プロはここを見ている! 株式市場の「時間割」を極めよう
株式市場の時間割とは?
株式市場に「時間割」があることをご存じでしょうか? 株経験のある人なら、朝9時からスタートして15時に終了、11時半〜12時半はお昼休憩ということはご存じだと思います。しかし、実はもっと細かい「株式市場の時間割」があるのです。今回は、プロとしての私の経験も踏まえて、ご説明いたします。
日本には4つの証券取引所が存在します。しかしながら、上場企業の数と売買シェアの高さから、発注先の99%以上が「東京証券取引所」になると思われます。そのため今回の記事でも、主要マーケットである東京証券取引所のお話をします。
さて、マーケット(株式市場)では上の図のとおり、休憩時間を除く前場(ぜんば=9時〜11時半)と後場(ごば=12時半〜15時)の時間帯で株式を購入することができます(※土日・祝日は休場/大発会(新年の取引開始日)、大納会(年末の取引最終日)も同様の時間帯)。
学生やサラリーマンなど一般投資家に該当する方々の大半が、この取引時間を知るとガッカリしてしまいます。その理由は、株式の取引時間が学業や就業時間と重なっているからです。
平日の昼間ですから、マーケット内も同じように仕事関係者でごった返しています。しかし、現代のマーケットは電子取引なので、人の代わりに絶え間ない注文が溢れています。その様子は、魚や青果等の卸売市場と比べて、まったく違う印象を持たれると思います。
そして、私たち個人投資家の注文は、学校や会社へ出向く頃、つまり取引開始にあたる朝9時頃に集中することがわかります。したがって、マーケットを「時間割」で区切ると、この1時限目を「みんなが株式を買う時間」と定めることができます。「みんな」という言葉には、私たち以外にも株式取引を仕事としている国内外の機関投資家(法人の投資家)が含まれています。
このように、マーケットの参加者やその注文の性質は、時間帯によって異なってくるのです。
それでは、2時限目や3時限目はどういった時間割なのでしょうか? 学校や会社からの帰り道でしか終値をチェックできない個人投資家の方々では、なかなか垣間見られない部分ですので、ここに私のプロとしての経験を踏まえて整理しておきたいと思います。
株式市場の一日の流れ
09:00〜10:30 1時限目「みんなが株式を買う時間」
マーケットが開場する1時限目には多くの注文が集まります。
時間に余裕のある個人投資家や機関投資家の発注は、前日から早朝にかけて配信された海外動向や各銘柄のニュースに基づいたもので、その買いと売りの発注枚数が一致した価格で一斉に取引がスタートします。
東京証券取引所に上場する約3500銘柄の取引が一日で最も活気づく時間帯であり、大きなエネルギーが一点に集中することから値動きが荒くなることが多いです。
そのことから、「長期投資」より「デイトレードをするような短期売買」をする参加者が注目する時間帯となります。極端な例で言えば、9時から9時半までしか取引をしないと決めているトレーダーも存在します。
10:30〜11:30 2時限目「海外市場を警戒する時間」
1時限目の熱が少し冷める頃ですが、2時限目の投資家は、また別の売買機会に神経を尖らせています。
というのも、この時間帯から上海・香港といった中国マーケットが開場になるのです。よって、2時限目からは日本と中国のマーケットが互いに影響し合って進むことになります。
中国マーケットが大きく上下に振れると、日本のマーケットも追従するように動くことになります。その際、日本の主力銘柄に売買が集中しますので、機関投資家の商いが中心となる時間帯と言えるでしょう。
12:30〜14:00 3時限目「冷静になる時間」
お昼休みを終えて、この頃にはすべてのニュースが出そろっています。
そして、日本市場と交代するように中国マーケットが休憩に入るので、投資家たちは前場の値動きを冷静に振り返る時間となります。短期投資家は手を休めていることでしょう。
マーケットを見渡すと、上昇した銘柄や下落した銘柄がはっきりしているので、この時間から中・長期投資を意識した一般投資家や機関投資家が参加してきます。
さらに、各自が注目する銘柄の場が引ける直前に付ける終値(おわりね)をイメージするのも、この時間帯からになります。
14:00〜15:00 4時限目「思惑が交錯する時間」
中・長期投資家にとって日中の値動きは関係ありません。
それは、前場で持ち株が高騰して利益が出ていても、後場で下落してしまうと含み損になる可能性があるからです。つまり、今日いくら上がったのか、下がったのかという判定は終値に持ち込まれるわけです。
一方でマーケットには、上昇して終わらせたくない投資家もたくさんいますので、終値をめぐる争いは場が引ける直前まで続きます。
そして、この4時限目は、1時限目に続いて2番目に出来高が多い時間帯なので、各銘柄に値動きが発生します。よって、値幅を取って利益を上げるために短期筋の投資家も参加する時間帯となります。
商品の数だけマーケットは存在する
みなさんの投資スタイルは、どの時間割に該当したでしょうか? 金融商品の数だけマーケットは存在しますが、前場と後場に分かれるいかなるマーケットにおいても、ここで紹介した時間割を同じように当てはめて使用することができるでしょう。
マーケットには多くの投資家が参加しています。彼らはそのとき何を考え、何を思っているのか、そして、どんな時間的サイクルを過ごしているのか。そんなことも考えながら取引を楽しんでみてください。