株価は底を打ったかも? 期待感も生まれてきた相場でプロが注目している銘柄とは

窪田 剛
2022年11月2日 8時00分

phonlamaiphoto/Adobe Stock

《日々相場と向き合うプロトレーダーは、いまどんな銘柄に注目しているのか? オンライン株式スクール「株の学校ドットコム」講師の窪田剛さんが、3つのランキングから10月相場を振り返る【ランキングで見るプロの注目銘柄】》

10月相場を振り返って

底打ち感!

10月相場のキーワードは「底打ち感」ですね。さまざまな銘柄のチャートを見ると「あれ、底打ったかも?」と、そんな印象を持たせてくれた10月でした。

株だけでなく、日本の通貨である円も、安値水準のままとは言え、下げ止まった感があり、150円を超えてどんどん下落する感じでもなく、いったんの落ち着きを見せてくれました。

そんな10月相場を、ドバイ国際空港の朝マック800円に驚きながら、お届けします(たっけー!)。

10月相場で上がった株・下がった株

そんな202210月の株式相場を売買代金値上がり率値下がり率のランキングで振り返ってみたいと思います(太字はピックアップ銘柄)。

・2022年10月の売買代金トップ20

順位 コード 銘柄 売買代金
1 6920 レーザーテック 3.54兆円
2 9984 ソフトバンクグループ 2.37兆円
3 8035 東京エレクトロン 1.39兆円
4 7203 トヨタ自動車 1.11兆円
5 9983 ファーストリテイリング 1.11兆円
6 6758 ソニーグループ 7947億円
7 9101 日本郵船 7918億円
8 8306 三菱UFJフィナンシャル・グループ 7810億円
9 6861 キーエンス 7343億円
10 9104 商船三井 6810億円
11 7974 任天堂 6756億円
12 6594 日本電産 5788億円
13 4385 メルカリ 5317億円
14 8316 三井住友フィナンシャルグループ 4868億円
15 9432 日本電信電話 4713億円
16 9107 川崎汽船 4628億円
17 6098 リクルートホールディングス 4522億円
18 4063 信越化学工業 4255億円
19 4523 エーザイ 4230億円
20 6619 ダブル・スコープ 4151億円

202210月の値上がり率トップ20

順位 コード 銘柄 値上がり率
1 4393 バンク・オブ・イノベーション +376.5%
2 7886 ヤマト・インダストリー +105.8%
3 8139 ナガホリ +90.9%
4 6579 ログリー +88.9%
5 3906 ALBERT +88.8%
6 3753 フライトホールディングス +61.6%
7 4375 セーフィー +53.1%
8 6337 テセック +48.9%
9 6619 ダブル・スコープ +45.3%
10 9227 マイクロ波化学 +45.0%
11 4480 メドレー +45.0%
12 6920 レーザーテック +44.8%
13 5008 東亜石油 +43.4%
14 3393 スターティアホールディングス +41.4%
15 6096 レアジョブ +40.8%
16 4425 Kudan +40.0%
17 6338 タカトリ +39.7%
18 9270 バリュエンスホールディングス +39.5%
19 3528 ミライノベート +39.3%
20 9552 M&A総合研究所 +38.8%

・2022年10月の値下がり率トップ20

順位 コード 銘柄 値下がり率
1 7901 マツモト -46.4%
2 5820 三ッ星 -46.0%
3 9253 スローガン -38.4%
4 3674 オークファン -30.5%
5 5127 グッピーズ -29.9%
6 4592 サンバイオ -29.0%
7 6255 エヌ・ピー・シー -27.7%
8 7370 Enjin -25.0%
9 9254 ラバブルマーケティンググループ -24.7%
10 5941 中西製作所 -24.6%
11 5035 HOUSEI -24.0%
12 9976 セキチュー -23.6%
13 2370 メディネット -23.4%
14 4563 アンジェス -23.1%
15 5337 ダントーホールディングス -22.9%
16 3719 ジェクシード -22.3%
17 5125 ファインズ -21.6%
18 1518 三井松島ホールディングス -20.9%
19 6898 トミタ電機 -20.7%
20 5126 ポーターズ -20.6%

10月相場でプロが気になった銘柄

このランキングの中から、私・窪田が気になった銘柄をピックアップします。

・売買代金ランキング

【第1位】レーザーテック<6920>………3.54兆円(値上がり率12位:+44.8%)
【第3位】東京エレクトロン<8035>……1.39兆円

まだまだ本回復とはなっていませんが、底は打ったかな? という半導体の値動き。相場を牽引していたときの強さはありませんが、特にレーザーテックは値上がり率44.8%という大型株らしからぬ反発でした。要チェック!

【第2位】ソフトバンクグループ<9984>……2.37兆円

AIや世界中のベンチャーに張りまくっていたのが裏目に出て株価は低迷していましたが、こちらも底打ち感が見えてきたことで大きく反発しました。特に月末の上げの勢いは「ちょっと流れ変わったかもな」という印象。半導体と合わせて要チェック!

【第13位】メルカリ<4385>……5317億円

半導体関連やソフトバンクグループ、日本円と同じく、下げ止まった感を感じさせる値動きとなりました。

日本の新興大手マネーフォワード3994>、Sansan4443>などとともに期待が大きく、一時は値上がっていましたが、ここしばらく低迷が続いていました。そこから数か月の調整を経て、反発が始まったか? と思えるようなチャートになってきました。

以前ほどの水準にまで戻るようなことは考えにくいですが、しばらくは注目してもいいと思い、ピックアップ。チェックしておきましょう!

・値上がり率ランキング

【第20位】M&A総合研究所<9552>……+38.8%

事業承継を含め、M&A関連はよく注目されます。今後マーケット自体が大きく成長すると思いますので、この会社だけでなく業界全体をチェックしておくといいと思います。

・値下がり率ランキング

【第1位】マツモト<7901>……−46.4%

このコラムでは何度も書いていますが、仕手株に手を出すのはやめておきましょう。ネットで話題になっている時価総額の小さい(値動きの軽い)銘柄は注意が必要です。本当に注意してほしいので、今回もピックアップしました。

【第18位】三井松島ホールディングス<1518>……−20.9%

一時、著名投資家が買っていたということで注目を浴びていました。その投資家はすでに売ってしまっているのですが、いまになって大きく下落してしまいました。

ここから得られる教訓は「自分で考える」ということです。「有名な人が……」とか「ネットや雑誌で話題だから……」という理由で株を買わない! という教訓をいま一度、認識してほしいです。

チャンスは突然やってくる

やはり10月は「底打ち感」が目立ちました。すでに11月相場が始まっていますが、年末に向けて上昇していくのでは……という期待感がもてる1か月となりました。

チャンスは突然訪れます。しっかり勉強しておいて、こういうときに飛び乗れるといいですよね。

私ですか? えっと、いまから搭乗です。アフリカのガーナへ!

株は、少し長い期間を想定したポジションをもっています。さっき見たら含み益が増えていた! ありがとう半導体、ありがとうメガベンチャー!

それでは、みなさんも年末に向けて楽しんでいきましょう!

(株の学校ドットコム講師・窪田 剛

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[執筆者]窪田 剛
窪田 剛
[くぼた・つよし]トレーダー、投資家。オンライン株式スクール「株の学校ドットコム」講師。数日から数週間保有するスイングトレードをメインに手がける。トレーダーとして日々相場と向き合うかたわら、エンジェル投資家としてベンチャー企業に出資したり、社会貢献活動にも力を入れる。スキーとサウナ、温泉とゲームが好き。著書に『株の学校』『株の学校 超入門』(いずれも高橋書店)がある。
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