株初心者必読! 株式投資を始める前に考えたい5つのこと
株式投資を始める前に
「株を買ってみたい! でも何から始めていいかわからない……損をしたらどうしよう……」と、初めは誰もが不安を感じるものです。どんなことを学んでおくことが大切なのでしょうか?
たとえば、初めての海外旅行はワクワクする反面、不安もありますので、現地の情報、旅費、旅行日程、トラブルの対処法など入念に調べるものです。また、目的があるとさらに楽しみが増えるでしょう。
このように株式投資を始めるときにも、基本的に知っておくべきことがあります。
<Point 1>目的:儲かったお金で何を実現させたいのか?
株式投資を始めるにあたり、まずは「目的」をあらためて考えてみましょう。
多くの方が預貯金より効率よくお金を増やしたい、儲かりたいという欲望で始めるもので、それは決して悪いことではありませんが、「儲かる」以外の目的を持っておくことが長続きの秘訣になります。
私が株式投資をする目的は、「資産形成」と「FPとしてお客様のため」です。私自身が株式投資で損失を出すことも利益を出すことも、すべて私の相場観となり、結果的に我が家の資産形成と、私のもとに相談に来ていただくお客様への良いアドバイスに役立つと思っています。
株式投資を始めると、これまで消費者目線でしか見えなかったことも、投資家目線・経営者目線で見ることができるようになり、経済や政治などの密接な繋がりに気付くことができます。
「株式投資をすることでどうなりたいのか?」「儲かったお金で何を実現させたいのか?」という目的が明確化していれば、自分の人生において株式投資がいろいろな意味で役に立ち、さらに人生が楽しくなります。
<Point 2>いくらまで使える? 投資に使えるお金の確認
どれくらいのお金を運用に回せるか考えましょう。
以下のことを踏まえ、貯蓄からいくら使うことができるのかをしっかりと考え、貯蓄の全額を投資に使うことはしてはいけません。
- 半年分の生活費には手をつけない(緊急予備資金の確保)
- 1~2年以内に使うことが決まっているお金は使わない
家計はしっかり守り、基本的な生活は保てるようにし、失っても困らない金額から始めることが肝心です。この機会に家計の収入と支出、資産と負債の一覧を作成するのもいいでしょう。
<Point 3>どのくらい向き合える? 投資に使える時間の確認
普段、株式投資と向き合える時間がどのくらいあるのか? それによって投資のスタイルが変わってきます。
リアルタイムで変動する株価に対応することができるくらい、常時パソコンの画面を見ることができるのであれば、デイトレードやスイングトレードも可能になるでしょう。
反対に、朝と夜、休日くらいしか株価をチェックすることができないのであれば、中・長期投資のほうが合っているでしょう。
- 1日にどれだけマーケットと向き合えるか?
- 1週間のうちどれだけマーケットと向き合えるか?
また、ライフプランから運用に回せる期間はどれだけか考えることも大切になります。
- 子どもが大学に進学するまでの○年間
- ○年後の退職時までに
- ○年後の目標達成までに
<Point 4>自己責任が大前提
団塊の世代が退職する頃、日本の株式市場は活況化し、銀行では退職金の多くが投資信託か一時払いの保険商品に流れました。しかし、その後すぐにサブプライムショック、リーマンショックと続き、株価も日本経済も冷え込んでいきました。
金融機関に勧められるまま金融商品を買った人たちは、リスク対策をとる術も知らずにただ損失を負い、そのイラだちを金融機関にぶつけるしかない……そのようなお客様を大勢見てきました。
そもそも、預貯金より多くのリターンを期待し、元本割れリスクのある金融商品を買うときは、結果的に損失が出ても誰にも肩代わりしてもらうことはできません。
投資の世界だけではありませんが、投資をするにあたっては、自己責任が大原則です。だからこそ、損失を受け入れられる金額であることと、他人の判断ではなく自分自身の判断が重要になってきます。
「優良銘柄と書かれていたから」「アナリストが言っていたから」といった他人の考えで投資をして損失が出ると、人は「騙された」と失敗を他人の責任にしてしまい、なぜ損失が出たのかを学ぶことができず、投資の腕が上達する機会を失ってしまいます。
投資は自己責任のもとで行うものだからこそ、他人の考えは参考程度に留め、なぜこの銘柄なのか、自分なりの考えをしっかり持つことが大切です。その上で損失が出たなら、学びも深まり、失敗から次の成功に導くことができるようになります。
自己責任のもとで、しっかりと地に足をつけた投資をするよう心がけましょう。
<Point 5>株式投資のリスクと対処法を知る
株式に限らず、お金の世界に「絶対儲かる」はありません。
また、「ローリスク・ハイリターンな商品はありませんか?」ともよく聞かれますが、そのような商品もありません。もしそのようなものがあれば「詐欺」ですので、十分に注意してください。
リターンとリスクは常に同じだけ存在し、どれだけ入念に明日の株価を予測しても、明日のことは誰にもわかりません。
しかし、投資を学び、経験を積み、相場観を備えてくると、損失を抑える術が身につき、チャンスもよく見えてきますので、利益を出しやすくなってきます。
株価は、上がるときは緩やかですが、下げるときはまるで滝のように下げていきます。
そのようなときにどう対処すればいいのか、リスク・コントロールを学ぶことが大切です。大きくコケるのではなく、小さくコケる技術を身につけるのです。スキーでも、最初に教わるのは「コケ方」ですが、それと同じです。
このように、知識を身につけながら経験を積んで相場観を磨いていくことが、最大のリスク対策になるのです。