「あく抜け」とは?
・あく抜け[あくぬけ]
悪材料が全て出尽くして、大きく下がっていた相場が一段落し、上昇に転じること。
「あく」は、野菜や肉などを煮込んだときに出てくる「灰汁(あく)」のこと。「灰汁(あく)」を「悪(あく)」に言い当てた表現。
灰汁が強くて食べられない食材も、出し切れば食べられる(=買える)ようになる。
・短期トレードの現場から一言
「あく抜け」が使われる銘柄は、業績が安定せず、材料が出れば急騰・急落するような値動きの激しい銘柄であることが多い。実際、トヨタ自動車<7203>などの優良銘柄で使われるのは、あまり見たことがない。 悪材料が出て値を下げることが一度ではなく、また、複数の材料で下げ続けるケースも多い。
そんな中で空売りも増え、追い討ちをかけるように悪いニュースが出て、さらに価格が下落。もうこれ以上は何も出ないだろうと多くの個人投資家が思いたい時に、「あく抜けした」というニュースやアナリストの記事が出てくる。
結局、「あく抜け」というのは、理由を探して逆張りの「買い場」を探している人のための「都合のいい言い訳」とも言えなくもない。上昇のきっかけとなる好材料やチャート形状までに時間がかかり、「茹ですぎた素材(銘柄)は硬くなって美味しくない」なんてことも?
「あく抜け」したのかどうかは、神のみぞ知る。「あく抜け」より「三角保ち合いからの上抜け」の方が、トレーダーにとってはずっと信じられる。
*「現場から一言」は、株式市場に真摯に向き合う投資家・トレーダーの視点から、初心者が特に勘違いしやすい側面について、経験を積んだ人々の知見をお届けします。ただし、これは絶対的な「正解」ではなく、あくまで一個人の見解である点にご留意ください。