トヨタやイオンはもう卒業? 中小型株という「宝の山」の魅力を解説

株式投資と始めようと思ったとき、どのような「銘柄」が思い浮かぶでしょうか? 多くの人にとって「株」といえば、トヨタ自動車<7203>、みずほフィナンシャルグループ<8411>、イオン<8267>など誰もが知っている日本を代表する企業の株、つまり「大型株」ではないでしょうか。

しかし、株はそれだけではありません。日本の上場企業は実に4,000社近く。東証1部だけでも2,000社以上の「銘柄」があるのです。

その中から自分の大切な資金を投じる企業を選ぶのは、簡単なことではありません。だから、つい「有名で」「よく名前を聞く」「だれでも知っている」ような企業の株を買いたくなるかもしれませんが、残念なことに、有名だからといって株価が上がるわけではないのです。

中小型株は宝の山

あなたの株式投資をより幅の広いものにし、これまで逃してきた利益をもたらしてくれるかもしれない、そんな「隠れたお宝銘柄」が眠っている場所……それは「中小型株」です。

とくに個人が資産形成のために株式投資を行う場合、中小型株投資が、より有利で魅力的な手法となることがあります。中小型株は、企業規模が小さいからこそ将来への成長余地も大きく、個人投資家にとっての「宝の山」となり得るのです。

一方で、中小型株ゆえのリスクも当然あり、それは決して小さくありません。そのため、中小型株を手がけるには様々な注意点もあります。

「大型」「中型」「小型」の基準

まず、どんな企業が「大型」「中型」「小型」と言われるのか、その基準を確認しておきましょう。

日本で証券取引所に上場している企業は現在、約3,700社あります。株式市場においては、企業の規模を測る際には、一般的には「時価総額」を用います。

時価総額とは、企業の価値を把握するためのもので、「発行済み株数×株価」で計算されます。そして、時価総額が2,000億円以上の銘柄を「大型株」、次に、時価総額1,000〜2,000億円の銘柄を「中型株」、時価総額1,000億円未満の銘柄を「小型株」と呼びます。

(5,000億円以上を大型株に分類する場合もありますが、本記事では2,000億円以上とします)

サイズは大きいが少数派の「大型株」

上の図からもわかるように、時価総額が2,000億円以上の大型株は、上場企業全体でわずか500社程度しかありません。2018年4月6日終値で532社です。

しかし大型株は、時価総額ベースでは全体の85%を占めています。トヨタ自動車の時価総額は約21兆円、みずほフィナンシャルグループは約4.8兆円、イオンで約1.7兆円です。

これに対して、東証2部に上場している全銘柄の時価総額をあわせても約9.8兆円、東証マザーズ全体では約5.4兆円です(いずれも2018年3月末現在)。日本を代表する大型株が、いかに「サイズが大きいか」がおわかりいただけるでしょう。

玉も石もチャンスもひしめく「中小型株」

一方の中小型株は、時価総額ベースでは残り15%を占めるに過ぎません。そこに、3,000を超える銘柄がひしめいているわけですから、まさに「玉石混交」と言っていい状況です。お宝銘柄もありますが、当然すべてがお宝になるわけでもありません。

ですが、それこそが中小型株を「宝の山」と言う理由であり、個人投資家にとって豊富なチャンスに出会える場所になる可能性を秘めています。

中小型株投資のメリット

下のグラフは、投資家のタイプ別に見た売買状況を表しています。これによると、大型株の多い東証1部は、法人(機関投資家)や海外投資家といった、豊富な資金力をもつ市場参加者による売買が多いことがわかります(日本取引所グループ発表データより筆者作成)。 

一方、「東証2部」や「マザーズ」「JASDAQ」の中小型市場では、個人投資家が圧倒的に多くなっています。

中小型株は、株価が「よく動く」

企業の規模は、株価の動きに大きな影響を与えます。たとえば、時価総額が20兆円を超えるトヨタ自動車の株価が、短期間のうちに5倍、10倍になるとは思えません。

大型株はいわゆる「有名企業」でもあるため、業績などに関する情報も豊富で、株価は適正な価格で取引され、一定のレンジ(値幅)内で上下を繰り返す、という動きになりやすいのです。

一方、サイズの小さい会社であれば、株価はよく動きます。新しいマーケットの創出や需要、企業買収による業績効果などによって、業績とともに大幅な株価上昇が起こることもあり得ます。成長性の高い銘柄であれば、株価が5倍、10倍になることも十分に考えられます。

大型株のような有名企業ではないために情報が少ないことから、企業価値と市場評価との間に歪みが生じやすくなります。そうして、割安のまま放置されている銘柄も数多く存在しているのです。それこそが「宝の山」です。

大型株は、実は「売られやすい」

大型株はグローバル企業が多いため、為替相場の変動などの外部環境に左右されやすい、という側面を持っています。日本を代表する企業であるために、外国人投資家が運用資金全体の中で日本株比率を下げようとした場合には、業績に関係なく、機械的に売られやすくなるのです。

一方で、中小型株は内需株が多いため、海外情勢や為替の動向には左右されにくいと言えます。つまり、個別の業績などに目を向けるだけでも、ある程度の投資判断をすることができます。

中小型株投資のリスク

資金量の豊富な機関投資家の影響が少なく、値動きが大きいという点は魅力的に思えますが、同時にリスクにもなります。値動きが大きいということは、大きく儲けることができる反面、値崩れして大きな損失を抱える可能性にもつながるのです。

市場参加者が少ないために流動性が低く、値動きに気を取られていると、売りたいときに売りたい価格で売れない場合もあります。どんなに株価が急上昇しても、買ってくれる人がいなければ利益を手に入れることはできません。

中小型株は、株価が業績動向に敏感に反応しやすいだけでなく、業績が大幅に悪化したときの倒産リスクが大きいことも理解しておくべきでしょう。大型株のように情報が多くないということは判断材料が少ないということでもあり、銘柄を見極める知識とスキルが必要になります。

自分の投資判断に自信がついてきた際には、ぜひ中小型株という宝の山にも目を向けてみてください。奥深い株の世界が、あなたをお待ちしています。

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2018/04/16
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トヨタやイオンはもう卒業? 中小型株という「宝の山」の魅力を解説」の著者
岡田 禎子
岡田 禎子
[おかだ・さちこ]証券会社、資産運用会社を経て、ファイナンシャル・プランナーとして独立。資産運用の観点から「投資は面白い」をモットーに、投資の素晴らしさ、楽しさを一人でも多くの方に伝えていけるよう、執筆、セミナーなどで活動中。個人投資家としては20年以上の経験があり、特に個別株投資については特別な思い入れがある。 日本証券アナリスト協会検定会員(CMA) ファイナンシャル・プランナー(CFP®)
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