実例「私はこれで、騙されました」 投資詐欺の被害者がその手口を告白
《オンライン株式スクール「株の学校ドットコム」では、株式投資に取り組んでいる人々を対象として、さまざまなアンケート調査を実施しています。そこから見えてきた、個人投資家・トレーダーの本音とは?》
投資詐欺の被害が後を絶ちません。株の学校ドットコムでは、ひとりでも被害にあう人を減らすために、全国の20歳以上の7000人を対象とした実態調査を行いました(インターネット調査/2024年9月28日~10月1日)。
その結果、「これまでに投資詐欺の被害にあったり、勧誘を受けたりしたことはありますか?」という質問に対して、「被害にあったことがある」と回答した人は7000人のうち277人。率にして4.0%でした。
〈参考記事〉投資詐欺はどれほど広がっているのか? 7000人に聞いた被害の実態
さらに、具体的にどのような詐欺だったのかについて自由記入形式で回答してもらいました。これを見ると、世の中には実にさまざまな詐欺が横行していることがわかります。なかでも、投資詐欺への遭遇率が高い60代・70代は、そのバリエーションも豊富。
こうした実例を知っておくことは、詐欺被害に遭わないための第一歩と言えます。
投資詐欺被害の実例を一挙大公開
今回のアンケート調査で寄せられた回答を一挙にご紹介します(プライバシー保護の観点から一部表現を修正しています)。
■20代の場合
「これをやればお金がどんどん入る、仕事しなくても稼げるみたいな感じで勧誘された」(29歳・女性)
「友達が友達の紹介で話を聞きに行ったが、投資するまで帰してもらえずずっと話をされた」(29歳・女性)
「マンション投資の勧誘で会社を調べたら、架空の会社だった」(29歳・男性)
「カジノアプリが今後盛り上がるので、そのアプリへの投資をすると良いという誘導」(29歳・男性)
「LINEで投資詐欺」(24歳・男性)
「大学の友人に紹介された人が詐欺師だった」(28歳・男性)
「200万振り込んでくれたら倍にして返します」(28歳・女性)
「USBファイルを50万円で買わされる」(27歳・女性)
■30代の場合
「ソーシャルレンディング大手のマネオ事件に巻き込まれた。300万投資し、半年も経たずに焦げついた。2019年ごろから現在に至るまで係争中である」(32歳・男性)
「友人からマッチングアプリを利用して会った人からなぜか投資を強くすすめられて不思議だった話」(38歳・女性)
「IPO株でおそらくマイナスになるだろう銘柄の斡旋。上場する前に延期になって話は流れた」(32歳・女性)
「100万円の投資話に乗っかったところ、その人が消えて連絡がつかなくなった」(36歳・男性)
「InstagramでFXの投資を募っていましたが、架空の取引を行っており、投資額を全部持って行かれた」(33歳・女性)
「同窓会で再会した友人に後日、ご飯でも行こうよと誘われて、ご飯をしていたら投資の話をされた」(36歳・女性)
「全く身に覚えのない投資関係のLINEグループに勝手に招待される」(32歳・女性)
■40代の場合
「投資セミナーへ参加したが、そこでサクラに乗せられるような形で『自分も儲けられる』と思い込んだ。セミナー料は高額だったが『支払った分なんて簡単に取り戻せる、むしろその何倍もの大金が手に入る』と本気で思っていた。
色んな銀行でマイカーローンを組み、クルマは買わずに借りた金を投資に注ぎ込んだと聞いた(マイカーローンは審査が緩いから組みやすいとレクチャーされた)。実際4社くらいマイカーローンを組んだ。審査が通らなかったらクレカのキャッシングで限度額一杯まで借りるよう指示があった。
借りた金は現金で手渡しだったため記録に残らず、投資に関する書類も一切無しで実際には配当は無く、音信不通になった」(46歳・女性)
「知人が被害。中国景気がイケイケの時代、地元の企業の社長から第三国からの中国投資で儲かるからと誘われお金を預ける。まだ投資をするか迷っていたときに、別の会社の人が先にいて多額の現金での配当を目の当たりに!さらに元本保証はされるとのことだった。
実際は数ヶ月配当金があったが、その後第三国での投資グループが警察に捕まり、配当どころか元本も返ってこなくなった」(48歳・男性)
「出会いカフェで知り合った女性陣と合コンをした後、友人が個別に誘われて不動産投資セミナーなどへの出席と投資を持ちかけられた」(41歳・男性)
「10万円を預けると毎月1000円の利息が受け取れるとSNSのDMで勧誘された」(45歳・男性)
■50代の場合
「某有名大学経済学教授が主催するという投資セミナーへの勧誘と、必ず儲かる株があるので購入しないかと持ちかけられた」(58歳・男性)
「友人からしつこく勧められ高配当の出資金詐欺に遭った。回収も出来ず思い出したくもない」(56歳・女性)
「成人式後に、友人から投資詐欺の勧誘を受け、息子がその気になりました。阻止しましたが」(57歳・女性)
「自宅に投資用マンション販売の営業が来て、1時間くらい強引で、脅迫的な勧誘があった」(53歳・男性)
「あるサイトに課金するとお金が増えると言われて知人がどんどん課金し、あげく姿を消された」(54歳・女性)
■60代の場合
「『必ず儲かりますよ!数十万人の会員が既に100万単位儲けて毎日感謝のメールが届きます。登録は無料でLINEでお友達登録するだけでOKです!』っていうことでLINE友達登録した途端に毎日数百件のLINEが届くようになって、すべて登録者からの感謝の文章。
最後に『さぁ!あなたも勝利者の仲間になろう!ここをクリックしてね!』とあったが、学生の頃にこんな流れで騙されそうになったことがあるのでクリックはせずに、危険性を感じたので友達登録を削除したんですが、その後も届きます」(60歳・男性)
「有名経済評論家から資産運用のお誘いがLINEであり、何度かやり取りをすると、あとは秘書とのやり取りを進められ、LINEグループに誘導されて、金の取引を進められ、入金を促された。
しかし、グループ内の会員のやり取りが、○○先生の指示通りに売買したらこれだけ稼げました等の発言が多く、怪しすぎたのでその後削除した」(62歳・男性)
「見知らぬ人からの電話で、太陽光発電の設置勧誘と太陽光発電を含むお得な電力切り替えに関する勧誘、そしてこういう太陽光発電事業への投資にまで電話勧誘内容がどんどんふくらんできたようです。電話の内容と言うか話が上手だったようで、なかなか切るタイミングがなかったようです」(66歳・男性)
「職場の同僚が未公開株売買の勧誘を受けた。職場に直接電話がかかってきて話をしていたが、隣の席なので不審に思い電話を保留させたが、保留音にはせずこちらの会話が相手に聞こえる状態で注意喚起と詐欺ではないかと話した後、電話は切れていたので事なきを得た」(65歳・男性)
「友人がSNSの投資サークルに入会したところ、『早いもの勝ちで値上がり確実の極秘の情報を提供』の案内がきたそうで、情報料10万円を送金。その後、連絡が取れなくなったそうです」(63歳・男性)
「電話の勧誘で最初は貯金のつもりでお金を預けていて、そんなに多くはないけど2ヶ月に1回利息が入ってきました。次々増額していき、数年たった頃、潰れたと連絡がありそれっきりでした」(68歳・女性)
「プラチナ先物で最初は少しもうけたが後から追証が掛かるように持って誘導され数百万円損をした」(67歳・男性)
「某信託銀行を名乗り、大手製薬会社が工場を建設するので市内在住の人優先で先行投資を」(66歳・男性)
「ふるさと牧場投資で約束の配当がなかった」(65歳・男性)
「海外のファンド、保険に入らないかという電話が結構きます」(62歳・男性)
「和牛投資詐欺で牧場とかタグとかパンフもあったし日経雑誌にも掲載されたが実態がなかった」(65歳・女性)
「一人暮らしの母のところに入り浸り話し相手のふりをして会社を始めると持ちかけてきた」(65歳・女性)
「喫茶店に呼び出され先物取引の勧誘を受けた」(60歳・女性)
■70代の場合
「2023年2月後半、ビットコインでのバイナリーオプションの自動売買システムのモニターの話があった。試しに指定された英国内の取引所に3万円分を送金し3日後くらいに少し増えた金額を出金した。その後20万円分を追加し合計23万円分を送金した。
3ケ月間は口座がロックされ出金できないということだったが、毎日少しずつ残高が増えているのを確認できた。担当者からの連絡も頻繁にあった。いよいよ出金できるという当日になると電話もラインもつながらなくなり、口座残高も0になっていた」(74歳・女性)
「お金を預けると年10%の利息が付く、という事で、最初は10万を預けた。最初の数年はちゃんと利息がついたので安心して、少し金額を多く預けた。お金が必要になったので、元金を返金してほしいと言ったが、何かと理由をつけて返金してもらえず、そのまま連絡できなくなった」(75歳・女性)
「100万に対し月7パーセントの利子を入金することになっていたが一年後には全く入らず元金も戻らなかった」(71歳・男性)
「フェースブックで知り合った若い女の子を名乗る人とLINEでやりとりするうちに、仮想通貨の誘いがあった」(70歳・女性)
「1. 投資をすると、2倍のお金になると言われたが、お金は戻らない。2. ジャマイカのコーヒー農園に100万円投資すると、利益が還元される」(77歳・女性)
「某証券会社の名をかたり名義貸しの話の電話があった。話を聞くうちにあきらかにおかしな内容だったので電話を切った」(78歳・女性)
「これは絶対もうかる投資ですと言って勧誘電話がかかってくる。むげに断ると恐喝されたらしい」(71歳・男性)
「知人が金取引に投資すると年15%相当の配当金が見込まれるとの勧誘を受けた」(76歳・男性)
「女性名のSNSでのメッセージで外貨投資の勧誘を受けた」(71歳・男性)
「友人がSNSで勧誘され投資をしたが後で連絡できなくなり300万円詐欺にあいました」(72歳・女性)
「電話で話を聞いて投資したと聞いてます。家にいると、誰かと話したい衝動からだと感じました」(71歳・女性)
「あなたが持っている株を高く買いますと言われた」(79歳・女性)
「知人ですが、ある銀行員の名前で、確実に高配当があると電話で勧誘されたと聞きました」(74歳・女性)
「ニーサの話からはじまり 投資すれば必ずもうかると60万円騙しとられた」(78歳・女性)
「ネットで知り合った人から、FX投資を勧められ送金したら、連絡が取れなくなった」(73歳・女性)
SNSでの誘いにはより慎重に
こうして見てみると、年代に関係なくSNSやインターネットを通じた勧誘にあっている人が多いようです。「必ず儲かります」「絶対にお金が増えます」といった甘い言葉に惑わされることのないよう、ぜひとも慎重に対応することを心がけてください。