絶対ダメ! 信用取引をやってはいけない人の3つのパターン
信用取引とは?
「信用取引」とは、一定の資金や株券などを担保に、証券会社から資金や株券を借りて行う取引です。手持ち資産の3倍程度の取引が可能になり、うまく使えば、現物取引の約3倍の利益を取ることができます。
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投資資金に対して効率的に利益を取ることができ、株価の上昇時も下落時も利益が取れる効率のいい投資手法のひとつが信用取引と言えます。
しかし、相場の読みが外れれば損失も3倍のペースで膨らみ、判断を先延ばしにすれば、元金を失うばかりではなく追証(追加証拠金)が必要となることもあります。
そんなハイリスク・ハイリターンの信用取引は、以下の3タイプの人は、絶対にしないようにしてください。
絶対ダメ! 優柔不断で他人の目が気になる人
何か事が起こったとき、あなたはすぐに判断を下し、実行する人でしょうか? 優柔不断でなかなか決められない、他人の目を気にしてやりたいことができない。そんな性格の人は、信用取引をやってはいけない人、1つめのタイプに該当する可能性があります。
信用取引と言った場合、一般的には6か月の返済期日がある「制度信用取引」のことを指します。つまり、6か月以内には必ず反対売買を行う必要があり、いつまでもずるずると持ち続けることはできません。期限の定めがない「一般信用取引」もありますが、そもそも信用取引というのは、半年やそれ以上の期間にわたって持ち続けるものではありません。
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信用取引は、高い利益を取ることができる反面、損失も膨らみやすいハイリスク・ハイリターンの投資です。このような投資をする場合、保有する期間をなるべく短くする、また、こまめに利益を確定することでリスクを回避するのが鉄則とされています。
したがって、信用取引をスタートする前に期限、株価の両面から反対売買の目標をしっかりと決めておく必要があります。しかし、刻々と動く株価を前に、当初の目標をしっかりと守ることができない人もいます。そういう優柔不断な人は、信用取引には向いていません。
また株価が動くなか、こんなところで売買をして損失を出してしまったら恥ではないのか、他の投資家はどのように取引しているのか気になって仕方ない……このように他人の目が気になる人は、投資に必要な自分の判断を先送りにし、当初の目標を貫けません。したがって、信用取引には向いていません。
絶対ダメ! 少しでも損をしたくない人
投資をする以上、目標は利益を上げること、それは当然のことです。しかし、利益にこだわるあまり、少しの損も許せない、利益は最大限に取りたい、そんな人は信用取引をやってはいけない人、2つめのタイプに該当する可能性があります。
信用取引の基本は、株価のトレンドに沿って投資する「順張り」です。すでに上がり始めたところを買う、あるいは、すでに下がり始めたところを売るため、利益の幅は限られます。しかし、「逆張り」投資で下がりきったところを買う、または上がりすぎたところを売れば、株価のトレンドの最初から最後までを大きく狙うことができるかもしれません。
絶対に損をしたくない人は、この「最大限の利益」にとらわれてしまいかねません。しかし、株価がどこで反転するかを読むのは非常に難しいことです(現実的には不可能です。最安値で買い、最高値で売ることを再現性を持って毎回できない以上、その方法で利益を狙うことはできないと考えたほうがいいと思います)。
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信用取引のようにハイリスクの投資で逆張りをすることは非常にリスクがあります。株価が反転するまで持ちきれない(耐えられない)可能性が高いからです。
また、上昇すると思ったのに下がった、下落するときに上がったというときには、素早い損切りが必須です。ところが、絶対に損をしたくない人は、もう少し待てば上がるかも、そのうち下がるかも)と、損切りの判断が遅れてしまいがちです。信用取引では損切りの遅れは致命傷です。絶対に損をしたくない、という気持ちが判断の誤りにつながります。
絶対ダメ! 自分の判断に過剰な自信を持っている人
しっかり知識を身につけ、シミュレーションも完璧、必ず儲かるはずと自分に絶対の自信を持つ人は、信用取引をやってはいけない人、3つめのタイプに該当する可能性があります。
継続的な利益を得ることはなかなか難しい株式投資の世界で、自分は他の投資家とは違う、自分の読みは絶対正しいと考える人は、投資の判断を誤りやすくなります。
株価は、大多数が思う方向に動くものです。多数が上昇すると見ている相場のなか、「独自の判断」で突き進むことは非常に大きな危険を伴います。世の中の流れ(トレンド)に乗れないと、相場の見誤り、失敗に繋がりやすくなります。
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また、自分の判断に絶対の自信を持つ人は、損切りの判断も遅れがちです。上昇すると思って買ったのに下がってしまった場合、「これは一時的なもので、すぐに上がるはずだ、自分の判断に間違いはない」と思い込むと、あっという間に損失が膨らむ可能性が高くなります。相場の動きの判断ミスは、すぐに修正すれば「ミス」とはなりませんが、判断が遅れれば資金を失う致命的なミスとなります。
自分に絶対の自信を持つあまり、独自の判断を優先する人、自分の判断を見直すことができない人が信用取引に手を出すのは非常に危険です。
「信用取引をやっていい人」をめざそう
あなたは信用取引をやってはいけない人の3つのタイプに当てはまったでしょうか? ひとつでも当てはまる人は、絶対ダメ! 信用取引をやってはいけない人です。
しかし、やってはいけない3つのタイプをよく知ることは、信用取引で勝者になるための近道でもあります。自分自身の投資を見直すことは、「信用取引をやっていい人」への大きな一歩となります。