ロボアドバイザーに死角はないのか? その魅力と注意点をチェック

いま、世の中は空前のAIブーム。株の世界でも、「フィンテック(Fintech)」という言葉とともに、最新技術を駆使した(ように謳われている)ものとして「ロボアドバイザー」が注目を集めています。すでに20を超えるサービスが展開されていますが、気をつけるべき点はないのでしょうか?

話題のロボアドバイザーって?

そもそも「ロボアドバイザー」とは何を指しているのでしょう? 様々な定義と、それを覆す商品なども出てきているため一概には言えませんが、ここでは、ひとまず次のように定義してみます。

投資家のニーズを入力することによって最適なポートフォリオをおすすめしてくれるシステム

この定義で注目してほしいのは、「投資家のニーズ」と「最適なポートフォリオ」です。この2点について、詳しく考えてみましょう。

「投資家のニーズ」とは

わたしたち個人投資家は、それぞれ異なる「環境」「状況」「目的」をもって生きています。そのため、各自のニーズに合った投資活動をしなくてはなりません。ロボアドバイザーは、そのニーズをいくつかの質問によって明らかにしようと試みています。

具体的には、「資産運用におけるリスク許容度や、期待する利回り」といった部分について、投資家それぞれのニーズを知ろうとしているわけです。そのため投資家の側は、「リスクをとっても高いリターンを期待する」あるいは「低リスクで安定したリターンを望む」など、自分の資産運用のイメージに合った答えをする必要があります。

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「最適なポートフォリオ」とは

「ポートフォリオ」とは組み合わせのことです。明確になったニーズに合わせて金融商品を組み合わせるのです。「短期間で、リスクをとってでも、高いリターンを求める」人向けのポートフォリオと、「長期間(たとえば30年)にわたって、低リスクで、安定したリターンを望む」人とでは、まったく異なるポートフォリオになることが予想されます。

つまり、ロボアドバイザーとは、個人投資家の様々なニーズを理解し、その実現に向けて最適であろう金融商品の組み合わせを提供してくれるシステム、ということになります。

ロボアドバイザー vs. 営業マン

……と、ここでひとつの疑問が出てきます。「それって、証券会社の営業マンや銀行の窓口相談と同じでは?」

たしかに、しっかりとしたヒアリングを行ない、取扱商品の垣根を越えて、本当にお客様のためのポートフォリオを形成してくれることが、証券会社や銀行の理想の形と言えます。しかし現実には、そういった優秀な営業マンはどれだけ存在するかわかりません。

そこで、ロボアドバイザーの出番です。

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ロボアドバイザーが人間に勝る4つの理由

ロボアドバイザーは、次の4つの点において人間よりも優っていると言えます。

  • コストが安い
  • 金融商品(ETF)の充実
  • 少額から投資が可能
  • オンラインで完結

1.コストが安い

どのロボアドバイザーも、だいたい運用資産の1%(年間)の手数料がかかります。銀行窓口や証券会社の営業を通した取引を考えれば、圧倒的な安さと言えるでしょう(通常、投資信託は信託報酬を含めて約4%、証券は売買ごとに手数料がかかります)。

これは当然、人間を介さないことによるコスト削減と業務の効率化の恩恵です。手数料をあまり意識していない方もいますが、コストは投資利回りに直結します。投資家としてはしっかりと見極めるべきポイントです。これまで見えにくかった「金融商品の手数料」の明確化にもつながるかもしれません。

2.金融商品(ETF)の充実

ロボアドバイザーのコストの安さのもうひとつの要因として、ETFが挙げられます。ここではETFの説明は省きますが、世界中の金融商品(米国株や金、債権など)がETFとして売買可能になったことで、「それぞれの個人投資家のニーズにあったポートフォリオを実現できるようになった」と言っても過言ではないでしょう。

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3.少額からの投資が可能

ロボアドバイザーで株を始める人には初心者が多い、という調査結果があります。それは、「質問に答えるだけで自動的に投資ができる」ということもありますが、少額からスタートできる点も大きく寄与しているのではないかと思います。

自分のニーズにあった分散投資(ポートフォリオの構築)なんて、ひと昔であれば5000万円以上の運用資金がある富裕層向けのものしかありませんでした。それが、なかには最低投資金額が1万円というサービスも登場しているのですから、初心者でも気軽に始められるでしょう(分散投資に関しては、ある程度の資金がなければ期待リターンを得られない、という観点もあります)。

4.オンラインで完結する

いまとなっては当たり前ですが、自分のニーズに合ったポートフォリオを組むことが、自宅にいながら実現できるなんて夢のような話です。

また保険と同じように、投資家を取り巻く「状況」が変わることも多々あります。そんなときに毎回、窓口や担当営業に連絡して相談するということを面倒に感じる人も増えてきているようです。その点、オンラインで完結するのであれば、毎月変更したっていいわけです(基本的には長期投資向けなので、そんなに頻繁に変更することはないと思いますが)。

また、ポートフォリオのポジション比率を維持するために、変動する価格の中で常に調整し続けてくれるところも、システム化されているメリットと言えます(その売買に取引手数料がかからない点も素晴らしい)。

ロボアドバイザー利用の注意点

というわけで、AIを駆使した夢のようなシステムが誕生しました。個人投資家の選択肢が増えることは良いことです。しかしながら、すべてを鵜呑みにすることはおすすめできません。

収支シミュレーションは割り引きで

投資活動において最も難しいこと、それは未来を予想することです。どのロボアドバイザーも、想定の収支シミュレーションを提示してくれます。もちろん金融のプロが提供しているため、100%を謳うことはしませんが、それでも、その数値を鵜呑みにはできません。

なぜなら、同じ仕組みで過去10年間(もしくは30年間)の実績があるわけではないからです。仮にある場合においても(有名ファンドなどはそうですね)、未来のパフォーマンスが約束されるわけではありません。それを理解し、自分の中で割り引いて考える必要があると思います。

ポートフォリオは必ず確認

多くのロボアドバイザーは、質問の答えをもとにポートフォリオを自動生成します。その結果は、あなたが求めているものと合致しているでしょうか? その点を確認しましょう。これは非常に難しい作業です。なぜなら、自分でわかっているなら自分で分散投資すれば良いからです。

確認する際のポイントは、「どの資産クラスに」「どれくらい」投資するかです。金融用語では「アセット・アロケーション」といいます。そのさじ加減こそ、ロボアドバイザーが本領を発揮する場面ではありますが、結果については必ず確認すべきだと思います。

そしてここに、各ロボアドバイザーの特徴が色濃く出ます。細かく複数の商品を保有するものや、米国株はETF1本にまとめて、数本でポートフォリオを組むものもあります。どれが良くて、どれが良くないということではなく、スタンスや、まさに投資ポリシーの違いということでしょう。

新たな選択肢として活用したい

ロボアドバイザーは個人投資家の選択肢として、早くも世界的にひとつのジャンルを築きつつあります。それだけ期待も大きく、技術革新しつづけるものだと思います。メリットとデメリットを理解し、見極めつつ、大いに活用していただきたいと思います。

ただし、ここで述べた注意点はお忘れなく。また、NISA(積立NISA)やiDeCoの対象になるかどうかも、サービスごとに事前に確認しましょう。

【参考記事】巷で絶賛中のiDeCo でも実は、気をつけたい落とし穴もいっぱい

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