プロが愛用する証券会社 トレーダーに大事なのは手数料とツールと…

山下耕太郎
2021年10月6日 12時00分

《マーケットアナリスト・先物ディーラーを経て、個人投資家に転身。投資歴20年以上のトレーダー・投資家は一体どの証券会社を使っているのか。取引回数の多いトレーダーだからこそ重視すべきポイントとは》

証券会社を選ぶポイント

私が証券会社を選ぶポイントは、以下の3つです。

・手数料

証券会社を選ぶとき、手数料の安さは大事なポイントのひとつです。

以前は、1日に何度も取引するスキャルピングや1日で取引を完成させるデイトレードを主にしていたので、とくに手数料を意識していました。

現在は、数日で売買するスイングトレードと長期投資がメインになりましたが、それでも手数料の安さは証券会社を選ぶ大切なポイントだと考えます。

・取引ツール

証券会社選びにおいては、取引ツールも大切です。私が取引ツールで重視しているのは、以下の3点で。

  • チャートは見やすいか
  • 情報量は豊富か
  • 発注しやすいか

私は取引においてテクニカル分析を重視するので、チャートの見やすさは最も重要です。そして、複数の銘柄を登録でき、チャートを簡単に確認できる証券会社を選んでいます。

さらに、個別銘柄の情報量も多いかどうかも重視しています。どんな材料で株価が上がっているのか、日経平均株価や為替の今後の予想はどうなっているのかなどを確認するためです。また、外出先でも株価やニュースをチェックするため、スマホアプリも使いやすいかどうかという点も大切ですね。

最後に、発注のしやすさも重視しています。株式を売買するときは、すばやく発注できるかどうかが大切。パソコンがメインになりますが、スマホアプリでの発注のしやすさも気にしています。

・取扱商品の多さ

現在は国内株をメインに取引していますが、長期投資で投資信託も購入しています。また、アメリカ株やFXなどを取引することもあるので、さまざまな種類の金融商品を取引できるかどうかという点も、証券会社を選ぶときのポイントになっています。

私の好きな証券会社・5選

それでは、私がおすすめの証券会社を5つ紹介します。

【第1位】楽天証券

私がいちばん好きな証券会社は、楽天証券です。それには主に、次の2つの理由があります。

・取引ツール「マーケットスピード Ⅱ」「iSPEED」が使いやすい

楽天証券の取引ツールである「マーケットスピード Ⅱ」は、私にとって必須のツールです。

このツールでは、1画面で株取引に必要な情報をチェックできますし、気になる銘柄を登録しておけば、ワンクリックで株価や板、チャート、ニュースなどを一目で確認できるので、非常に便利です。

私はエクセルで損益管理をしているので、「マーケットスピードⅡ RSS」も必須。リアルタイムで個別銘柄の株価情報を取得でき、簡単に損益状況が確認できます。発注機能も搭載されていて、自動売買も可能になっているので、いつかはチャレンジしてみようと思っています。

・手数料が安い

楽天証券では、業界最低水準の手数料も魅力です。たとえば、楽天証券の「いちにち定額コース」では、現物取引と信用取引を合わせた1日の取引合計金額で、以下のように取引手数料が決まります。

取引合計金額 取引手数料
100万円まで 0円
200万円まで 2,200円(税込)
300万円まで 3,300円(税込)
以降100万円増えるごとに1,100円(税込)追加

最初は少額で取引をしたいと考えている人には、楽天証券の「いちにち定額コース」はおすすめです。

【第2位】SBI証券

SBI証券の魅力は、豊富な金融商品と手数料の安さです。それぞれのポイントについて解説しましょう。

・豊富な金融商品

SBI証券では、国内株・IPO(新規公開株)・投資信託・外国株など幅広い商品を扱っています。

とくにIPOの取り扱い銘柄数は業界でもトップクラス。ただ、申込する人も多いので、ブックビルディングに申し込んでも抽選で外れる可能性が高くなります。しかし、「IPOチャレンジポイント」があるので、ポイントを貯めていけばIPO株の当選確率が高くなる、という魅力もあります。

・手数料が安い

SBI証券では業界最低水準の手数料も魅力です。

なかでも、1日の約定代金が100万円まで手数料がかからない「アクティブプラン」がおすすめ。アクティブプランでは、「現物取引100万円」+「制度信用取引100万円」+「一般信用取引100万円」の合計300万円まで手数料が無料になります。

長期投資は現物取引、短期トレードは信用取引でおこなっている投資家には、とくに魅力的な手数料体系になっているのがSBI証券です。

【第3位】岡三オンライン証券

岡三オンライン証券の魅力は、高機能の取引ツールと手数料の安さです。

取引ツールでは、豊富な注文方法が使える「岡三ネットトレーダー」、シンプルな操作性が魅力の「岡三かんたん発注」が便利です。

また、スマホアプリの「岡三ネットトレーダースマホ」では、約90種類のチャートが使えるほか、豊富な銘柄情報も魅力。値上がり率上位銘柄など各種ランキング情報も確認できるので、私もいつもスマホでチェックしています。

岡三オンライン証券の手数料体系では「定額プラン」が魅力。定額プランを利用すれば、「現物取引100万円」+「信用取引100万円」の合計200万円までの手数料が0円になります。

【第4位】GMOクリック証券

GMOクリック証券の魅力は、商品の多さと手数料の安さです。

それに加えて、1つのID・パスワードと1回のログインで株式、先物、FX、CFDなどの取引が可能という点が、GMOクリック証券の大きなメリットになります。

他の証券会社では株式とFXなどの取引画面は分かれていることが多いので、取引するたびにログインする必要があります。しかし、GMOクリック証券ではシームレスに複数の取引ができるのです。

また、GMOクリック証券にも「1日定額プラン」があり、1日の約定代金が100万円までの手数料が無料になります。手数料の安さも、クリック証券の魅力です。

【第5位】SBIネオトレード証券(旧ライブスター証券)

SBIネオトレード証券は、手数料が安いことと取引ツールの使いやすさが魅力です。

株式の現物手数料は、業界最低水準。「おまとめプラン(定額制)」を利用すれば、1日の約定代金100万円までは手数料無料になります。信用取引の手数料については、約定代金にかかわらず0円というのも魅力です。

さらに、トレードツール「NEOTRADE R」には、豊富なチャートや板情報からの発注など便利な機能が搭載されています。

SBIネオトレード証券は、とくにデイトレードなどアクティブに取引するトレーダーにおすすめの証券会社です。

自分の目と手で確かめよう

もともと短期トレードを中心に行い、最近は長期投資も手がけるようになった私が、実際に日々の取引に使ったなかで「いい!」と思った証券会社を5つ紹介しました。

証券会社の口座開設は無料で、それぞれのツールや手数料体系に特徴があるので、ぜひ複数の口座を開設してみることをおすすめします。そして、必ずご自身で利用してみて、自分のスタイルに最もあった証券会社で取引を行うようにしましょう。

自分にとって使い勝手の悪いツールだったばかりに、せっかくの大チャンスをフイにしてしまった……なんて事態は、なんとしても避けたいですからね。

[執筆者]山下耕太郎
山下耕太郎
[やました・こうたろう]一橋大学経済学部卒業。証券会社でマーケットアナリスト・先物ディーラーを経て、個人投資家に転身。投資歴20年以上。現在は、日経225先物・オプションを中心に、現物株・FX・CFDなど幅広い商品で運用を行う。趣味は、ウィンドサーフィン。ツイッター@yanta2011 先物オプション奮闘日誌
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