反発のち失速…資金はどこへ向かう? 揺れる相場でプロが気になる銘柄とは

窪田 剛
2026年9月2日 12時00分

《日々相場と向き合うプロトレーダーは、いまどんな銘柄に注目しているのか? オンライン株式スクール「株の学校ドットコム」講師の窪田剛さんが、2026年8月相場を3つのランキングから相場を振り返ります》

2026年8月相場を振り返って

4月から7月まで大きく上昇。7月は大幅下落。そして8月は、反発するものの後半失速──そんな夏の終わりとなりました。

9月に入り、ここから方向感が出てくるのか。下に行くならば前回安値の60,448円を死守できるか。上ならば節目の7万円を超えられるか。

8月の動きを見ていると、年末に向けて大きな資金のうねりを感じます。しっかりと振り返り、年末に向けて最高のスタートを切っていこうぜ。

8月相場で上がった株・下がった株

そんな2026年8月の株式相場を、売買代金と値上がり率・値下がり率のランキングで振り返ってみたいと思います(太字はピックアップ銘柄/データ提供:カブケーションズ)。

・2026年8月の売買代金トップ20

・2026年8月の値上がり率トップ20

・2026年8月の値下がり率トップ20

8月相場でプロが気になった銘柄

このランキングの中から、私・窪田が気になった銘柄をピックアップします。

AI半導体──人のウワサはいつまで続く?

▼売買代金ランキング *(7月の売買代金)
【1】キオクシアホールディングス<285A>43.99兆円(64.65兆円)
【2】フジクラ<5803>6.94兆円(4.23兆円)
【3】アドバンテスト<6857>5.80兆円(6.18兆円)
【4】太陽誘電<6976>4.94兆円(7.15兆円)
【5】ソフトバンクグループ<9984>4.14兆円(6.54兆円)
【6】村田製作所<6981>3.94兆円(5.84兆円)
【7】東京エレクトロン<8035>3.40兆円(6.92兆円)
【8】イビデン<4062>3.23兆円(3.41兆円)
【9】古河電気工業<5801>2.69兆円(1.47兆円)
【11】レーザーテック<6920>2.27兆円(3.36兆円)
【12】ディスコ<6146>1.80兆円(2.83兆円)
【17】JX金属<5016>1.48兆円(1.90兆円)
【19】KOKUSAI ELECTRIC<6525>1.43兆円(1.80兆円)

人の噂も七十五日」──世間の注目を集めても長続きはせず、しばらく経てば自然と忘れられてしまう、ということわざがあります。あれだけ騒がれていたキオクシアHD(285A)ですが、売買代金は減少し、注目される頻度も減ってきました。あと1〜2か月もすれば、キオクシアが相場の中心となることもなくなってしまうのでしょうか。

それとも、噂されているアメリカのアンソロピックやオープンAIの上場をきっかけに、またキオクシアやAI関連銘柄に資金が集中する日がやってくるのか。もし再びAI相場がやってくるなら、ここからが本番である可能性もあります。

資金が抜け続けてしまうのか、それとも盛り返していくのか。大事な局面に入ってきました。しっかりと監視を続けていきましょう。

[MEMO]キオクシアHDの売買代金の推移

2025年12月の売買代金1位はソフトバンクグループ<9984>でした。それ以降、キオクシアがトップをキープしています。今後しばらく、キオクシアの売買代金を時系列で見ておきましょう。トレードの大きなヒントになるかもしれません。

銀行株──「普通の世界」がやってくる

▼売買代金ランキング *(7月の売買代金)
【10】三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>2.57兆円(3.35兆円)
【16】三井住友フィナンシャルグループ<8316>1.49兆円(1.93兆円)
【20】みずほフィナンシャルグループ<8411>1.41兆円(1.78兆円)

金利上昇がじわりじわりと進んできました。銀行にとっては収益環境の改善につながりますが、上昇のペースが速いと、企業収益や住宅ローンへのネガティブなインパクトにつながってしまいます。

9月1日には日本国債(新発10年物)の金利が30年ぶりに3%を付けた、というニュースがありました。マイナス金利やゼロ金利に慣れてしまった我々には刺激の大きな世界に突入となります。

どんな世界になっていくのか。悲観するばかりでなく、銀行株の値動きを見つつ、自分の利益に変えて、これから来る「金利のある普通の世界」で賢く立ち回っていきましょう。

グロースの追い上げが始まった?

▼値上がり率ランキング *(7月終値→8月終値)
【2】ティアフォー<593A>+137.2%(1,011円→2,399円)
【4】弁護士ドットコム<6027>+131.8%(2,312円→5,360円)
【15】Terra Drone<278A>+68.5%(10,540円→17,770円)
【16】フリー<4478>+67.7%(2,599円→4,360円)

注目したいのはグロース市場の反発です。これまでAI関連にばかり資金が集中してきましたが、その流れが変わりつつあります。AIによる「SaaSの死」といわれる株価下落を乗り越え、むしろAIを使って利益を増やしている企業を中心に値を飛ばしています。

この流れが多くの銘柄に波及し、ただの反発ではなく株価上昇の狼煙となるか。まだまだ動き始めたばかりなので先行き不透明ではありますが、期待したい動きです。

「どこか」へ向かう資金を追って

7月のコラムで、気になる動きとして「ゲーム・コンテンツ関連」を挙げましたが、大きな動きとなりつつあります。

▼8月の上昇率 *(7月終値→8月終値)
カプコン<9697>+7.7%(3,964円→4,270円)
バンダイナムコ<7832>+24.0%(4,609円→5,720円)
任天堂<7974>+17.8%(7,679円→9,044円)
スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>+6.9%(2764.5円→2,955円)
ガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>+14.0%(2422円→2,670円)
MIXI<2121>+25.7%(2,896円→3,640円)

これまで下げていた銘柄も多く、今後につながってくれば面白い動きになりそうです。

他にも、ビットコイン関連としてメタプラネット<3350>やマネックスグループ<8698>、金関連の住友金属鉱山<5713>や三菱マテリアル<5711>などにも動きが出てきました。

グロース市場の大きな上昇(グロース250指数は+18%)とあわせて見てみると、AI一極集中から資金が「どこか」に向かおうとしていることが見て取れます。この流れが今後どうなるのか。しっかりと見ていくことで、大きな利益につながりそうだと感じます。

みんな、おもしろい相場が始まるぞ!

(本記事は「株の学校トピックス」からの転載です)

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[執筆者]窪田 剛
窪田 剛
[くぼた・つよし]トレーダー、投資家。オンライン株式スクール「株の学校ドットコム」講師。数日から数週間保有するスイングトレードをメインに手がける。トレーダーとして日々相場と向き合うかたわら、エンジェル投資家としてベンチャー企業に出資したり、社会貢献活動にも力を入れる。スキーとサウナ、温泉とゲームが好き。著書に『株の学校』『株の学校 超入門』(いずれも高橋書店)がある。
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