1月の株価はどうなる? 上がる日・下がる日の傾向と「お年玉」来たる
「騰落率」に見る上がる日・下がる日
オミクロン株はどうなるのか。新型コロナによって未知数な状態が続くなか、オリンピックは終わり、総理も変わって……と本当にいろいろあった2021年の年末です。感染症も政局も一個人ではどうしようもないことですので、投資家・トレーダーたるもの、過去から学んで備えていきたいところですね。
株を「いつ」購入すればいいのかという問題は、実は、「どれ」を買うか(銘柄)よりも重要かもしれません。もったいないタイミングで売買して、あとから悔しい~!と思ったことが一度もない人なんて、なかなかいないのでは? 私もビットコインを早々に売ってしまい、ただいま大後悔時代を迎えています。
悩ましい売買タイミングを見極めるひとつの参考になる(かもしれない)のが、一年366日の日経平均株価の「騰落率」です。
「騰落率」とは、戦後に東京証券取引所が再開された1949年5月16日から現在までの、毎日の日経平均株価の日付別の上昇確率を計算したもの。平たく言えば、「この日付の日経平均株価は前日より上がったか、下がったか」を1949年から累計したデータです。
それぞれの日付において、株価が前日より上がった場合を「勝ち」、前日より下がった場合を「負け」として、その勝率(上昇する確率)が算出されています。
《参考記事》その株、いつ買えばいいの? 一年で最も上がる日・下がる日からわかったこと
この騰落率を、先の見えない未来を読み解くヒントのひとつにしてみてはいかがでしょうか。このシリーズでは4月から毎月この調査をしていますが、1月、かなりのビッグバンが来ますよ!
これが1月の最も上がる日・下がる日
日経平均株価の騰落率は、日経平均株価の様々なデータを紹介するサイト「日経平均プロフィル」で確認することができます。これによると、1月の28日(元日から3日までは休場)のうちで騰落率が最も高いのは「14日」の75.00%で、最も低いのは「23日」の46.55%です(データは2021年12月現在)。
それでは、日別の騰落率を2022年1月のカレンダーに当てはめてみましょう。
年明け、いきなりビッグバン来たる
4月から毎月、この騰落率について調べてきました。多くの月で「5日以上の上昇(騰落率50%以上)」というトレンドがありましたが(7月・10月以外)、1月はすごいです。
年明けとなる1月4日から11日まで、いきなり騰落率50%以上を8日間連続でキープ。その後も、13~17日の5日間で50%以上をキープ。さらには、24~29日の6日間でも50%以上をキープと、実に、ひと月に3回も「5日以上の上昇」があるのです。
また、「月の最後の5日は堅い」という傾向も4月からおおむね続いていますが、1月の最終5日間も、30日を除けば騰落率は50%以上と、セオリー通りと言えましょう。
さらに1月においては、騰落率が30%台(=下がる確率が70〜80%)の「かなり売り優勢な警戒日」が存在しません。これまでは、4月が0日、5月が3日、6月が1日、7月が3日(現時点で最多)、8月は1日、9月は2日、10月は0日、11月は1日、12月は0日でした。
まとめると、1月は「3が日を除く、取引のあった28日中19日(67.8%)は騰落率が50%以上。5日連続での騰落率50%以上が3回もある、かなりのアゲアゲ月間」と言えそうです。
過去3年の1月の日経平均株価の推移
騰落率上で見ると絶好調な1月相場。日経平均株価のチャートで見るとどうなのでしょうか。過去3年の1月の日経平均株価の推移を振り返ってみましょう。
2021年と2020年は、始めと終わりが下がり、あとは上にピーンと張った、皿にプッチンしたプリンのような形状。それに対して2019年は、絵に描いたような右肩上がりです。
騰落率と実際の株価チャートを重ねてみる作業も4月から行っていますが、騰落率からイメージするチャート形状と、実際のチャートが一致することのほうが少ないです。ひとつのデータや情報だけで判断するのではなく、さまざまな角度から見てみることの大切さを教えてくれますね。
1月の最も上がる日・最も下がる日は、どんな日?
1月の「最も上がる日(前日に買っておけばウハウハ?)」と「最も下がる日(前日に売っておけばウハウハ?)」について、もう少し詳しく見てみましょう。
【トップ】1月14日(39勝13負0分)
1月で最も上がる確率が高いのは「14日」。騰落率は驚異の75.00%です。「3分の2の確率で上がる」をよりも高い、「4回に3回は上がる」という優秀な確率です。1949年以降の勝ち負けは39勝13負0分。2022年の1月14日は楽しい金曜日になりそうですね。
[この日、何の日?]
- どんと焼き……正月に飾った門松や書き初めで書いたものを持ち寄って焼く行事。地域によって開催日が異なり、子正月の15日に行う方も多いでしょう。呼び方もどんど焼き、道祖神祭、さいと焼き、鬼火たき、左義長と様々。日本の広さを感じますね。
【最下位】1月23日(27勝31負0分)
1月で最も上がる確率が低い(=下がる確率が高い)のは「23日」の騰落率46.55%。つまりは約53%の確率で下がるということなので、「下がるっちゃ下がる」程度かな。戦後に取引のあった計58日分の勝敗は27勝31負0分。ですが、2022年の1月23日は日曜日なので取引がありません。
[この日、何の日?]
- 一無二少三多の日……一無二少三多(いちむ、にしょう、さんた)、ご存じでしょうか? 日本生活習慣病予防協会が提唱している「健康のために気を付けてほしいこと」なのだそう。一無は無煙(煙草は副流煙も含め避ける)。二少は少食、少酒。三多は、多動(身体を動かそう)、多休(しっかり身体を休めよう)、多接(人や物事に積極的に接そう)。投資やトレードをきちんと考えて接すれば「多接」のひとつになってくれるはず?
大発会はご祝儀相場!(でも、そうじゃない年もある)
騰落率という観点から1月相場を見てきましたが、「それ以外」の特徴も見ておきましょう。
三が日を終えた1月4日は東京証券取引所の年始の取引日に行われる催事「大発会」が行われる日で、1月4日そのものを大発会と呼ぶこともあります。華やかな雰囲気の中で取引開始の鐘が鳴り、おめでたムードで実際に株価も上がる「ご祝儀相場」な傾向にあるようですが、何事にも例外はあります。
2021年がまさにそう。新型コロナが今よりずっと深刻な時期で、お正月の間は緊急事態宣言は発令されていませんでしたが、8日には二度目の宣言発令。4日の大発会も規模を大幅に縮小して開催され、しかも、その最中に新型コロナに関する報道があって日経平均株価が一時400円値下がりするという、波乱の幕開けとなりました。
《参考記事》1月の株価はどうなる? ご祝儀相場で歴史的に急騰する銘柄とは
一年の計は元旦にあり!
騰落率で見れば、アゲアゲな印象のある1月相場。しかし、チャートを見ると決してそうとも限らず、さらには、オミクロン株が年末に大暴れしないとも限りません。
騰落率は、あくまでヒントのひとつ。数あるヒントのうち、どれを、どう使いこなしていくのか。そういう自覚をもって、2022年も日々の売買に臨みたいですね。