6月の株価はどうなる? 上がる日・下がる日の傾向と株主総会の注意点
株は「いつ」買えばいいのか?
株を購入するタイミングって悩ましいですよね。「底で買って、天井で売る!」ができれば誰も苦労しません。発表された業績内容は悪いのに株価は高騰なんてことも(その逆も)結構あったりします。
タイミングを見極めるひとつの参考になる(かもしれない)のが、一年366日の日経平均株価の「騰落率」です。
終戦後に東京証券取引所が再開された1949年5月16日から現在までの、毎日の日経平均株価の日付別の上昇確率を計算したもの。平たく言えば、「この日付の日経平均株価は前日より上がったか下がったか」を1949年から累計したデータです。
〈参考記事〉その株、いつ買えばいいの? 一年で最も上がる日・下がる日からわかったこと
それぞれの日付において、株価が前日より上がった場合を「勝ち」、前日より下がった場合を「負け」として、その勝率(上昇する確率)が算出されています。長年のデータから、ベストな買い時・売り時を探してみましょう!
これが6月の最も上がる日・下がる日だ!
3月期決算の企業が多い日本では、6月といえば株主総会の時期です。2020年は、上場企業の32.8%に相当する747社が6月26日に株主総会の開催を予定していたのだそう(日本経済新聞社調べ)。そんなことも視野に入れつつ、6月の騰落率データを見ていきましょう。
日経平均株価の様々なデータを紹介する「日経平均プロフィル」に掲載されているデータから、6月の30日分の騰落率を2021年6月のカレンダーに当てはめてみます(データは2021年5月現在)。
下旬に株価はうなぎ上り! その理由とは
6月の特長として、26日から月末までの最後5日間の騰落率を見ると、データ上は「全勝」であることがわかります。2020年の株主総会ラッシュでもあった26日と、翌27日は勝率50%台ですが、28日・29日には60%台へ上昇。さらに30日は70.18%まで上昇します。
実は4月と5月においても、ラスト5日は50%を下回らず「全勝」です。25日が給料日の企業が多いことを考えると、給料で株を買う人が多いということなのでしょうか?
しかし、その4月・5月も、6月ほどの「ラストスパート感」はありません。6月下旬に多い株主総会が後押しするのか、はたまた、夏のボーナス(6月最終営業日に支給される企業が多いようです)の影響なのでしょうか。
なお、6月は上旬(1〜5日)も、下旬ほどの「みるみる上昇」感はないものの、すべて勝率は50%より上でした。2021年はどんな6月になるのか、今から楽しみですね。
・過去3年の6月の日経平均株価の推移
ではここで、過去3年の6月の日経平均株価の推移を振り返ってみましょう。
累積された騰落率では「初旬と下旬は上昇(特に下旬は順調な上がり方)、それ以外はアップダウン」という傾向でしたが、そのデータがよく反映されている……とは言い難い6月が続いています。特に、騰落率ではアツいはずのラスト5日は、ここ3年はパッとしていません。
あたりまえですが、データから思い描かれる株価上昇のイメージと、実際のある年の株価推移が一致しないことは当然あります。データだけで一方的に決めつけないように注意が必要です。
最も上がる日・最も下がる日は、どんな日?
6月の「最も上がる日(前日に買っておけばウハウハ?)」と「最も下がる日(前日に売っておけばウハウハ?)」について、もう少し詳しく見てみましょう。
【トップ】6月30日(40勝17負0分)
6月で最も騰落率が高いのは、最終日の30日。上がる確率は70.18%、勝ち負けは41勝15負0分です。
【この日、何の日?】
- ハーフタイムデー……1年の半分(上半期)が終了しました、という日。ちなみに、区切りとしては6月30日のほうがスマートですが、日数で実際に「半分」なのは7月2日です。
- リンパの日……血液以外で体内を循環する体液である「リンパ液」。リンパの流れが悪いと、身体がむくみやすくなるということで、「む(6)くみ(3)ゼロ(0)」の願いを込めて日本リンパ協会が設定したのだそうです。むくみをとって、すっきりした頭で相場に挑みましょう。
【最下位】6月6日(24勝31負0分)
6月で最も下がりやすいのは6日 (22勝36負0分)。上がる確率が37.93%ですので、つまりは62.07%の確率で下がるということになります。
1日~5日までは騰落率50%以上が続くので、そのまま6日まで持ち越すのは危険かもしれません……と思ったら、2021年の6月6日は日曜日。明けて月曜日の7日は再び59%になるので、どんな値動きを見せるか要注目です。
【この日、何の日?】
- 恐怖の日……新約聖書に登場する獣の数字が「666」であることにちなんだ日。日本では「死」と音が同じ「4」が縁起の悪い数字とされていますが、ところ変われば価値観も変わりますね。映画『オーメン』で悪魔の子ダミアンが生まれたのもこの日です。
6月の一大トピックは、株主総会
日本では大半の企業が3月期決算のため、4月から5月にかけて決算発表が行われ、次いで6月に株主総会のピークを迎えます。
株主総会は、決算内容に基づいた重大な発表や経営陣の意欲が垣間見られる機会でもあり、好材料が見られやすい機会とも言われます。ただ、昨今は「物言う株主」の存在感も大きくなり、思いがけない波乱を巻き起こすことも。
決算発表シーズンに引き続き、株価の動きが読めない難しいタイミングでもありますので、「決めつけ」は厳禁です。
〈参考記事〉6月の株価はどうなる? 初のG20サミットと夏本番に向けて急騰する銘柄とは(2019年の記事)
青空が恋しい6月、投資はカラっといきたい
「決算発表ピーク」でもある5月に引き続き、6月も株式市場は活発な動きを見せるようです。「上がりやすい日」「下がりやすい日」は絶対的なものではないものの、そうした傾向があることを知っておくことで、転ばぬ先の杖のひとつにはなるかもしれません。
2021年は各地で例年より早い梅雨入りとなっており、6月もすっきりしない曇天が続くでしょう。じめじめとした天気に惑わされることなく、カビの発生に注意しながら、爽やかに自分の売買ルールを実行していくことを期待します(我ながら)。