「トヨタを買っておけば大丈夫」ってほんと? 銘柄選びの常識・非常識

株の学校ドットコム
2021年12月1日 8時00分

株式投資を行うときに必要なのは「根拠」です。「とりあえずトヨタ自動車の株を買っておけばいいんじゃないか」と思う方は少なくないでしょうが、その根拠は「儲かっていて、安定していそう」でしょう。しかし、はたして単純にトヨタ株を買えば本当にそれでいいのでしょうか?

安定して業績を伸ばすトヨタ。で、株価は?

日本経済新聞社のホームページでは、上場会社の各種ランキングを見ることができます。

2021年10月時点の全国の上場企業(ジャスダックを除く)の営業利益ランキングを見ると、トップ5は上から順にトヨタ自動車<7203>、日本電信電話<9432>、KDDI<9433>、ソニーグループ<6758>、ソフトバンク<9434>。トヨタは日本一の営業利益を叩き出す、たしかに「儲かっている会社」と言えます。

それでは、日本一営業利益が高いトヨタ自動車<7203>の株価推移を見てみましょう。

たとえば2016年6月に1,000円ほどで買っておけば、いまごろ株価は2倍以上になっていたわけですが、それが事前にわかっていれば誰も苦労しません。

ベンチャー企業ならともかく、トヨタのような大企業でも、株価はこんなにもアップダウンしてしまうのです。夢があるとも言えますが、一方で、ヤラかせば資産は半分に……という結果にもなりかねません。

次に、トヨタの最近5年の業績を見てみます。年度末の決算における売上高と営業利益、当期利益、それに、営業利益÷売上高で出す営業利益率の推移です。コロナ禍で売上高や利益は落ち込んだものの、営業利益率は2018年度以来の8%台を維持しています。

株価と見比べると、どうでしょうか。上の株価チャートの矢印部分が、それぞれ決算期にあたります。業績の推移グラフとは同じようになっていないどころか、営業利益率が大きく伸びた2018年春に買ってしまっていたら、1年後には10%を超える損失になっていたのです。

実際には、業績は四半期ごとに発表されるので、単純に年度末だけを見てもわからないことはありますが、そうであっても、「トヨタだから大丈夫」というのは「根拠」にならないことがわかるでしょう。

固定費で利益を出すKDDIは?

トヨタが販売している自動車は、景気に左右されやすい商品です。一般的には、しょっちゅう買い替えたり、ひとりで何台も買いそろえたりするものでもありません。また、トヨタは世界中で車を売っているために、業績には為替も影響してきます。

一方、いまや水道や電気のようなインフラとなった携帯電話はどうでしょうか。

単価は車よりも安いですが、通信費は、景気に関係なく毎月一定額がかかります。また、「日本全国で車を所有する人」よりも「日本全国で携帯電話を所有する人」のほうが多いですよね。東京など都市部では車を持たない人も多いですし、子どもは自動車免許を取れませんが、携帯は持てます。

というわけで、営業利益ランキングで第3位に入っているKDDI<9433>を見てみましょう。まずは過去5年の業績から。コロナ禍にあっても順調に右肩上がりで伸びているようです。

それでは株価チャートです。これまた業績グラフとは様相が異なります。2018年3月は同じように落ち込んでいますが、2019年はまったく反対の動きに見えます。売上・利益の右肩上がり感と比べて、株価は常に上がったり下がったりを繰り返していることがよくわかります。

なぜ明日上がる銘柄がわかるのか?

このように株価は、業績がよければ素直に上がるとは限りません。米中貿易摩擦やテロといった海外のニュースや世界経済の動向も、株価を動かす要因になります。「業績が右肩上がりなら株価も右肩上がり」というルールだけで動く世界なら、株で失敗する人はいないはずです。

それでは、銘柄選びの極意とは何でしょうか? なぜプロのトレーダーは「明日上がる銘柄」がわかるのでしょうか?

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