暴落は海の向こうからやって来る? あの歴史的ショックから学べること

サワダ・ススム 2020/04/07

歴史に残る大暴落に学ぶ

2020年3月、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で世界中が大混乱に陥りました。世界各地で都市や交通手段が封鎖され、その打撃をもろに受ける形となった経済への懸念から、各株式市場では株価暴落の新たな歴史を作ることとなりました。

とはいえ、言うまでもなく、これまでにも人類はさまざまな暴落を経験しているわけです。この機に、過去の暴落について具体的にどんなものだったのかを知ることで、次なる暴落に向けたヒントを得られるかもしれません。

・日経平均株価の下落率トップ10

以下は、日経平均株価の下落率トップ10です(2020年3月末時点)。ご覧いただくとわかるように、今回のコロナショックは(まだ)ランクインしていません。

順位  
1 1987年10月20日 21,910円08銭  −14.90%  
2 2008年10月16日 8,458円45銭  −11.41%  
3 2011年03月15日 8,605円15銭  −10.55%  
4 1953年03月05日 340円41銭  −10.00%  
5 2008年10月10日 8,276円43銭  −9.62%  
6 2008年10月24日 7,649円08銭  −9.60%  
7 2008年10月08日 9,203円32銭  −9.38%  
8 1970年04月30日 2,114円32銭  −8.69%  
9 2016年06月24日 14,952円02銭  −7.92%  
10 1971年08月16日 2,530円48銭  −7.68%  

もはや歴史となった暴落から、生々しい記憶が甦る暴落もありますが、アメリカ発で起こった4つの暴落について、一体どんな暴落だったのかを振り返ってみます。

アメリカ発、世界的大混乱

世界最大の大暴落|ブラックマンデー

世界的な大暴落としてもっとも有名なものが、1987年10月19日(月曜日)に発生した「ブラックマンデー」です。

香港が発端となって発生した株価の大暴落で、ダウ平均株価は22.6%もの下落を記録しました。その影響を受けて、日経平均株価も14.90%下落の3,836円48銭安となり(10月20日)、下落率・下落幅ともに現在でも過去最大の大暴落です。

その他の国でも猛威を振るうことになった世界同時株安によって、全世界で約1兆7000億ドルの損失が発生したといわれています。

ブラックマンデーの直接の原因については現在でも議論の対象となっており、西ドイツが強行した利上げが原因とする説や、80年代にアメリカが抱えていた双子赤字(貿易赤字+財政赤字)が原因とする説、当時導入されていた自動売買システムが原因とする説……などがあります。

言い換えれば、人類の歴史に残る大暴落だったにもかかわらず、明確な原因はいまだに特定されていない、ということです。

記憶に新しい世界金融危機|リーマンショック

まだまだ記憶に新しい「リーマンショック」。2008年9月15日にアメリカの投資銀行大手リーマン・ブラザーズが経営破綻を起こしたことをきっかけとして発生した世界的な金融危機です。

リーマンショックの大きな特徴の一つとして、株価が「急落」したわけではない、ということが挙げられます。実はリーマン・ブラザーズが倒産した直後でも、ニューヨーク市場の下落率は10%程度にとどまっていました。

しかしながら、その後、過去に例を見ない最大規模の経済政策が実施されたにもかかわらず、経済は一向に回復の兆しを見せず、株価はさらに40%も下落することになったのです。

実際、日経平均株価は9月16日終値の時点では11,610円でしたが、10月末には6,994円まで下落することになります。なかでも10月16日は、一日で11.41%(1,089円02銭安)という大暴落を見せ、ブラックマンデーに次ぐ下落率となりました。

その前後も含めて、日経平均株価が10%近く下落する日が計4日も発生するなど、日本市場にも大混乱を巻き起こすことになります。

リーマンショックの原因は、アメリカの住宅バブルの崩壊に加え、さまざまな資産価格の暴落が発生したこと、とされています。しかし実際のところは、金融商品や投資銀行の安全神話が崩れ、投資家たちの資産の投げ売りが連鎖した結果として発生した歴史的大暴落だともいわれています。

突然の金ドル交換停止|ニクソンショック

1971年8月16日、ニクソン米大統領が発表した経済政策によって発生したのが「ニクソンショック」です。このときも、日本の株価は大きく下落しました。

アメリカドルを守るための経済政策として、突如発表された「ドルと金の交換の一時停止」により、世界経済に甚大な影響を与えることになりましたが、アメリカ市場では好材料として判断され、ダウ平均株価は32.93ドル上昇。当時の最高の上げ幅を記録しました。

その一方で、ニクソン大統領の声明発表時に株式市場がすでに開いていた日本では、大いなる混乱を招く結果に。日経平均株価は7.68%という高い下落率(史上10位/210円50銭安)を記録することになりました。

アメリカに金融政策に振り回されるのは、なにも21世紀なってからのことではないようです。

予想外の大統領誕生!|トランプショック

2016年11月9日(日本時間)、ドナルド・トランプ氏が新しくアメリカ大統領に選出されたことによる衝撃から、世界市場に混乱が巻き起こったのが「トランプショック」です。下落率上位には入っていませんが、アメリカ発の、まさに「ショック」と呼べる出来事でした。

不動産王として知られていたものの、政治経験が全くなく、選挙期間中に過激な発言を繰り返したトランプ氏が、まさかの大統領に。アメリカは一体どうなってしまうのか……と先を見通すことが難しくなり、世界中にある種の「不安」が広がりました。

それゆえ、開票が行われている最中に開いていた国の市場は大幅に下落することに。東証では、日経平均株価が一時1,000円以上も下落し、最終的には225銘柄が全面安の5.4%下落(919円84銭安)を記録します。

しかしアメリカでは、未知なる大統領の誕生と、勝利宣言の内容に対する期待が高まったことから、翌日の株価は急上昇。つまり、アメリカでは暴落は起こらなかったのです。そして、そんなアメリカにつられるようにして、翌日の日本市場でも前日の下げ分を取り戻すほどの上昇となりました。

多くの投資家・トレーダーに「こんなショックもある」という教訓を残した一件として、これからも語り継がれそうです。

相場に暴落は付き物

暴落が発生する要因はさまざまですが、確かに言えることは、「いつかは暴落する」ということではないでしょうか。少なくともそう思っておけば、「まさか暴落するなんて!」とパニックにならずに済みそうです。

それでも、暴落相場に対応できなければ、そのまま退場を余儀なくされるかもしれません。そうならないためには、何が起きても対応できるように、普段から正しい知識と適切なスキルを身につけるよう意識しておくことが大切なのだと、この緊急事態に改めて胸に刻みましょう。

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[執筆者]サワダ・ススム
サワダ・ススム
40代突入を目前に控えたサラリーマン兼トレーダー。ウェブや書籍などを通じて、日々トレードについて勉強しては実践する日々。現在はおこづかい程度の利益しか出ていないが、2年後にはサラリーマン生活に「お疲れさまでした」と別れを告げ、トレード一本で生活していきたいと本気で考えている。
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