もはやスピード違反! 7万円へ駆け上がった相場で売られた株と、プロが気にする「2つのこと」
《日々相場と向き合うプロトレーダーは、いまどんな銘柄に注目しているのか? オンライン株式スクール「株の学校ドットコム」講師の窪田剛さんが、2026年6月相場を3つのランキングから相場を振り返ります》
2026年6月相場を振り返って
なんと、日経平均株価が7万円を超えてきました。

年始の5万円から6月で7万円まで急上昇。「スピード違反」とも言われるような速さを見せています。さすがに高値72,831円を付けた後は調整していますが、依然として高値圏にあります。さらに、為替も約40年ぶりに1ドル162円台まで下落してしまいました。
株高が続いていますが、為替、金利、インフレなど気になる指標も多くなっています。ここから先は、しっかり装備を整えて、安全第一でマーケットの荒波を乗り越えていきましょう。

6月相場で上がった株・下がった株
そんな2026年6月の株式相場を売買代金と値上がり率・値下がり率のランキングで振り返ってみたいと思います(太字はピックアップ銘柄/データ提供:カブケーションズ)。
・2026年6月の売買代金トップ20

・2026年6月の値上がり率トップ20

・2026年6月の値下がり率トップ20

6月相場でプロが気になった銘柄
このランキングの中から、私・窪田が気になった銘柄をピックアップします。
AI関連──「AIに非ずんば株に非ず」
▼売買代金ランキング *()は前月
| 【1】キオクシアホールディングス<285A> | 72.05兆円(32.47兆円) |
| 【2】ソフトバンクグループ<9984> | 10.93兆円(9.06兆円) |
| 【3】太陽誘電<6976> | 10.26兆円(1.65兆円) |
| 【4】村田製作所<6981> | 8.46兆円(2.97兆円) |
| 【5】東京エレクトロン<8035> | 7.40兆円(2.82兆円) |
| 【6】フジクラ<5803> | 6.16兆円(7.74兆円) |
| 【7】アドバンテスト<6857> | 5.71兆円(4.27兆円) |
| 【8】イビデン<4062> | 4.52兆円(2.88兆円) |
| 【9】レーザーテック<6920> | 3.88兆円(2.66兆円) |
| 【10】古河電気工業<5801> | 3.71兆円(5.64兆円) |
| 【11】ディスコ<6146> | 3.34兆円(2.10兆円) |
| 【13】JX金属<5016> | 2.78兆円(2.47兆円) |
| 【14】三井金属<5706> | 2.01兆円(2.34兆円) |
| 【17】住友電気工業<5802> | 1.81兆円(1.64兆円) |
| 【18】ルネサスエレクトロニクス<6723> | 1.76兆円(1.44兆円) |
キオクシアの売買代金がすごいことになっています。今年の始め、東証プライム市場全体の売買代金は一日6兆円ほどでしたが、今ではキオクシア1銘柄で4兆円を超える日もあります。
6月30日は全体の売買代金が11兆円、うちキオクシアが3.2兆円。ここにピックアップした銘柄の売買代金だけで約9.2兆円あります。ここにない銘柄もあわせると、11兆円のうちの9割近くの売買がAI関連銘柄に集中していることになります。
まさに「AIに非ずんば株に非ず」という状況になっており、それ以外の銘柄は鳴かず飛ばずといった状況です。
ただ、この状況にもいつか必ず終わりが来ます。むしろ、いつ来てもおかしくない状況なのですが、意外と長く続く可能性もあります。ここから先は注意しながら、上がるなら買いでついていく、しかし慎重に。そんな局面です。















銀行株──今後に向けて要チェックです
▼売買代金ランキング *()は前月
| 【12】三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306> | 2.91兆円(2.30兆円) |
| 【15】三井住友フィナンシャルグループ<8316> | 2.00兆円(1.54兆円) |
| 【20】みずほフィナンシャルグループ<8411> | 1.73兆円(1.51兆円) |
6月16日に政策金利が0.75%から1.00%に引き上げられました。1995年以来、実に35年ぶりの水準となります。セオリーどおりなら、金利が上がれば株価は下落するのですが、日経平均株価は最高値を更新。
銀行株は、金利上昇による収益拡大期待があるので、メガバンク、そして地銀も、今後注目される場面が出てくるかもしれません。AI関連の陰に隠れてしまっていますが、ぜひチェックしておきましょう。



宇宙関連──視界から外さないように
▼値下がり率ランキング *(前月終値→当月終値)
| 【4】アストロスケールホールディングス<186A> | -57.0%(2,739円→1,176円) |
| 【6】QPSホールディングス<464A> | -52.0%(4,060円→1,948円) |
| 【17】アクセルスペースホールディングス<402A> | -41.1%(865円→509円) |
| 【18】スカパーJSAT<9412> | -40.1%(4,470円→2,677円) |
| 【29】Synspective<290A> | -35.0%(1,896円→1,232円) |
5月に注目していた宇宙関連銘柄たちが、そろって値下がり率ランキングに入ってしまいました。
米スペースXの上場は予定どおり行われ、成功したといってよいでしょう。しかし、今回のIPOは日本からも参加しやすく、実際、多くの人が日本から参加したようです。そのため、スペースX上場の思惑で買っていた日本の宇宙関連銘柄を売って、本家アメリカのスペースXに資金を投じよう、という動きがあったようです。
それでも、宇宙関連は高市政権の掲げる17の戦略分野にも入っているため、今後また動き出す可能性があります。視界からは外さないようにしておきましょう。





今後押さえておくべき17テーマ
6月24日、高市政権は日本成長戦略の柱として「戦略17分野」を策定しました。2040年までに官民で総額370兆円を超える投資が行われる「計画」です。この17分野は、しっかりと押さえておきましょう(金額の大きい順、内訳は割愛)。
| AI・半導体 | 約101.6兆円 |
| デジタル・サイバー | 約55.4兆円 |
| 創薬・先端医療 | 約43.3兆円 |
| 合成生物学・バイオ | 約33.6兆円 |
| 情報通信 | 約28.8兆円 |
| 資源・エネルギー・GX | 約28.8兆円 |
| 航空・宇宙 | 約18.5兆円 |
| 量子 | 約13.2兆円 |
| マテリアル | 約12.7兆円 |
| 防衛産業 | 約2.1兆円〜(※現時点の明示分。今後大幅な追加見込み) |
| 核融合技術 | 約3.1兆円 |
| 防災・国土強靱化 | 約2.6兆円 |
| 海洋 | 約2.4兆円 |
| フードテック | 約2.3兆円 |
| コンテンツ | 約1.6兆円 |
| 港湾ロジスティクス | 約0.6兆円 |
| 造船(LNG運搬船含む) | (金額は他分野と連動・調整中) |
気になっている2つのこと
気になっていることが2つあります。
1つめ。それは、私の周りの友人やその友人までもが、みんなキオクシアを買っていることです。そして、みんなそろって「ちょっと下がっちゃったけど、どうすればいいだろう?」と聞いてきます。答えは「すぐ売れ」なのですが、それは置いておいて。
ここで思い出したのが「靴磨きの少年の話」です。1929年のアメリカでは、靴磨きの少年が株を買っていた。誰もが「買えば儲かる」と楽観していた。それを見たケネディ大統領の父親はすべての株を売り、その後マーケットは大暴落し、世界恐慌が始まった……という有名なエピソードがあります。
2つめ。「マグニフィセント・セブン」といわれる7社(アップル、マイクロソフト、アルファベット、アマゾン、メタ、エヌビディア、テスラ)の株価が調整しはじめています。同じくキオクシア、そして日経平均も高値圏で調整中です。
ここから大きく下落してしまうのか。それとも踏みとどまって、短い調整のまま上昇が継続するのか。注意が必要なタイミングです。
……と、気になる点はありますが、ここからさらに上昇していくのであれば、注意しながらも買いで大きく利益を上げる局面です。ただし、変化を感じたらすぐに逃げ出しましょう。逃げ遅れると大きな損失を抱えてしまうことになります。
もしくは、ちょっとマーケットから距離を置いて、静観してもいいかもしれません。それくらい難しい局面に入ったと感じています。
舞踏会の主役になって
今回の締めに、私が好きな言葉を紹介します。
「音楽が鳴っている間は、みんなと一緒に先頭で踊り続けよう。
音楽が鳴りやんだら、いちばん先にダンス会場から逃げ出そう」(株価が上昇しているうちは買いで儲けろ。下落が始まったらすぐに売れ、という意味)
私ですか? もちろん、私は踊り続けますよ!
逃げる準備をしながらも、舞踏会の主役になって踊り続けます。








