いよいよ日経3万円が射程圏内に! 2021年に向けてプロが注目する銘柄とは
《大納会前日に大幅高となった日経平均株価。ついに、31年ぶりの高値を回復しました。今年は「◎年ぶり」という言葉が何度も躍ったわけですが、2021年はそんな枕詞がつかない、純粋な最高値更新をしてほしいところです》
激動の2020年を終えて
11月に大きく上昇した日経平均株価は12月を通してほぼ横ばいが続きましたが、大納会前日に27,000円を超えて大幅に上昇。こうして激動の2020年の取引を終えました。
3月に16,358円の安値をつけて、終値が27,444円。実に1万円以上の変動がありました。金融緩和マネーの流入が大きな要因と考えられますが、もしそうであれば、2021年も大きく上昇が見込めます。しっかりと振り返って、2021年に備えてましょう。
【日経平均株価】26,433円から27,444円へ、3,456円(3.8%)の上昇
【TOPIX】1,579から1754へ、175ポイント(2.9%)の上昇
【マザーズ指数】1,171から1,232へ、61ポイント(−2.9%)の下落
12月相場で上がった株・下がった株
そんな2020年12月の相場を売買代金と値上がり率・値下がり率のランキングで振り返ってみたいと思います。
【2020年12月の売買代金トップ20】
順位 | 証券コード | 銘柄 | 売買代金 |
1 | 9984 | ソフトバンクグループ | 3.52兆円 |
2 | 7974 | 任天堂 | 1.95兆円 |
3 | 7203 | トヨタ自動車 | 9388億円 |
4 | 6758 | ソニー | 9319億円 |
5 | 9983 | ファーストリテイリング | 8733億円 |
6 | 2413 | エムスリー | 6785億円 |
7 | 6098 | リクルートホールディングス | 6084億円 |
8 | 8035 | 東京エレクトロン | 5948億円 |
9 | 6861 | キーエンス | 5725億円 |
10 | 6594 | 日本電産 | 5074億円 |
11 | 8306 | 三菱UFJフィナンシャル・グループ | 4824億円 |
12 | 9434 | ソフトバンク | 4140億円 |
13 | 9202 | ANAホールディングス | 4122億円 |
14 | 6981 | 村田製作所 | 4082億円 |
15 | 3436 | SUMCO | 3903億円 |
16 | 8316 | 三井住友フィナンシャルグループ | 3894億円 |
17 | 4063 | 信越化学工業 | 3731億円 |
18 | 6954 | ファナック | 3731億円 |
19 | 9432 | 日本電信電話 | 3683億円 |
20 | 4502 | 武田薬品工業 | 3556億円 |
【2020年12月の値上がり率トップ20】
順位 | 証券コード | 銘柄 | 値上がり率 |
1 | 9610 | ウィルソン・ラーニング ワールドワイド | +134.10% |
2 | 6400 | 不二精機 | +100.80% |
3 | 7922 | 三光産業 | +89.70% |
4 | 7782 | シンシア | +84.50% |
5 | 5922 | 那須電機鉄工 | +76.80% |
6 | 5974 | 中国工業 | +73.10% |
7 | 4274 | 細谷火工 | +72.70% |
8 | 6635 | 大日光・エンジニアリング | +63.30% |
9 | 2375 | ギグワークス | +62.20% |
10 | 5724 | アサカ理研 | +58.50% |
11 | 3320 | クロスプラス | +58.50% |
12 | 6852 | テクノ・セブン | +55.70% |
13 | 7012 | 川崎重工業 | +53.30% |
14 | 9519 | レノバ | +52.80% |
15 | 7869 | 日本フォームサービス | +52.70% |
16 | 2303 | ドーン | +52.10% |
17 | 8938 | グローム・ホールディングス | +51.60% |
18 | 3260 | エスポア | +50.00% |
19 | 4934 | プレミアアンチエイジング | +49.10% |
20 | 6846 | 中央製作所 | +47.70% |
【2020年12月の値下がり率トップ20】
順位 | 証券コード | 銘柄 | 値上がり率 |
1 | 2191 | テラ | −64.0% |
2 | 6982 | リード | −47.7% |
3 | 2929 | ファーマフーズ | −39.5% |
4 | 3808 | オウケイウェイヴ | −36.3% |
5 | 7357 | ジオコード | −34.4% |
6 | 2134 | 燦キャピタルマネージメント | −32.7% |
7 | 6550 | Fringe81 | −30.6% |
8 | 4592 | サンバイオ | −30.6% |
9 | 6192 | ハイアス・アンド・カンパニー | −28.8% |
10 | 9270 | バリュエンスホールディングス | −28.6% |
11 | 4699 | ウチダエスコ | −28.4% |
12 | 3931 | バリューゴルフ | −28.3% |
13 | 7067 | ブランディングテクノロジー | −28.2% |
14 | 4598 | Delta−Fly Pharma | −27.9% |
15 | 6195 | ホープ | −27.9% |
16 | 3921 | ネオジャパン | −27.4% |
17 | 3976 | シャノン | −27.4% |
18 | 3578 | 倉庫精練 | −27.0% |
19 | 2764 | ひらまつ | −26.6% |
20 | 3917 | アイリッジ | −26.2% |
気になる銘柄をピックアップ
この中から、気になる銘柄をピックアップしてみます。
【売買代金1位】ソフトバンクグループ<9984>
売買代金がダントツ1位の3.5兆円。2位の任天堂が1.9兆円なので、その約2倍! 注目の大きさがわかるかと思います。
MBOによる上場廃止のニュースが出て大きく上昇(7,436円から8,900円まで約20%)したかと思えば、投資先の中国アリババに当局が聴取するというニュースにより大きく下落したりと、大きなニュースが立て続けに出た結果、このような売買代金となりました。
投資会社として生まれ変わったソフトバンクグループは2021年も目が離せません。
【売買代金2位】任天堂<7974>/【売買代金4位】ソニー<6758>
巣ごもり消費が長期にわたって続いたことで、2020年はゲーム関係の事業が大きく伸びた一年となりました。ゲームのプラットフォームとして世界で戦えるこの2社は、今後も事あるごとに売買が集まることでしょう。
【値上がり率2位】不二精機<6400>
自動車と医療機器の金型の会社がなぜこんなに上昇したのか?
12月は、新型コロナウイルスのワクチンが各国で実用化されて、少しずつワクチンを打つ人が増えてきました。そうなるとワクチンの開発・輸送・保管など、それにまつわる企業に注目が集まり、不二精機のように大きく上昇するものもありました。
ワクチン開発のIRで高騰していた新興バイオ企業ではなく、こういった銘柄に資金が流れ込むというのは、興味深いですよね。コロナにかかわらず、ふだんから頭を柔らかくしておけば、こういう関連ビジネスにいち早く気づいて利益に変えることが可能です。
日々勉強。
【値上がり率13位】川崎重工業<7012>
重厚長大産業かつ大型銘柄なのに、1か月で53%も上昇しました。それまで売られていたとはいえ、こんな短期間で、こんな大型銘柄が、こんなに大きく上昇するのか!という大きな驚きにより、しっかりと記録に残しておいて今後に活かしていきたいと思い、あえてピックアップしました。
地道に産業を支えている企業でも、こんなに大きな株価の変動があります。こういう銘柄はあまり動かないという先入観が大きな利益を遠ざけてしまうこともあります。
トレードは、株価の動きが全て。
これをしっかりと頭に叩き込んで、これからの利益につなげていきましょう。
【値下がり率1位】テラ<2191>
値上がり率2位の不二精機と対極をなす動きをしたことが、ここにピックアップしたポイントです。
4月に、新型コロナウイルスのワクチン開発をするというIRをぶち上げた結果、株価が100円から2,100円にまで跳ね上がりました。大きく上昇したのはいいものの、現在の株価は223円。このような夢だけを語るIRに引きずられて上昇した銘柄には絶対に投資しないようにしてほしいと思います。
手を出すとしても短期! そして必ずロスカットすること! まだ持っている人がいたら、すぐにロスカットをしてください。
日経平均3万円に向けて今やるべきこと
「日経平均3万円!」なんて、ここ10年くらいずっとネタで言ってきましたが、あと10%上昇したら手が届いてしまうところまで来ました。
アメリカをはじめ、世界各国で株価は史上最高値を更新していますが、日本だけはまだバブルの高値を引きずっており、「◎年ぶりの高値!」という表現が続いています。でも2021年には、ついにバブルの高値を超えて、「史上最高値を更新!」というニュースが見られるかもしれません。
緩和マネーによる株価上昇はまだまだ続きそうです。2021年に来るビックウェーブにしっかりと乗れるように、2020年の振り返りと勉強をして、備えておくようにしてください。
(株の学校ドットコム講師・窪田 剛)