テクニカル分析を学ぶ ゴールデンクロスとデッドクロスの基本のき

サワダ・ススム 2020/09/25

《銘柄選びには企業の財務状況や業績などを見る「ファンダメンタルズ分析」が不可欠だと考える人は多いかもしれませんが、「テクニカル分析」だけでも銘柄を選ぶことはできます。代表的なテクニカル分析のひとつである「ゴールデンクロス」「デッドクロス」の基本を解説します》

ゴールデンクロスとは?

ゴールデンクロスとは、長期間の移動平均線を短期間の移動平均線が下から上に突き抜けることを言います。その地点で2つの移動平均線が交差する(=クロスする)ため、このように呼ばれます。

具体的には、以下のようなケースが挙げられます。

  • 5日移動平均線が25日移動平均線を下から上に突き抜けた時
  • 25日移動平均線が75日移動平均線を下から上に突き抜けた時
  • 75日移動平均線が200日移動平均線を下から上に突き抜けた時

ゴールデンクロスが発生した場合、「これから株価が上昇していく可能性がある」と見ることができます。つまり、ゴールデンクロスの瞬間を「買いサイン」として見ることが可能ということです。

ゴールデンクロスの交差角度が緩やかな場合はサインとしては弱く、信頼性は低くなります。反対に、交差角度がきついほどサインとしては強くなり、信頼性も高くなります。

デッドクロスとは?

一方のデッドクロスは、長期間の移動平均線を短期間の移動平均線が上から下に突き抜けることを言います。

  • 5日移動平均線が25日移動平均線を上から下に突き抜けた時
  • 25日移動平均線が75日移動平均線を上から下に突き抜けた時
  • 75日移動平均線が200日移動平均線を上から下に突き抜けた時

デッドクロスが発生した場合は、「これから株価が下落していく可能性が高い」と判断することができます。デッドクロスの瞬間を「売りサイン」として見ることができるのです。

角度についてはゴールデンクロスと同様で、緩ければサインとして弱く、きついほど強いサインとなります。

ゴールデンクロス・デッドクロスの注意点

ゴールデンクロスやデッドクロスは、チャート上で移動平均線が実際にクロスするので、見た目にもわかりやすいというのが最大のメリットと言えるでしょう。そのため、初心者からベテランまで、誰にとっても使いやすい指標となっており、実際これを使って取引している個人投資家は多くいます。

その一方で、他のテクニカル指標と同じように、ゴールデンクロスやデッドクロスによるサインは「だまし」の可能性もゼロではありません。これは、期間の違う2種類の移動平均線を利用していることが要因です。

どういうことかと言えば、移動平均線は期間が短いほど上下動が激しく、期間が長いほど緩やかになるという性質があります。そのため、直近の値動きが激しいと、頻繁に両方のクロスが発生してしまい、結果的に「だまし」のサインとなってしまうのです。

ゴールデンクロスやデッドクロスは見た目で判断しやすいものの、絶対的な指標ではありません。クロスが発生したからといって、それだけを頼りに判断するのは禁物です。

テクニカルで勝てる人・勝てない人

テクニカル分析では、企業の財務状況などのファンダメンタルズ要素を考慮せずに、データに基づいて値動きを分析することができます。ただし、テクニカル分析というのはあくまでも分析方法のひとつ、投資スタイルのひとつであり、ファンダメンタルズ分析よりも優れているというわけではありません。

自分が目指す投資スタイルによって、テクニカル分析が適している場合もあれば、ファンダメンタルズ分析が適している場合もあります。大切なのは自分にとって適切な投資判断を行なうことであり、すべての手法はそのために存在しているに過ぎません。

でも、もしも「株をやるなら企業の決算資料を読まなければいけない」と思っているのだとしたら、テクニカル分析という方法もあるということを、ぜひ知っておきましょう。それによって選択肢の幅が広がり、株の世界で利益を築いていくためのきっかけになるかもしれません。


主にファンダメンタルズ分析によって長期的な資産形成を目指すスタイルを「投資」、テクニカル分析によって短期間における利益獲得を目指すスタイルを「トレード」と区別することができます。同じ銘柄を選んでも結果に決定的な差が生じるこの2つの違いは、株をやる前にぜひ理解しておきましょう。

(参考記事)「投資」と「トレード」は別物 株の勉強をする前に知っておくべき大事なこと

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[執筆者]サワダ・ススム
サワダ・ススム
40代突入を目前に控えたサラリーマン兼トレーダー。ウェブや書籍などを通じて、日々トレードについて勉強しては実践する日々。現在はおこづかい程度の利益しか出ていないが、2年後にはサラリーマン生活に「お疲れさまでした」と別れを告げ、トレード一本で生活していきたいと本気で考えている。
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