5月の株価はどうなる? 失望売りか、材料出尽くしか? 大型連休と決算発表で注目したい銘柄とは

岡田禎子
2026年4月25日 10時00分

《5月相場の「お決まりパターン」とは? 「セル・イン・メイ」のアノマリーは今年も起きるのか? 株価を左右する恒例イベントと注目銘柄、今年の傾向と対策を解説》

5月は日米ともに上値の重さが意識されやすい月です。アメリカ株は高値圏での達成感が出やすく、今年はイラン情勢もあって、連休中の海外市場の変動には一段の警戒が必要です。その後、決算発表がピークを迎えると相場の関心は個別銘柄へと移っていきます。

セル・イン・メイ5月に売れ)」の相場格言は、日本株にそのまま機能するわけではないものの、ゴールデンウィーク明けから月末にかけて下落となりやすい傾向は、たしかに見られます。こうしたアノマリーの変化を踏まえつつ、今年の5月相場を占います。

5月相場の特徴──アノマリーと恒例イベント

方向感に欠ける展開となりやすい5月。アメリカ株は一旦天井をつけやすく、日本株も3月期決算の発表を前に様子見姿勢が強まりやすくなります。日経平均株価の騰落率は過去20年の平均がプラス0.4%で、一年の中でも小幅にとどまり、4月の上昇の反動から一服する傾向が見られます。

日経平均株価の月別騰落率。5月は20年平均で+0.4%

・3月期決算企業の決算発表

日本の上場企業の約7割が3月期決算。その本決算発表は4月下旬〜5月中旬に集中し、なかでも5月の第2・3週がピークとなります。会社側の業績予想が開示され、保守的か強気かで個別株だけでなくセクターの動きも大きく変わります。

ただ、多くの日本企業は意図的に低めの予想を設定する「保守的ガイダンス」を出すことで知られており、それゆえ“失望売り”が出やすい傾向もあります。

・ゴールデンウィークと連想買い

4月末から始まるゴールデンウィークは日本の国民的大型連休で、「長期休暇+行楽シーズン→旅・レジャーの需要が重なる」という構造から経済効果も突出しています。旅行代理店・ホテル・航空・鉄道・テーマパーク・外食のすべてが一斉に繁忙期となるため、業績への影響が可視化されます。

また、5月中旬の決算発表に向けて「ゴールデンウィークの消費動向が好調であれば、決算も好調では?」との“連想買い”を誘うなど、毎年、心理的な土壌が作られる期間でもあります。

・米エヌビディアの決算発表

2023年以降、アメリカの半導体大手エヌビディア<NVDA>の四半期決算は、日経平均株価を数百円から時には1000円以上も動かす重要イベントと化しています。

特に5月の第1四半期決算は、日本企業の3月期決算と重なる「二重のカタリスト」。2023年から3年連続で、決算発表後の日経平均株価はプラス、かつ、その上昇幅は年々拡大……と、日本株の強力な上昇トリガーとなっています。

ただし、“好材料出尽くし”となるパターンもあるので注意が必要です。

2026年の5月相場はどうなる?

今年の5月相場は、4月末のGAFAM決算や5月のエヌビディア決算を受けた「AI投資の持続性」が最大の焦点となりそうです。

一方で、イラン情勢を背景とした原油価格の動向やインフレ圧力にも目配りが必要。ゴールデンウィークの消費動向や、日銀の金融政策にも注目が集まるでしょう。

そのため、相場全体が一方向に動くというより、AI関連と内需・金利関連の間で資金が行き来する、銘柄選別色の強い展開となりそうです。

・日米の金融政策の違いが株価変動要因に?

足元では、アメリカは「年内の利上げは見送られる」との観測が強まる一方で、日本では日銀が追加利上げのタイミングを探る方向にあります。

こうした日米の政策スタンスの違いは、株式相場や為替の方向感にも影響を与えます。加えて、FRB議長人事をめぐる思惑も不確定要因として意識される可能性があり、金融政策を巡る環境は、5月相場でも変動要因となりそうです。

・2026年度本決算と2027年度予想の行方

今年の決算発表シーズンは、2026年度の本決算とともに、2027年度の会社予想(ガイダンス)が最大の焦点となりそうです。市場コンセンサスは、全体では1桁後半から10%前後の増益を織り込みつつも、その前提は為替や資源の安定に依存しています。

中東情勢を背景に原油価格や物流コストの不確実性が高まっており、企業側は慎重な見通しを出す可能性があります。すでに増益への期待が株価に織り込まれている銘柄では、決算内容が良好でもガイダンス次第で“利益確定売り”に傾きやすいので注意したいところです。

・エヌビディア決算で「セル・イン・メイ」?

5月最大の注目イベントは、現地時間20日夕方(日本時間21日早朝)に予定されている、エヌビディアの第1四半期決算発表です。

生成AI関連需要の持続性やデータセンター投資の動向、そして、業績予想の内容が焦点となります。期待を上回れば日本株も半導体株主導の上昇が続く一方、失望となれば“利益確定売り”が広がりやすく、「セル・イン・メイ」が試されるかもしれません。

・ゴールデンウィークが先行指標になる

今年のゴールデンウィークの動向は、5月相場を占う先行指標として「実需の強さ」を測る試金石となりそうです。

インバウンドの回復に加え、「近場×高付加価値」といった消費傾向の変化が続いており、国内旅行や土産需要の強さが確認されるかが焦点です。消費が好調となれば、決算発表での会社ガイダンスにも期待が高まり、内需株への資金流入につながる展開が想定されます。

2026年5月のイチオシ銘柄5選

そんな2026年の5月相場で注目すべき銘柄を5つご紹介します。

・キオクシアホールディングス<285A>

GAFAMとエヌビディアの決算発表によって「AI投資の持続性」が確認されたあかつきには、関連株として評価される銘柄のひとつがキオクシアホールディングス<285A>です。

生成AIの普及により、データセンターでは計算だけでなく保存領域の拡張が不可欠で、NAND(フラッシュメモリ)市場は構造的な需要拡大局面に入りつつあります。現在の主役であるHBMに加えて今後はNANDへの関心も高まりやすく、キオクシアはその中核を担う存在です。

キオクシアホールディングスの株価チャート 2026年1月〜4月

・アドバンテスト<6857>

アドバンテスト<6857>もまた、キオクシア同様、「AI投資の持続性」が確認されれば評価される銘柄です。

生成AI向け半導体の検査工程を担うアドバンテストは、GPU需要の拡大と連動性が高く、特にエヌビディア決算との相関が極めて強いと言えます。実際、昨年は決算発表を契機に株価が大きく上昇した経緯もあり、AI投資の強弱を映す指標銘柄として注目です。

アドバンテストの株価チャート 2026年1月〜4月

・MS&ADインシュアランスグループホールディングス<8725>

AI投資の是非が問われる5月相場ですが、金利動向といったマクロ環境にも目を向けたいところ。日銀の追加利上げが意識される中、三井住友海上・あいおいニッセイ同和を傘下にもつMS&ADインシュアランスグループホールディングス<8725>は、国内外の金利上昇による運用益の改善が期待されます。

保険料改定やコストコントロールの進展により業績は堅調に推移しており、5月20日に予定されている本決算発表でも安定した利益成長が見込まれます。長年にわたり連続増配を続けるなど株主還元の強さも意識される中、相場全体を映す銘柄として注目です。

MS&ADインシュアランスグループホールディングスの株価チャート 2026年1月〜4月

・ミズノ<8022>

なにかと5月と相性の良い銘柄が、ミズノ<8022>です。今年も6月のサッカーW杯開幕を前に、関連需要への思惑が先回りしやすいタイミングと重なります。大会公式スポンサーではないものの、サッカー分野の成長は続いており、海外の著名選手を起用するなど事業拡大の姿勢も明確です。

2026年3月期の業績は、第3四半期までは売上・営業利益ともに過去最高で、5月12日予定の本決算発表での好決算にも期待が高まります。

ミズノの株価チャート 2026年1月〜4月

・寿スピリッツ<2222>

5月相場に強い銘柄と言えば、寿スピリッツ<2222>。過去10年の5月の月間騰落率は10連勝です。2026年3月期も増収増益ペースを維持しており、ゴールデンウィークの国内旅行需要増+インバウンドの多様化を受けて、本決算発表(5月14日予定)での強気ガイダンスが期待されます。

その一方で、コスト増や中国人旅行客の消費単価の下落といったリスクも継続しているため、決算内容が株価反転の分岐点となるかどうかが注目です。

寿スピリッツの株価チャート 2026年1月〜4月
[執筆者]岡田禎子
岡田禎子
[おかだ・さちこ]証券会社、資産運用会社を経て、ファイナンシャル・プランナーとして独立。資産運用の観点から「投資は面白い」をモットーに、投資の素晴らしさ、楽しさを一人でも多くの方に伝えていけるよう活動中。個人投資家としては20年以上の経験があり、特に個別株投資については特別な思い入れがある。さまざまなメディアに執筆するほか、セミナー講師も務める。テレビ東京系列ドラマ「インベスターZ」の脚本協力も務める。日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、ファイナンシャル・プランナー(CFP) note:https://note.com/okapirecipe_555
最新記事
本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格など投資の最終決定は、ご自身のご判断で行っていただきますようお願いいたします。本コンテンツの情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証するものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問・ご照会等にはお答えいたしかねますので、予めご了承くださいますようお願い申し上げます。また、本コンテンツの記載内容は予告なく変更することがあります。