【投資詐欺】20代の被害はシニアの3倍。出会い系、ワンルームマンション、被害額1000万円以上も

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《オンライン株式スクール「株の学校ドットコム」では、株式投資に取り組んでいる人々を対象として、さまざまなアンケート調査を実施しています。そこから見えてきた、個人投資家・トレーダーの本音とは?》
- 投資詐欺被害にあった人が最も多いのは20代で、シニアの3倍
- 若者は「ネット」、シニアは「電話」で詐欺に遭遇
- 最も多いのは「ワンルームマンション」への投資話
- 約半数に金銭的被害。被害額1000万円以上も1割超
20代の詐欺被害はシニアの3倍
株の学校ドットコムでは、全国の20代~70代の6000人に投資詐欺被害の実態調査を行いました。実際に投資詐欺の「被害にあったことがある」と回答した人は4.7%(281人)にのぼり、おおよそ20人に1人が被害にあっている計算です。
〈参考記事〉【投資詐欺】「私はこれで、騙されました」 6000人調査で明らかになった手口
最も多かったのは20代で、被害率は9.1%。次に多かったのは30代の6.7%です。一般的に、詐欺被害はシニア層に多いと考えられますが、今回の調査では、若い世代に被害が多くなっていることがわかりました。20代の被害率は、60代(3.1%)・70代(3.4%)の約3倍です。

さらに、「被害にあったことがある」「被害は受けていないが、勧誘を受けたことがある」を合計した遭遇率でも、20代は19.1%で、70代の19.9%、60代の19.4%に匹敵する高さです。
20代は約5人に1人が詐欺に遭遇し、そのうちのほぼ半数が被害を受けているという深刻な状況が見えてきました。
若者は「ネット」、シニアは「電話」で詐欺に遭遇
投資詐欺に遭遇したことがあると回答した1012人(被害の有無に関係なく)に、どういう経緯で詐欺に遭遇したのかを尋ねました(選択式・複数回答)。最も多かったのは「電話営業を受けた」で、実に4割を超える421人(41.6%)が回答しました。
次に多かったのは「インターネット上の広告を見て自分から問い合わせた」187人(18.5%)、続いて「SNSで知り合った人の紹介」156人(15.4%)、「友人、知人の紹介」150人(14.8%)となりました。

ただ、被害率が高い20代では、「マッチングアプリや出会い系で知り合った人の紹介」の35.6%が最も多く、続いて「インターネット上の広告を見て自分から問い合わせた」の30.4%、「SNSで知り合った人の紹介」の26.7%でした。

30代と40代でも同様に、インターネットを通じて詐欺に遭遇している人が多い傾向にあります。一方、50代以降になると「電話営業を受けた」という回答が多くなり、60代と70代では6割を超えています。
最も多いのは「ワンルームマンション」への投資話
投資詐欺に遭遇した人たちは、一体どんな投資話を持ちかけられたのでしょうか?
最も多かったのは「ワンルームマンション」の204人(20.2%)で、選択肢の中では唯一2割を超えました。次に多かったのは「株やFXの自動売買システム」188人(18.6%)、続いて「海外の株式や事業」183人(18.1%)となりました。

約半数に金銭的被害。1000万円以上も1割超
投資詐欺に遭遇した人のうち、どれくらいの人が金銭的被害を受けているのでしょうか。自身や友人・知人が何らかの投資詐欺に遭遇したことがあると回答した約600人を対象に、追加の調査を行いました。
その結果、47.2%(282人)が「金銭的被害がある」と回答し、「金銭的被害はない」と回答した45.6%(272人)を上回りました。

さらに、金銭的被害があると回答した282人にその金額を尋ねたところ、最も多かったのは「100万円~500万円未満」の27.7%(78人)で、比較的高額の被害を受けた人が多いことがわかります。なかには、「1000万円以上」の被害を受けた人も、1割を超える10.3%(29人)いました。
投資詐欺の被害にあわないために
近年、SNSを利用した投資詐欺が増加しています。警察庁の発表によると、SNS型投資詐欺は今年8月だけで1000件を超え、被害額は141億円で、いずれも過去最高を記録しています。
特に若い世代で、インターネット広告やSNS、アプリなどを通じた詐欺で被害を受ける人が増加傾向にあることが、株の学校ドットコムの調査でも明らかになりました。さらには、投資詐欺に遭遇した人の約半数が金銭的被害を受けていることもわかりました。
こうした投資詐欺の実態を知り、詐欺被害にあわないための第一歩となります。株の学校ドットコムでは、今後も実態調査と情報提供に努めてまいります。
本調査の詳しい内容は、株の学校ドットコムのプレスリリースをご覧ください。
- 6人に1人が詐欺に遭遇。実は「SNS」よりも「電話営業」が約3倍多い
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- 詐欺に遭遇した人の半数が「金銭的被害」。 騙されないために必要なのは「知識」と「相談」










