日経平均が記録的上昇! この波に乗るためにプロが注目する銘柄とは

窪田 剛
2020年12月3日 8時00分

記録的上昇を遂げた2020年11月の株式相場。しっかりと振り返って、年末そして来年に向けた準備をしっかりとしていきましょう。

乗るしかない! このビックウェーブに!

11月相場で上がった株・下がった株

日経平均株価は11月が始まったと同時に上昇をはじめました。懸念されていたアメリカ大統領選挙も大きな混乱なく通過。また、新型コロナウイルスのワクチンに対する期待も株価を大きく押し上げました。

・日経平均株価:22,977円から26,433円へ、3,456円(15.04%)の上昇

・TOPIX:1,579から1754へ、175ポイント(11.08%)の上昇

・マザーズ:1,171から1,232へ、61ポイント(5.21%)の上昇

そんな2020年11月の相場を売買代金と値上がり率・値下がり率のランキングで振り返ります(データ提供:CMBトレード塾)。

【2020年11月の売買代金トップ20】

順位 証券コード 銘柄 売買代金
1 9984 ソフトバンクグループ 2.1兆円
2 7974 任天堂 1.6兆円
3 6758 ソニー 1.3兆円
4 9983 ファーストリテイリング 1.2兆円
5 9437 NTTドコモ 9600億円
6 7203 トヨタ自動車 9119億円
7 8306 三菱UFJフィナンシャル・グループ 7137億円
8 8035 東京エレクトロン 6389億円
9 6861 キーエンス 6002億円
10 2413 エムスリー 5750億円
11 6594 日本電産 5378億円
12 8316 三井住友フィナンシャルグループ 5164億円
13 6981 村田製作所 4914億円
14 6954 ファナック 4878億円
15 9434 ソフトバンク 4875億円
16 9433 KDDI 4537億円
17 9201 日本航空 4526億円
18 9432 日本電信電話 4510億円
19 6367 ダイキン工業 4123億円
20 4502 武田薬品工業 3908億円

【2020年11月の値上がり率トップ20】

順位 証券コード 銘柄 売買代金
1 6982 リード +332.5%
2 3751 日本アジアグループ +145.5%
3 4304 Eストアー +136.2%
4 2929 ファーマフーズ +106.6%
5 5491 日本金属 +101.4%
6 6081 アライドアーキテクツ +93.2%
7 6699 ダイヤモンドエレクトリックホールディングス +91.4%
8 5212 不二硝子 +90.9%
9 6969 松尾電機 +88.8%
10 6400 不二精機 +87.5%
11 3856 Abalance +87.3%
12 6626 SEMITEC +85.2%
13 6255 エヌ・ピー・シー +80.1%
14 7726 黒田精工 +79.6%
15 3683 サイバーリンクス +79.5%
16 1711 省電舎ホールディングス +75.8%
17 3814 アルファクス・フード・システム +74.7%
18 3496 アズーム +74.3%
19 2150 ケアネット +71.8%
20 5986 モリテック スチール +70.6%

【2020年11月の値下がり率トップ20】

順位 証券コード 銘柄 売買代金
1 5199 不二ラテックス -59.9%
2 4448 Chatwork -35.3%
3 4447 ピー・ビーシステムズ -32.1%
4 3739 コムシード -31.4%
5 3371 ソフトクリエイトホールディングス -30.3%
6 7072 インティメート・マージャー -29.9%
7 3989 シェアリングテクノロジー -29.7%
8 6579 ログリー -28.6%
9 4766 ピーエイ -28.4%
10 8143 ラピーヌ -28.3%
11 3911 Aiming -27.3%
12 4497 ロコガイド -25.8%
13 4598 Delta−Fly Pharma -25.7%
14 2388 ウェッジホールディングス -25.0%
15 3849 日本テクノ・ラボ -23.7%
16 6064 アクトコール -23.7%
17 3166 OCHIホールディングス -22.3%
18 4424 Amazia -22.2%
19 3083 シーズメン -21.2%
20 9417 スマートバリュー -21.1%

気になる銘柄をピックアップ

この中から、気になる銘柄をピックアップします。

・売買代金10位:エムスリー<2413>

11月だけで約37%の上昇でした。年間通して上昇し続けており、一年で3,300円から9,600円と約3倍の上昇を見せています。新型コロナウイルス、医療、インターネット、遠隔診療など様々なキーワードが刺さった一年となりました。

株価というのは決して上昇し続けることはありませんが、これは記録に残したいチャートです。トレーダーとしては、このチャートを分析するの大事ですね。いろいろなポイントでエントリーできたと思います。ぜひ振り返ってみて、学びに活かしてください。

・売買代金19位:ダイキン工業<6367>

換気が大事、空調が大事──ということで、この銘柄もまた大きく上昇しました。月の半ばに「アメリカの電気自動車メーカーのテスラがエアコン参入に意欲」という記事が出て一旦下落しましたが、すぐに切り替えして高値で11月を終えました。

それにしても、テスラの時価総額が5,000億ドル(約53兆円)を突破したのも11月でした。すごいねぇ。トヨタが23兆円、ホンダが5兆円、日産が2兆円ですから、もうエンジンよりモーターの時代ですね。

……モーターといへば日本電産<6594>(5兆円)にも注目だ!

・値上がり率13位:エヌ・ピー・シー<6255>
・値上がり率16位:省電舎ホールディングス<1711>

コロナに目を奪われてしまいがちですが、テスラも乗っているビックウェーブが「脱炭素」です。世界的に大きな潮流になっています。温室効果ガスの削減、太陽光やバイオマスなど再生可能エネルギーの普及や省エネ、蓄電など多種多様で大きなマーケットが今後さらに大きくなっていくことが予想されます。

だからといって、ここでピックアップした銘柄がそのまま上昇するわけではありませんが、事あるごとにこの流れが注目を集めていくことは2021年も予想できます。特に、これだけ大きくなって注目されているテスラがニュースになるたびに見直される、なんてこともあるかもしれません。

個別銘柄というよりも、「脱炭素」(再生可能エネルギー、電池など)は絶対にチェックしておいてくれよな!

・値上がり率28位:東京ドーム<9681>

番外編ですが、三井不動産<8801>によるTOBということで、東京ドームの株価が897円からTOB価格の1,300円まで大きく上昇しました。約45%のプレミアム(価格上乗せ)です。

ちなみに、12月に入り1,445円をつける場面がありました。まだまだ上がるかもしれません。もともと買っていた香港のファンドが「ドームはもっと価値がある。1,300じゃ安すぎる。もっと高い金額だ!」ということのようで、今後の株価推移も楽しみです。

10月には、島忠<8184>に対してDCM<3050>が4,200円でTOBすると発表した後にニトリ<9843>が5,500円でのTOBを発表したことを書きましたが、それと同じことですね。ちなみに現在の島忠の株価は5,500円でニトリのTOBがほぼ成立という流れになっています。

菅政権になって地方銀行の再編が話題になりましたが、2021年はいろいろな業界の再編でこういったことが増えそうですので、そこに狙いをつけていくというのも面白いかもしれません。

2021年に向けて今やるべきこと

コロナ後、過熱していたマザーズは調整中ですが、11月は日経平均が爆発しました。「さすがに上がりすぎな感じがする」と言い始めたところがスタートラインでした。相場では、こういうことは今後もあると思います。今年の値動きはとても勉強になりますね。本当に、勉強することは尽きません。

今回もピックアップしましたが、2021年はテスラをきっかけに「脱炭素」や「省エネ」などが大きく動くかもしれません。この業界には今までも何度か大きな波がありましたが、再度注目される可能性があるので、今のうちに過去の値動きをチェックしておくといいかもしれません。

年末、そして2021年は本当に楽しみですね!

(株の学校ドットコム講師・窪田 剛)

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[執筆者]窪田 剛
窪田 剛
[くぼた・つよし]トレーダー、投資家。オンライン株式スクール「株の学校ドットコム」講師。数日から数週間保有するスイングトレードをメインに手がける。トレーダーとして日々相場と向き合うかたわら、エンジェル投資家としてベンチャー企業に出資したり、社会貢献活動にも力を入れる。スキーとサウナ、温泉とゲームが好き。著書に『株の学校』『株の学校 超入門』(いずれも高橋書店)がある。
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