7月の株価はどうなる? AI相場は第2幕へ! 勝負の夏相場で輝く銘柄とは

岡田禎子
2026年7月2日 12時00分

《今年の7月は「夏枯れ」か、それとも「サマーラリー」がやって来るのか。新たなフェーズに向かうAI相場の行方を握る重要イベントと注目銘柄から、7月相場の傾向と対策を解説》

7月は「前半調整、後半勝負」の月です。上旬はETFの分配金捻出売りが発生しやすく、一年の中でも重たい時期。下旬は米ビッグテックの決算が集中し、AI投資の行方に世界の目が注がれます。

加えて、7月は一年の後半戦スタートの月。今年の前半はAI関連が市場を牽引しましたが、ここから先は企業業績や受注動向が重視される局面へ移る可能性があり、この7月が後半相場の方向性を占う重要な月となりそうです。

  • 重要イベント:米ビッグテックおよび国内4〜6月期の決算発表。特にAI投資の継続性や今後の見通しに注目
  • 注目銘柄:AI関連では「村田製作所」「キオクシア」「ソフトバンクグループ」、決算では「ソニーグループ」「良品計画」

7月相場の特徴──アノマリーと恒例イベント

株主総会ラッシュを終えて、相場の関心が企業業績へと移る7月。前半はETFの分配金捻出売りによる需給悪化が意識されやすい一方、後半は米ビッグテック決算のほか、国内の4〜6月期決算も本格化し、業績を手がかりとした物色が活発になります。

例年7月は「夏枯れ相場」と「サマーラリー」が交錯しやすい月として知られていて、日経平均株価の月間騰落率は過去20年平均でプラス0.3%と小幅に留まっています。

・夏枯れ相場

海外の機関投資家がバカンス(夏季休暇)に入る7月から8月にかけて、株式市場全体の取引量が減ることを「夏枯れ」と呼びます。需給のバランスが悪化するため相場の方向感が失われやすく、日本株市場では特に8月前半に顕著です。

この夏枯れに備えて、7月後半から〝前哨戦的〟な動きが出ることも多く見られ、指数全体よりも個別銘柄を選別する動きが強まります。

・サマーラリー

「夏枯れ」とともに、夏相場を表す言葉としてよく言われるのが「サマーラリー」です。夏場に株価が勢いを持って上昇していく傾向を示すアノマリーで、アメリカでは、独立記念日(7月4日)を起点として9月上旬にかけて株価が上昇しやすいことで知られています。

日本株はアメリカ株高の恩恵を受けやすいため、アメリカ市場の動向次第で、日本株市場にもラリーがやってきます。

・ETF分配金捻出売り

7月上旬(8〜10日前後)は、国内の大手ETF(日経225・TOPIX連動型)の決算が集中します。決算後には分配金を支払う必要があるため、それを捻出するために保有株を売却(換金売り)する動きが数千億円規模で発生します。

そのため7月上旬は需給のバランスが悪化しやすく、それを意識した動きも出るため注意が必要です。

・米ビッグテック決算

7月後半は、アルファベット、マイクロソフト、メタ、アップルといったアメリカのビッグテックの決算発表が集中します。その内容はアメリカ市場のみならず、日本を含めた世界の株式市場にも大きな影響を及ぼします。

・4~6月期決算

国内企業の4~6月期の決算発表も7月後半から本格化します。株価は「期待」で動くものですが、決算シーズンにおいては、その期待が「正しかったのか」が検証されます。特に第1四半期決算は、その後の業績を占う重要な材料です。

第1四半期に好スタートを切った企業は第2四半期以降も好調が続くケースが少なくなく、また、会社計画に対する進捗率が高ければ、中間期や通期での上方修正期待も高まります。そして、3月期企業の場合、4~6月期が第1四半期にあたります。

2026年の7月相場はどうなる?

日経平均株価は6月に7万円台に突入しました。年初の5万円から早くも4割上昇しており、このハイペースを牽引しているのがAI関連銘柄です。

そんなAI相場は、この7月に「期待先行」から「業績確認」のフェーズに入ると見られています。米ビッグテックの決算でAI投資の継続性が確認され、国内企業の決算でも受注や利益の伸びが示されれば、AI相場は新たな成長局面へ進む可能性もあります。

一方で、夏枯れやETFの換金売りで需給が悪化すれば、指数としての方向感を欠く場面もありそうです。インバウンドや夏休み需要も含めて、テーマと業績が噛み合う銘柄を選別する視点が重要となりそうです。

・米ビッグテック決算&4~6月期決算

ビッグテック決算にあたって投資家が注目するのは、単なる増収増益ではありません。AIによる収益化がどこまで進んでいるのか、そして、巨額のAI投資(設備投資)が今後も維持されるのかが、今回の決算発表における最大の焦点です。

市場予想では、S&P500企業全体の利益成長率は前年比16%前後と高水準が見込まれており、その中心を担うのがAI関連投資です。もし各社がAI投資拡大の方針を維持し、収益への貢献も確認できれば、AI相場は第2幕へと突き進むでしょう。

国内企業の4~6月期決算でも、今年の注目はやはりAI関連銘柄です。米ビッグテックによるAI投資の行方に加えて、受注や設備投資の需要の強さが確認されれば、業績を伴う相場へと移行する可能性があります。

・夏休み需要(インバウンド・観光・レジャー)

円安基調が続く今夏は、インバウンド関連にも注目です。日本を訪れる外国人旅行者数は高水準で推移しており、ホテル、百貨店、テーマパーク、航空会社など、幅広い業種に恩恵が及びやすくなっています。

国内でも夏の休暇シーズンに入ることから、観光・レジャー需要にも期待。今年はサッカーW杯が開催されているため、スポーツ観戦や関連消費も活発化するかもしれません。

2026年7月のイチオシ銘柄5選

・ソニーグループ<6758>

AI関連と聞くと半導体企業に注目が集まりがちですが、AI時代に価値を持つのはコンテンツです。ソニーグループ<6758>はゲーム、音楽、映画といった有力IP(知的財産)を多数保有しており、AIの普及によってコンテンツ価値の再評価が進む可能性があります。

また、ソニーはイメージセンサー事業でも世界トップクラスで、AI搭載端末での需要増が期待されています。7月末予定の第1四半期決算では、金融事業の分離という特殊要因が一巡することからも、「エンタメ×テクノロジー企業」として再評価される可能性があります。

・村田製作所<6981>

7月に強い銘柄として知られる村田製作所<6981>。過去10年の7月は10連勝中です。さらに、AI相場の第1幕では半導体製造装置が主役でしたが、これから始まる第2幕では電子部品に脚光が当たると見られており、その主役候補のひとつでもあります。

村田製作所は世界トップクラスの積層セラミックコンデンサメーカーで、あらゆる電子機器に欠かせません。AIサーバーやデータセンター向け需要だけでなく、スマートフォンの高機能化も追い風となっており、AI関連の裾野拡大を象徴する銘柄と言えるでしょう。

7月後半に予定されている決算発表(第1四半期)では、受注動向や会社見通しに注目が集まりそうです。

・キオクシアホールディングス<285A>

AIの普及によりデータセンター投資は拡大を続けています。半導体が注目されがちですが、膨大なデータを保存するメモリ需要も増加中。キオクシアホールディングス<285A>はNAND型フラッシュメモリの世界大手で、市況回復の恩恵を受けやすい立場にあります。

7月末の第1四半期決算では、メモリ需給の改善や今後の需要見通しが焦点となりそうです。AI関連の本流から一歩先を見据えるなら、いまからでも注目したい銘柄です。

・ソフトバンクグループ<9984>

AI投資の拡大を語る上で外せない存在となったソフトバンクグループ<9984>。傘下の英ARMはAIサーバーやスマートフォン向け半導体設計で存在感を高めており、AI普及の恩恵を受けやすい立場にあります。

また、会長で社長の孫正義氏はAIインフラへの大型投資に積極的で、市場でも「AI投資の総本山」として評価される場面が増えています。値動きは大きいものの、ビッグテック決算でAI投資継続が確認されれば、ARMを通じた成長期待が改めて高まる可能性があります。

・良品計画<7453>

「無印良品」を展開する良品計画<7453>は、もはや単なる国内小売企業ではありません。近年は中国や東南アジアを中心とした海外事業が拡大しており、アジアの生活ブランドとしての評価が高まりつつあります。

足元では好調な決算を背景に年初来高値圏で推移していますが、その背景にあるのも、インバウンド需要だけでない海外事業の成長なのです。7月初旬に第3四半期の決算発表が予定されており、業績成長を伴う内需・アジア成長株として改めて注目したい銘柄です。

[執筆者]岡田禎子
岡田禎子
[おかだ・さちこ]証券会社、資産運用会社を経て、ファイナンシャル・プランナーとして独立。資産運用の観点から「投資は面白い」をモットーに、投資の素晴らしさ、楽しさを一人でも多くの方に伝えていけるよう活動中。個人投資家としては20年以上の経験があり、特に個別株投資については特別な思い入れがある。さまざまなメディアに執筆するほか、セミナー講師も務める。テレビ東京系列ドラマ「インベスターZ」の脚本協力も務める。日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、ファイナンシャル・プランナー(CFP) note:https://note.com/okapirecipe_555
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