「織り込み済み」とは?
・織り込み済み[おりこみずみ]
株価に影響がありそうな材料が(その情報が出る前に)株価に反映されている状態。
事業提携や新商品のニュース、または決算発表後に株価に変動がない場合などに、「株価はすでに(今回の話題を)織り込み済みのようだ」というような表現でアナリスト(専門家)のコメントとしてよく利用される。
・短期トレードの現場から一言
好決算が予想される決算発表などで株価が動かない場合、頻繁に「好決算は織り込み済みだった」というニュースが流れる。また、好決算が発表された後に下落すると「織り込み済み → 材料出尽くし」となり、株価下落の要因として報道されもする。
これらはある意味、どうでもいい情報だと言える。なぜなら、発表後の値動きに対して「説明」をしているだけだからだ。
個人投資家・トレーダーは、そんな情報を参考に取引できるはずがない。目の前の情報をリアルタイムで判断し、売買しなければならないのだから。
別の例をあげよう。決算発表前にジリジリと上昇し続けている銘柄があったとする。それを見て、「好決算予想を織り込みながら上昇を続けている」とコメントするアナリストもいるだろう。
これは、決算が発表されるまで上昇するかもしれないし、直前に利益確定に押されて急落するかもしれないし、要するに「どこまで上昇するか、何がきっかけで反転するか、全くわかりません」と言っているのに等しい。
「織り込み済み」は魔法の言葉。いろいろな場面で使える万能な、そして意味のない言葉だ。
*「現場から一言」は、株式市場に真摯に向き合う投資家・トレーダーの視点から、初心者が特に勘違いしやすい側面について、経験を積んだ人々の知見をお届けします。ただし、これは絶対的な「正解」ではなく、あくまで一個人の見解である点にご留意ください。