やはり崩れたAI関連。調整に入った相場で生きた経験と、プロが気にするニュース
《日々相場と向き合うプロトレーダーは、いまどんな銘柄に注目しているのか? オンライン株式スクール「株の学校ドットコム」講師の窪田剛さんが、2026年7月相場を3つのランキングから相場を振り返ります》
2026年7月相場を振り返って
見事な「半値八掛け二割引」でしたね!(意味は下で解説します)
これまで大きく上昇してきた日経平均株価が、7月は大きく下落しました。6月22日に高値72,831円を付けてから調整が始まり、7月28日には60,448円まで下落。きっかけは、大きく上昇していたキオクシアホールディングスを筆頭に、AI関連銘柄が調整したことです。

そして、この原稿を書いている月末にはいろいろありました。
- 為替:30日に、ドル円が164円から158円まで上昇(介入の発表は無いけれど)
- 金利:31日に、日銀の会合で1%据え置きが決定
- 消費税:30日に、高市首相が発表。飲食料品の消費税が8%から1%に(なるかも)
- 決算:31日に、キオクシアが決算発表。予測より悪いけど超好決算。果たしてどうなる?
バタバタっと多くのことが飛び込んできましたが、これらを受けて、8月以降も株価は大きく動きそうです。大きく動く相場にはチャンスがある。夏枯れか、大きなチャンスか。ますます目が離せない──暑い夏が始まるぜ。

7月相場で上がった株・下がった株
そんな2026年7月の株式相場を、売買代金と値上がり率・値下がり率のランキングで振り返ってみたいと思います(太字はピックアップ銘柄/データ提供:カブケーションズ)。
・2026年7月の売買代金トップ20

・2026年7月の値上がり率トップ20

・2026年7月の値下がり率トップ20

7月相場でプロが気になった銘柄
このランキングの中から、私・窪田が気になった銘柄をピックアップします。
AI半導体──この経験が次に生きる
▼売買代金ランキング *(6月の売買代金)
| 【1】キオクシアホールディングス<285A> | 64.65兆円(72.05兆円) |
| 【2】太陽誘電<6976> | 7.15兆円(10.26兆円) |
| 【3】東京エレクトロン<8035> | 6.92兆円(7.40兆円) |
| 【4】ソフトバンクグループ<9984> | 6.54兆円(10.93兆円) |
| 【5】アドバンテスト<6857> | 6.18兆円(5.71兆円) |
| 【6】村田製作所<6981> | 5.84兆円(8.46兆円) |
| 【7】フジクラ<5803> | 4.23兆円(6.16兆円) |
| 【8】イビデン<4062> | 3.41兆円(4.52兆円) |
| 【9】レーザーテック<6920> | 3.36兆円(3.88兆円) |
| 【11】ディスコ<6146> | 2.83兆円(3.34兆円) |
| 【13】SUMCO<3436> | 2.16兆円(1.19兆円) |
| 【15】JX金属<5016> | 1.90兆円(2.78兆円) |
| 【17】KOKUSAI ELECTRIC<6525> | 1.80兆円(8211億円) |
>みんなが買ったあとは、もう買う人がいない<
6月のコラムで、キオクシアと「靴磨きの少年の話」を書きましたが、もろに的中しました。興味のある方は読み返してみてください。
《参考》もはやスピード違反! 7万円へ駆け上がった相場で売られた株と、プロが気にする「2つのこと」
簡単に説明すると、靴磨きの少年までもが株を買うことに驚いたケネディ氏が、「こんな子どもまで株を買っている。もう買う人がいない」と判断し、売り抜けた後に大暴落が始まった……という、1929年の世界恐慌にまつわる有名な逸話です。
先月は、久しぶりの友人からキオクシアの質問が来たり、SNS(インスタグラム)でも、それまで株をやっていなかった友人がキオクシアのチャートをアップしたりしていました。また、居酒屋に行けば必ず、キオクシアで儲かっている人の話を聞きました。
そして、崩れてしまいました。
相場の天井を当てるのは難しいですが、こういった経験を積み重ねることで、今後に生きてきます。あなたの周りにも、キオクシアでホクホクだった方がいるのではないでしょうか?
歴史は繰り返します。今後同じことがあったとき、いち早く相場の変化を読み取れるように、今回のことをしっかりと胸に刻んでおきましょう。
























「半値八掛け二割引」とは?
▼値下がり率ランキング *(6月終値→7月終値)
| 【7】太陽誘電<6976> | -49.2%(20,150円→10,225円) |
| 【8】キオクシアホールディングス<285A> | -48.1%(89,680円→46,500円) |
| 【9】QDレーザ<6613> | -45.1%(2,802円→1,537円) |
「半値八掛け二割引」という言葉を聞いたことはありますか? 相場格言のひとつで、大きく上昇した銘柄が崩れたときの底値の目安となるものです。およそ高値の3分の1(高値の半値〈×0.5〉に八掛け〈×0.8〉、さらに二割引〈×0.8〉=32%)となります。
キオクシアの高値(6/22)は112,700円でした。
- 112,700円×0.5×0.8×0.8=36,064円
- キオクシアの安値(7/30)=36,020円
ドンピシャです。とはいえ、これはただの偶然なのですが、大切なのは、みんなが「どこで下げ止まるか」と考えているときに「意識されるライン」となり得る、ということです。
これを事前に知っていたからと言って、空売りで稼げるわけでもないし、反発の買いを入れられるわけでもありません。ですが、知っていると知らないとでは、相場に対する心構えも変わるし、知っていれば余裕をもって売買することができます。
このように、知らないよりも知っていたほうがいいことは、たくさんあります。そして、本を読んで知っている、YouTubeで見て知っている、AIに聞いて知っている……というのと、実際の相場で身をもって経験して理解するのとは、全く違います。
せっかくのチャンスなので、今後もしばらくキオクシアの値動きを追いかけてみてください。勉強になるよ。







8月に向けて気になる動き
ランキングに入らなかったけど気になった動きを挙げておきます。それは、「ゲーム・コンテンツ関連への資金シフト」です。
キオクシアの株価上昇は、メモリー価格の上昇が裏付けとなっていましたが、メモリー価格が上昇すると、スマホやパソコン、ゲーム機も値上がりします。その結果、割を食う業界として、特にゲーム関連企業の株が売られていました。
キオクシア下落の要因のひとつが、「メモリーがそんなに儲かるなら、俺たちめっちゃアクセル踏むよ!」という中国勢のメモリー投資のニュースでした。これによってキオクシアは下落し、反対に、ゲーム・コンテンツ関連に資金が入ってきつつある感じがします。
具体的には……
- 任天堂<7974>
- コナミグループ<9766>
- スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>
- コーエーテクモホールディングス<3635>
- カプコン<9697>
また、この文脈では関係ないけれどコンテンツ関連として……
- オリエンタルランド<4661>
- サンリオ<8136>
- 東宝<9602>
こういった銘柄にも資金が入ってきています。
まだまだ大きな動きにはなっていませんし、8月に入ったらまたAI関連に資金が入りそうな流れもあります。それでも、こういった小さなきっかけを知っていれば、このうねりが大きくなってきたときに素早く動き、利益を上げることができます。
だから、このコラムを読んでくれているあなたにだけ、そっと教えてあげますね。もしここに挙げた銘柄が大きく上がったら、感謝してくれよな。下がっちゃったら、まぁ、自己責任で。
夏を占う大きなニュース
さて、いちばん大きなニュースは、これです。
現在のマーケットでいちばんの注目株であるキオクシアが、7月31日に決算発表(第1四半期)を行いました。超好決算なのですが、市場期待には届いていません。ただ、自社株買いや株式分割などの株主還元も発表しています。
PTS(時間外の私設市場)では、決算発表直後の株価が46,500円から40,500円まで下落し、その後、49,300円まで上昇しました。8月1日深夜の時点では44,500円となっています。
8月相場はどうなるか──AI復活か。それとも、ゲーム・コンテンツ関連に資金が行くか。はたまた、“別の何か”なのか。いやいや、みんな夏休みで「夏枯れ相場」になるか。目が離せない夏相場になりそうです。
お前ら、振り落とされんなよ!
(本記事は「株の学校トピックス」からの転載です)








