や投資信託などの証券投資に興味・関心を持ってもらうことを目的に、日本証券業協会が1996年に記念日として登録しています。
この日にあわせ、株の学校ドットコムでは全国の6000人を対象に、「投資」への取り組み実態についてアンケート調査を行いました。
株の学校ドットコムのウェブマガジン「株の学校トピックス」で
詳細データや他の調査結果をご覧いただけます。
投資を行っているのは、わずか3割
全国の20〜70代の6000人(男女3000人ずつ)を対象に、「あなたは株や債券、投資信託、不動産など、何らかの投資活動に取り組んでいますか?」という質問をしたところ、「取り組んでいる」と回答した人は30.7%(1842人)でした。

- 何らかの投資活動に取り組んでいる人は、全体の3割
- 7割近くの人は、何も投資を行っていない
株の学校ドットコムでは、これとは別に「株式投資(投資信託を含む)に取り組んでいるかどうか」のアンケート調査を、全国の1万人を対象に毎年行っています。今年の結果を見ると、株式投資を行っていると回答した人の割合は、全国平均でで28.0%。
この数字は少しずつ上昇していますが、それでも、投資活動を行っている人が全体の3割程度しかいないという実情は、「資産運用立国」を目指すには物足りないと言わざるを得ません。
40代で約3割、70代で約4割
今回の調査では、20代から70代までの各年代ともに1000人ずつ(男性500人、女性500人)の回答を得ています。そこで、調査結果を年代別に分析してみたところ、年代が上がるにつれて投資に取り組む人の割合が増えていく傾向がみられました。

- 20代では25.6%が、何らかの投資に取り組んでいる(30代とほとんど変わらない)
- 30代では25.7%が、何らかの投資に取り組んでいる
- 40代では28.7%が、何らかの投資に取り組んでいる(おおよそ3割)
- 50代では29.9%が、何らかの投資に取り組んでいる(おおよそ3割)
- 60代では35.5%が、何らかの投資に取り組んでいる
- 70代では38.8%が、何らかの投資に取り組んでいる(おおよそ4割)
こうして見てみると、たしかに年代とともに割合は上昇していますが、20代と30代ではほとんど差がなく、若い人たちの間では投資が浸透しつつあるのかもしれません。
それに対して、40代・50代と60代・70代では5ポイント以上の開きがあり、いわゆる「氷河期世代」が多く含まれるミドル層において、あまり投資が広がっていない現状が見えてきます。
投資に取り組む女性は、男性の6割
続いて、男女別の分析結果を見てみましょう。男性で投資に取り組んでいると回答した人は38.3%。対して、女性では23.0%に留まりました。男性は女性の約1.7倍、女性は男性の約6割で、その差は決して小さいとは言えません。

- 何らかの投資に取り組んでいる男性は、38.4%(おおよそ4割)
- 何らかの投資に取り組んでいる女性は、23.0%(4分の1に満たない)
- 投資に取り組んでいる男性は、女性の約1.7倍
- 投資に取り組んでいる女性は、男性の約6割
鍵を握るのは「ミドル女性」?
男女の差を年代別に見てみると、最も大きいのは20代で、男性34.0%に対して女性は17.2%。その差は約2倍となっています。反対に、最も差が小さかったのは70代で、男性45.4%、女性32.3%、差は約1.4倍でした。

- 20代で投資に取り組んでいる男性は、女性の約2倍
- 30代で投資に取り組んでいる男性は、女性の約1.5倍
- 40代で投資に取り組んでいる男性は、女性の約1.7倍
- 50代で投資に取り組んでいる男性は、女性の約1.8倍
- 60代で投資に取り組んでいる男性は、女性の約1.7倍
- 70代で投資に取り組んでいる男性は、女性の約1.4倍
30代では、男性の割合が20代を下回っており、男女の差も小さくなっています。また、女性では30代・40代・50代でほぼ同じ割合になっているのに対し、男性では60代・70代の差がありません。
投資に取り組む人をより一層増やしていくためには、ミドル世代(40代・50代)の女性に浸透させることが、ひとつの鍵となりそうです。
誰もが投資家になるために
「貯蓄から投資へ」という政府のスローガンのもと、2024年には新NISA制度が始まり、株式投資をはじめとする投資行動への関心は高まっています。しかしながら、どの年代においても「投資に組んでいる人」はまだまだ少数派であることが、今回の調査からわかります。
誰もが投資によって自らの資産を形成する社会になるためには、幅広い層へのさらなる啓発が必要。なかでも女性に向けたアプローチとして、最初の一歩を踏み出す機会の提供など、より投資のハードルを下げる取り組みが必要とされているのかもしれません。