4月の株価はどうなる? イラン情勢でいつもと違う春に注目したい銘柄とは

岡田禎子
2026年3月28日 8時30分

4月は新年度の幕開けとともに株式市場にも新たな資金が入りやすい月です。ただ、今年はイラン情勢の緊迫化という新たなリスクも意識されるため、例年どおりの展開とはならない可能性もあり、注意が必要です。

相場では「桜の開花が早い年ほど日経平均のパフォーマンスが良い」というアノマリーも知られています。今年は3月15日の高知・宿毛を皮切りに、17日に名古屋、19日には東京と、各地で平年より早い開花が報告されています。さて、株式市場にもサクラは咲くでしょうか?

4月相場の特徴──アノマリーと恒例イベント

新年度入りで上昇相場となりやすい4月。国内の機関投資家による新規買いに加えて、海外投資家も例年大幅な買い越しを見せる傾向があります。日経平均株価の騰落は過去20年の平均がプラス1.8%で、11月に次いで2番目に高いパフォーマンスを示しています。

・4月の外国人買い

4月相場を支える代表的な需給要因が「外国人買い」です。新年度入りに伴う資金シフトに加え、日本株の割安感や企業改革への期待が意識されやすく、海外マネーが入りやすい時期とされています。

・3月期決算企業の本決算発表

日本の上場企業の約6割が3月期決算。その本決算発表が4月下旬から本格化します。例年、安川電機<6506>やディスコ<6146>といった主力株が先行指標となり、これらの企業の新年度見通しは当該セクターのみならず市場全体の方向性を左右する材料となります。

・アクティビストの活発化

3月期決算企業では、6月に控える株主総会に向けた「株主提案」の期限が4月末にやってきます。アクティビスト(いわゆる「物言う株主」)から増配や自社株買いなどの要求があったと報道された銘柄は、この時期に急騰しやすくなります。

・GAFAMの決算発表

海の向こうでは、GAFAM(Google, Apple, Facebook, Amazon, Microsoft)の決算発表も4月下旬に集中します。世界のハイテク株に対するセンチメント(市場心理)を左右するだけでなく、日本の半導体・電子部品セクターへの波及にも注目が集まります。

・日銀の金融政策決定会合

4月末には日銀の金融政策決定会合が開催されます(今年は27日・28日)。政策金利(利上げ・利下げの有無)をはじめとする金融政策について話し合われ、特に、会合後に行われる記者会見での総裁発言が為替と株価を左右します。

2026年の4月相場はどうなる?

今年の4月相場も例年どおり「外国人買い」が意識されやすいと思われますが、その一方で、イラン情勢を受けた原油高によるインフレ懸念も高まっています。アメリカ株の軟調が重しとなり、相場全体(指数)が上がるというより、銘柄選別色の強い4月となりそうです。

・春闘

今年の重要なテーマのひとつが、春闘による賃上げの浸透です。賃上げは4年目に入り、名目賃金の上昇に加えて実質賃金のプラス転換も視野に入ってきました。実質所得の改善が続くことになれば、個人消費の回復を通じて内需株に注目が集まりそうです。

・イラン情勢

この4月で最も警戒すべきは中東情勢です。ホルムズ海峡の封鎖など事態の深刻化・長期化によっては、原油高によるコスト増と世界景気の減速懸念から、日本株にも強い下押し圧力がかかり続けることになります。決して「遠くの戦争は買い」とは言い難い状況になっています。

・日米の金融政策

日米の中央銀行の動きも気になります。日銀は、イラン情勢を見極めつつも4月会合(27日・28日)で利上げするのでは、という観測もあり、そうなれば円高を通じて輸出株の収益を圧迫する要因となります。

一方、FRBが4月のFOMC(現地時間28日・29日)で利下げに慎重な姿勢を維持すれば、高金利が長期化し、ハイテク・グロース株には逆風となります。資源高を背景に足元では利下げ期待は後退しており、当面は金融環境の引き締まりを意識した展開が想定されます。

2026年4月のイチオシ銘柄5選

そんな2026年の4月相場で注目すべき銘柄を5つご紹介します。

・トヨタ自動車<7203>

4月の外国人買いで「まずはここ!」となりやすいのが、日本株の代表選手であるトヨタ自動車<7203>。流動性や指数寄与度に加えて、ガバナンス改革の象徴的存在でもあります。

現在は政策保有株の解消が大きなテーマですが、EV(電気自動車)シフトの過渡期においてハイブリッド戦略が収益を下支えしており、円安メリットが大きいことでも知られます。海外資金から見て、日本株買いの入り口になりやすい王道大型株といえます。

・東京エレクトロン<8035>

外国人買いの中で、グロース資金の受け皿という位置づけになりやすいのが東京エレクトロン<8035>です。AI・半導体投資の恩恵を受けつつ、2月に発表された業績の上方修正や株主還元も材料になっており、買われる理由が複数あります。

ただし、米ハイテク株や金利動向に振られやすく、トヨタに比べて値動きは荒くなりがちな点に注意が必要。強気相場なら投資妙味が出る銘柄といえます。

・山洋電気<6516>

4月相場といえば、山洋電気<6516>。過去10年の騰落(前月終値比)では10連勝中と実績も十分で、4月相場との相性の良さは抜群です。

新年度見通しへの期待が先行しやすい銘柄でもあり、AIサーバーやデータセンター向け投資の拡大が続くなか、冷却ファンや電源関連への需要増も追い風です。4月25日予定の本決算発表では、業績そのものに加えて会社が示す新年度ガイダンスが株価の勢いを左右しそうです。

・オリエンタルランド<4661>

2025年度は調整を余儀なくされたオリエンタルランド<4661>ですが、この4月は、28日に予定されている本決算発表に加え、周年イベントの開始、中期テーマの再評価が重なり、内需成長株として見直し買いが入るのでは、と考えられます。

25周年を迎える「東京ディズニーシー」の記念イベントは4月15日にスタート。その後、2027年春には「シュガー・ラッシュ」の新アトラクション、2028年度にはクルーズ事業も開始予定です。

・イオン<8267>

春闘の恩恵を素直に取りにいくなら、イオン<8267>はいかがでしょうか。賃上げが家計の安心感につながったとき、最初にお金が回ってくるのは日常消費です。

食品、総合スーパー、ショッピングモール、ドラッグストアから金融まで幅広い裾野をもつイオンなら、賃上げの恩恵を“点”ではなく“面”で拾うことができます。足元では株価調整が見られるものの、賃上げ恩恵の内需株として筆頭に名前が上がります。

[執筆者]岡田禎子
岡田禎子
[おかだ・さちこ]証券会社、資産運用会社を経て、ファイナンシャル・プランナーとして独立。資産運用の観点から「投資は面白い」をモットーに、投資の素晴らしさ、楽しさを一人でも多くの方に伝えていけるよう活動中。個人投資家としては20年以上の経験があり、特に個別株投資については特別な思い入れがある。さまざまなメディアに執筆するほか、セミナー講師も務める。テレビ東京系列ドラマ「インベスターZ」の脚本協力も務める。日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、ファイナンシャル・プランナー(CFP) note:https://note.com/okapirecipe_555
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