株初心者あるあるを防ぐための、バーチャル取引のすすめ

かぶまど編集部
2020年5月8日 11時00分

初心者によくあるミスを防ぐには

いま、新たに株を始めようとする人が増えています。外出自粛で時間に余裕ができた、今後の収入不安が増したので資産形成をしたい、在宅でお金を稼げる手段がほしい……など理由は様々でしょう。株を始めること自体は大賛成ですが、いきなり取引するのはリスクが伴います。

特に注意が必要なのが「注文ミス」。たとえば銘柄を間違えたり、株数を間違えたり、「売り」と「買い」を取り違えたり。経験を積んだ個人投資家・トレーダーでさえ、こうしたミスを犯してしまうこともあるのですから、初心者ならなおさら。

実は、実際にお金を投じることなく株取引を体験できる「バーチャル取引」というものがあります。これを活用することで、取引に必要なことを知り、操作に慣れることができるだけでなく、自分の投資判断が正しかったかどうかをチェックすることもできます。

バーチャル取引でできること

バーチャル取引では、架空の投資資金を使って株取引を体験することができます。“本番”と異なる点はひとつだけ。実際のお金を投資するわけではないので、証券口座に入金する必要がないことです。

つまり、バーチャル取引の画面上に表示される損益は、架空の投資資金の損益であって、実際にお金が増えたり、減ったりするわけではありません。たとえ損失を被ったとしても、現実にお金を失うわけではないのです。

バーチャル取引は、専用のサイトやインターネット取引を扱っている証券会社などで実施できます。検索サイトで「株 バーチャル取引」というキーワードを入力すれば、取り扱いのあるサイトや証券会社が見つかるでしょう。

バーチャル取引の手順は、基本的に通常のインターネット取引と同じです。

  1. 銘柄の選定
  2. 「買い」か「売り」かの選定
  3. 注文方法の選定(売買の値段を指定せず即座に注文を成立させる「成行注文」と、売買の値段を指定して注文する「指値注文」のどちらかを選びます)
  4. 注文執行

これでバーチャル取引は成立します。架空の口座には架空の投資資金が表示され、実際の取引と同様、そこから投資額が差し引かれます。購入した株の値動きに合わせて、損益が表示される点も実際のインターネット取引と変わりません。

注文執行後は、株価の動きを見ながら「決済」のタイミングを計ります。株を買ったときは「売り決済」、空売りをしたときは「買い決済」となります。

バーチャル取引を通して、株の売買の方法を実践的に学んだり、決済のタイミングを計るトレーニングを積んだりできるのです。

本番デビューの注意点

注文方法も決済のタイミングの計り方も理解して、いざ、本番……といきたいところですが、バーチャル取引と実際の取引とでは、緊張感、すなわちメンタル面が大きく異なることを忘れてはいけません。

テレビゲームで考えてみましょう。

レーシングゲームやフライトゲームで事故を起こしても、実際に怪我を負うことはありません。戦場が舞台のバトルゲームも同様です。どんなに銃弾の雨を受けても、かすり傷ひとつ負いません。

でも、実際にハンドルや操縦桿を握るとしたらどうでしょう? ゲームでは勇ましく機体を操れても、現実世界となると、ガタガタと手が震えてしまうのではないでしょうか。まして銃で人を撃つなんて。

バーチャル取引では、どれだけ損失を被っても、財布の中のお金が減ることはありません。しかし、実際の取引では、株の値動きによって、紛れもない現実としてお金が増減するのです。それゆえ、株式投資を始めて間もないときは、ちょっとした値動きに一喜一憂し、思わぬ判断ミスを犯してしまうこともあります。

損失を膨らませないように、損切りをどのタイミングで行なうか。利益確定はどのタイミングで行なうか。バーチャル取引では冷静に下せたこれらの判断も、いざ本番となると、たちまちおぼつかなくなってしまうもの。その点を忘れずに、本番デビューにのぞみましょう。

損切りする勇気がなく判断が遅れたり、「もっと儲かるかもしれない」という欲深さから売りのタイミングを逸したり。そんな不用意な判断ミスを減らすためにも、バーチャル取引から実際の取引に移行する際には、少額の資金から取引をスタートさせるのが賢明です。

常に冷静な判断が下せるよう、少しずつ投資額を増やし、焦らずゆっくりと株取引に慣れていきましょう。

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[執筆者]かぶまど編集部
かぶまど編集部
無防備なまま株式市場に参加して大切なお金をなくしてしまう人をひとりでも減らしたい──そんな思いから、未来の株価や相場を予測するのではなく、過去の事例やデータといった「普遍的な事実」に焦点を当てた記事を発信します。同時に、株初心者の方や、これから株を本気で始めようとしている方にもわかりやすい解説を心がけています。
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