新NISAで選びたい! 運用上手&投資家に人気の投資信託
2024年からスタートした新しいNISA(少額投資非課税制度)の影響もあり、「貯蓄から投資へ」の流れが広がっています。
日銀が公表した1~3月期の「資金循環統計(速報)」によると、3月末時点の家計の金融資産は2199兆円で、前年同期比で7.1%増加しました。株高や円安により、投資信託や株式などの評価額が押し上げられ、新NISAなどを通じた新規の投資も増えています。
新NISAでは、これまで投資にあまり関心のなかった若年層が、アメリカ株などのインデックス投資を始めるケースも多くなっています。個別株への投資はハードルが高いという理由からも、投資信託の人気が高まっているのです。
そこで、新NISAで選びたい「良い投資信託」の見つけ方についてご紹介します。なお、本記事で取り上げる投資信託は、すべて新NISAで購入することができます。
良い投資信託はどうやって判断する?
国内株や海外株に投資する投資信託(株式投信・株式ファンド)は運用会社ごとにも非常に多くの種類があり、選ぶのもひと苦労かもしれません。
しかし、「なんとなくいいかな」「人気があるし」「勧められたから」といった感覚だけで投資信託を選ぶのは、自分の大切な資金を危険に晒す可能性があります。また、たとえそのような理由に基づいて選んだとしても、最終的な投資の決断は自分で下すべきです。
それでは投資信託を選ぶ際に重視すべきポイントは基準は何でしょうか?
- 自身の投資の考え方や戦略に近い投資信託
- 成績の目安となるベンチマークと比較して収益が高い投資信託
- 資金流入額の多い投資信託
投資信託をセレクトする際、まずは、自分自身の投資理念や戦略にフィットする商品を選ぶことが不可欠です。また、資産総額が伸びている=資金流入が盛んな投資信託は、幅広い投資家から評価されていると言えるので、選択時の目安となります。
運用上手を見抜く「シャープレシオ」
株式投信を購入する際には、できるだけ「運用上手なファンド」を選ぶのが賢明です。言い換えると、リスクに見合ったリターンが得られているかどうか、ということです。それを判断するための指標として「シャープレシオ」があります。
シャープレシオは、リスクごとの超過リターンの水準を示します。ここでいう超過リターンとは、国債などのリスクのない資産を比較してより多く得られた追加のリターンを指します。シャープレシオの値が高ければ高いほど、効率的に収益を生み出していることを示します。
例えば、2つの投資信託のリターンが各々10%だとします。そのうち1つは20%のリスクを取っていて、もう1つは10%のリスクしか取っていなければ、シャープレシオが高いのは後者のファンドです。リスクと同等のリターンを達成しているからです。
今いちばん運用上手の日本株ファンドは?
それでは、実際に運用上手な日本株ファンドには、どのようなものがあるでしょうか。
直近の過去1年間(各データは2024年6月28日時点。以下同)で、投資信託の値段である基準価額が20%以上の上昇を達成し、なおかつシャープレシオが高かったファンドを見てみます(新NISA非対応、ラップ口座などの専用ファンドは除外)。
最も高かったのは、三井住友トラスト・アセットマネジメントが運用する「SMT日本株配当貴族インデックス・オープン」です。シャープレシオは3.67、過去1年で基準価額は41%上昇し、日本株式型ファンドの平均27%を上回る好成績でした。新NISAの成長投資枠で投資することができます。
このファンドはS&P/JPX配当貴族指数 (配当込み)に連動するように運用されるインデックス型の投資信託です。この指数は、TOPIX(東証株価指数)構成銘柄のうち10年以上減配せず、増配もしくは配当を維持続けている銘柄をとして、配当利回りによって 加重平均された指数です。
最新の運用月次レポートによると、組み入れ銘柄のうち業種別では銀行業と建設業がそれぞれ17%、次いで化学が15%となっており、総じて景気敏感のバリュー系の銘柄の比率が高くなっています。
個別ではENEOSホールディングス<5020>、三井金属鉱業<5706>など割安かつ配当利回りもそれなりの資源関連株が組み入れ比率上位です。
投資家に人気の日本株ファンドは?
続いて、直近1年間で最も資金が流入した=投資家に支持されてお金が集まったファンドを見てみましょう。
1位はSBI岡三アセットマネジメントの「日本好配当リバランスオープン」です。資金流入額は1429億円と圧巻のトップでした。運用の上手さを示すシャープレシオは2.63で、期間中の上昇率は34%と日本株式型の平均27%を上回りました。新NISAの成長投資枠に対応しています。
2005年の設定以来、長く投資家に支持されており、今年2月、純資産残高が約款で決められている上限の2000億円に迫る1826億円となったことから、新規の買い付けの申し込みを一時停止。その後、「日本好配当リバランスオープンⅡ」が新規設定され、新たな資金の受け皿となりました。
こちらも、設定から数か月で純資産額が約600億円となっており、投資家の人気の高さがうかがえます。新NISAの成長投資枠に対応しています。
直近のレポートによると、組み入れ比率上位の銘柄は石油資源開発<1662>や安藤・間<1719>、大林組<1802>となっています。6月には新たに日本M&Aセンターホールディングス<2127>、野村不動産ホールディングス<3231>などを組み入れました。
海外株ファンドの運用上手&人気は?
続いて、海外株ファンドを見てみます。基準価額の上昇が20%以上でシャープレシオが最も高かったのは、HSBCアセットマネジメントの「HSBC インド・インフラ株式オープン」です。
過去1年間のシャープレシオは4.94で基準価額は77%上昇しました。純資産残高も3391億円と、それなりの金額となっています。新NISAの成長投資枠に対応しています。
インド株式市場が堅調だったこともあり、シャープレシオ上位にはインド株関連のファンドが並びました。
各国がインフレなどで経済成長が減速する中、インドは中国集中リスクの回避先としての受け皿や人口増加により経済の高い成長が見込まれています。6月に実施された総選挙ではモディ首相率いる与党が苦戦しましたが、その後、経済政策などを継続すると表明し株式市場で好感されました。
このファンドの組み入れ比率上位の銘柄は、建設エンジニアリング大手のラーセン・アンド・トゥブロやエネルギーや携帯電話事業の財閥グループのリライアンス・インダストリーズなどです。
最も資金が流入した海外株式ファンドは?
海外株式ファンドで過去1年に最も資金が流入したのは、三菱UFJアセットマネジメントの「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」です。1年間の資金流入額は1兆2395億円で、2位の「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース」の4923億円に、倍以上の大差をつける結果となりました。
基準価額の上昇率は41%で、海外株式型の平均26%を上回っています。円安ドル高の進行に加えて、アメリカ株の上昇で良好な成績となりました。なお、この「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」は新NISAのつみたて投資枠、成長投資枠どちらにも対応しています。
運用は、アメリカの代表的なインデックスであるS&P500種株価指数に連動するインデックス型の運用です。S&P500種株価指数と同じように時価総額上位のハイテクや成長株の組み入れ比率が高くなっています。
直近のファンドレポートによると組み入れ比率上位の銘柄は、マイクロソフト<MSFT>、アップル<AAPL>、エヌビディア<NVDA>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>です。
このファンドは、保有する間ずっとかかるコストである信託報酬率が年率0.09372%で、業界最低水準です。また、6月25日には株価上昇や新NISAによる資金流入で純資産総額が5兆円を超えたと発表しています。
ファンド選びはポイントを押さえて
日本株と海外株の投資信託について、「運用上手」「投資家の支持が高い」という視点から4つのファンドをご紹介しました。
これ以外にも投資家から評価されているファンドは多数ありますので、ご自身の運用成績向上のためにも、ファンドの選び方のポイントをぜひ押さえていただければと思います。