9月の株価はどうなる? 秋の恒例イベントで急騰する銘柄とは?

岡田 禎子 2019/08/26 8:00
まだまだ夏枯れ相場の様相が続く……というのが9月の株式市場のパターンですが、実はこの2年はいつもと違う動きを見せました。波乱が多いとも言われる9月相場の特徴と、気をつけておきたい外部要因、さらに、上昇が期待される銘柄群についてもご紹介します。

9月相場は波乱が多い?

9月の株式市場は世界的に株安となりやすい、波乱の多い月です

夏枯れ相場がまだまだ続く中、国内景気が失速しやすい時期に入り、さらに3月決算企業の期末を控えて決算対策の売りも出やすくなります。

機関投資家も中間決算期末となり、期末に向けて株を売るなどポジション整理の動きとなります。台風など自然災害も多い時期となり、相場全体が軟調となりやすいのが特徴です。

その一方で、恒例イベントが相次ぐ月でもあり、日経平均株価の銘柄入れ替えや東京ゲームショウに収益チャンスへの期待が高まります。

需要より供給のほうが多い月

9月は機関投資家にとって重要な月になります。国内の機関投資家の多くは3月から翌年4月までを事業年度としており、9月末は中間決算期末にあたるためです。

年の前半戦の結果を受益者に報告する必要があり、少しでも良い運用成績を報告しようとするのは人の心理で、9月末までに少しずつ株を売却して利益を確定するなど、ポジションの整理をしていきます。

機関投資家も株を積極的に買わず、特に買う材料も見当たらない中、需要より供給のほうが相対的に多くなるために、9月は株価が下がりやすい月となっているのです。

外部環境の影響で左右されることも

このように株価が下がりやすい9月ですが、2017年、2018年は少し様子が異なりました。

2017年は、初旬こそ北朝鮮問題で株価が大きく下落しましたが、中旬に「衆院解散・総選挙へ」との報道が出た後は株高となり、日経平均株価は2万円台を回復するなど1か月で1,000円以上の上昇となります。

2018年は、米中貿易摩擦への過度の警戒感が後退したことから、アメリカ市場はダウ平均株価、S&P500指数ともに史上最高値を更新し、それに伴って日経平均株価も上昇、月末には24,286円と27年ぶりの高値をつけました。

このように、ここ2年は初旬に底を打って、その後に上昇する展開となりました。ただし、いずれも外部環境が要因であり、基本的には下がりやすい月だと認識しておきたいところです。

(Chart by TradingView

中間決算の行方にも警戒を

また、3月期決算企業は9月が中間決算期末となりますので、企業としても今期の業績見通しに対して弱気の場合には、中旬あたりから下方修正が出やすい時期でもあります。

ちなみに2019年は、第1四半期の時点で72社(3月期決算企業のうち)が通期の当期利益予想を下方修正しており、特に製造業が厳しい状況となっています。

その後も、米中貿易摩擦による世界景気の下押し懸念や円高の進行から、企業業績に対する不安は高まっており、警戒感を持つ必要があると言えるでしょう。

秋の恒例イベントに大注目

日経平均の銘柄入れ替えで上がる株・下がる株

9月初旬には日経平均株価の定期銘柄入れ替えが発表されます。日本を代表する225社で構成される日経平均株価は、認知度も、それに連動する資金量も大きいため、銘柄の入れ替えは秋の一大イベントと言えます。

例年9月の第1週に対象銘柄が日本経済新聞社から発表され、10月の第1営業日に入れ替えが実施されることになります。これに伴って、同指数に連動しているファンドのリバランス(銘柄入れ替え)が、9月30日の大引にかけて実施されることになります。

新規採用された銘柄は、ファンドなど機関投資家に大きく買われ、除外された銘柄は大きく売却されるため、どちらも株価が動くことになり、ここに収益のチャンスが生まれます。

2019年は、新規採用候補として、ZOZO<3092>、エムスリー<2413>、カカクコム<2371>、任天堂<7974>など、除外候補には、東京ドーム<9681>、日本化薬<4272>などが挙げられています。

(参考記事:秋の恒例イベント・日経平均の銘柄入れ替え で、株価への影響は?

今年もやっぱり東京ゲームショウが熱い?

2019年9月12日~15日には「東京ゲームショウ2019」が開催されます。

コンピュータゲームをはじめとするコンピュータエンタテイメント全般に関する総合展示会で、すでに20年以上の歴史があります。2019年は669の企業・団体が出展予定で、2018年の29万8690人を上回る過去最大規模の来場者数となる見通しです。

例年この時期が近づくと、株式市場ではゲーム関連銘柄に先回り買いが見られます。クリスマスや年末商戦に向けて家庭用ゲーム機メーカーが新商品を披露したり、スマートフォン向けのゲーム企業が新作の情報を発信したりすることから、何らかのサプライズがあれば株価が急騰することもあるためです。

2019年は、eスポーツの本格普及を見据えたイベントや5GAIなに関するプログラムも予定されており、投資家の関心を集めそうです。

【代表的なゲーム関連銘柄】
  • カプコン<9697>……家庭用ゲームソフト開発大手。「モンスターハンター」「ストリートファイター」など人気作品を多数持つ。eスポーツ事業も本格展開し、「カプコンeスポーツクラブ」を新設。
  • 任天堂<7974>……ゲーム機メーカー最大手。2019年9月に新型「スイッチ」の発売で販売拡大。中国市場への参入にも期待。
  • スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>……ゲーム大手。「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」軸に多面展開。2019年7月に投入した「ファイナルファンタジーXIV」が好調で業績拡大期待も。eスポーツ事業にも注力。

地震・台風……そのとき、どうする?

9月は自然災害に襲われやすい月でもあります。2018年は北海道胆振東部地震や台風21号、24号などが発生し、大災害をもたらしました。

自然災害が起きると様々な銘柄に影響を及ぼします。上がる銘柄もあれば下がる銘柄もありますが、特に「復興関連銘柄」は株価が大きく上昇する可能性があります。

代表的なのは、インフラ整備に携わる建設・土木関連銘柄です。地震や台風によって大きな被害が発生した場合、復旧・復興のための公共事業が行われるためです。

また防災意識が高まることから、防災関連サービスや、防災グッズ関連、気象情報サービス、といった銘柄も株価上昇が期待されます。一方、被災地に本社や工場がある企業、電力や鉄道といったインフラに関連する企業などは株価が下がりやすくなります。

・応用技術<4356>

トランスコスモス系の業務効率化ソフトが主力の会社で、防災環境解析に定評があります。2018年7月の西日本豪雨、9月の北海道胆振東部地震や台風21号、24号などの災害が相次いだことで、自治体の防災コンサルが増加するとの期待感から、2018年9月の株価上昇率は55%以上に達しました。

(Chart by TradingView

災害対策は日頃からの備えが肝心

自然災害はいつ起こるかわかりませんし、発生してから物色していては高値掴みとなる可能性もあります。これらは現政権が掲げる国土強靭化政策の関連銘柄として再注目される可能性もありますので、日頃からチェックしておくといいかもしれません。

【復興関連・防災関連の代表的銘柄】
  • ショーボンドホールディングス<1414>……橋梁、道路などコンクリート構造物補修で独自の強みを持つ
  • ライト工業<1926>……法面・地盤改良・薬液注入工事に強い特殊土木会社
  • ウェザーニューズ<4825>……防災気象サービスを行う民間気象情報では最大手
  • 能美防災<6744>……セコム系列。防災機器メーカー最大手。防災グッズの販売も

魔物とも仲良くするには

彼岸底」という格言が株式相場にあるように、9月は株式相場が下がる傾向にある月です。また「秋には魔物が棲む」とも言われており、外部環境しだいでは波乱の起こる可能性もあります。

しかし見方を変えれば、年末へのリバウンドに向けて大型株を仕込む絶好のチャンスとも言えます。また、日経平均株価の入れ替えや東京ゲームショウなどイベントでも株価が動く傾向にあります。

逆境をネガティブに受け取るか、チャンスと捉えるか。投資家としての心構えが試されるのが9月相場の醍醐味と言えるかもしれません。

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2019/08/26
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[執筆者]岡田 禎子
岡田 禎子
[おかだ・さちこ]証券会社、資産運用会社を経て、ファイナンシャル・プランナーとして独立。資産運用の観点から「投資は面白い」をモットーに、投資の素晴らしさ、楽しさを一人でも多くの方に伝えていけるよう活動中。個人投資家としては20年以上の経験があり、特に個別株投資については特別な思い入れがある。さまざまなメディアに執筆するほか、セミナー講師も務める。テレビ東京系列ドラマ「インベスターZ」の脚本協力も務める。 日本証券アナリスト協会検定会員(CMA) ファイナンシャル・プランナー(CFP®)

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