メルカリ、ZOZO、ソフトバンク… 2018年の株式市場をにぎわせた銘柄たち

かぶまど編集部
2018年12月26日 8時00分

株価はまだまだ気の抜けない動きをしていますが、2018年の株式市場もまもなく終わります。そこで、かぶまど執筆陣に「今年いちばん印象に残った銘柄」を選んでもらいました。一年間の日足チャートとともに振り返ります。

期待外れに終わった4銘柄

・メルカリ<4385>

2018年のマザーズ新規上場の中で最も注目されたユニコーン銘柄。6月19日、公募価格3,000円を大きく上回る初値5,000円で寄り付き、その日の終値ベースでは時価総額7,200億円に達した。しかしながら、そこからはチャートの通り。初値で売り抜けた投資家に軍配が上がった形となった。

期待が高すぎた大型上場。株価は公募価格を66%を上回り、6,000円のストップ高まで上昇したが、その後は上場日天井に……。初値が高すぎるとその後は値崩れしやすい、というIPOのセオリー通りとなってしまいました。(岡田

今年は新興企業にとっても厳しい年でした。マザーズ指数も1月の高値1367.86ポイントから750ポイント近くまで4割以上も下落。ユニコーン企業(未上場で評価額が10億ドル以上)の上場として注目を集めた同社も、上場後は一貫して下げ続けています。マザーズ指数の下げを加速させた要因のひとつとして記憶に残っています。(山下)

・ZOZO<3092>

2018年3月期の決算発表で中期事業計画を発表し、2020年度には営業利益900億円という目標を打ち出した。成長への期待感から株価は7月には4,875円まで上昇し、時価総額1兆円超えを達成したものの、第1、第2四半期ともに営業減益、11月21日には2,133円まで下落。ピーク時の半分以下になっている。

成長ストーリーが崩れた格好のZOZO。PB事業はZOZOスーツの発送遅延など混乱、中計の達成には同事業の成功が欠かせないため、どう立て直せるのかが今後を左右する。(岡田

2018年は前澤社長の年と言ってもいいかもしれません、ぴったりフィットする採寸用タイツ(ZOZOスーツ)をはじめ、2BスーツやZOZOヒートなども話題になりました。また、剛力彩芽さんとのオープンな交際や球団運営への意思表明、月に行く!など話題に事欠かない1年でした。(川島

・RIZAPグループ<2928>

次々とM&Aを行ってきた同社だが、元カルビー会長兼CEO(最高経営責任者)の松本晃氏を経営陣に招いたことで路線を変更。11月19日に発表した2018年4〜9月期の最終損益が85億円の赤字となり、1月末に1,099円だった株価(分割調整後)は、12月25日には155円と85%以上も下げた。

子育てやら引っ越しやらで、まだ「はじめての株取引」をできていない私ですが、いろんなジャンルの企業を多数買収していた同社には注目していました。ところが、赤字に転落とのニュースが! 買収によって何が成功して何に失敗したのか気になっています。そういえば、最近はCMも見かけないなぁ……(コガ

・ソフトバンク<9434>

(JPXホームページより上場当日の5分足チャート)

12月19日、東証1部に上場。上場による調達金額は約2.6兆円と、日本国内では史上最大規模。世界でも、中国のアリババ集団が2014年に米ニューヨーク市場への上場で記録した史上最高額に次ぐ規模となった。だが株価のほうは、公募価格1,500円を下回る1,463円で初値をつけた後も下がり続け、終値は1,282円と15%も下回る結果となった。

あいにく現在は株から離れているので、自分自身の売買を伴った感想ではないのですが、それでも、ソフトバンクやメルカリといった企業のIPOは印象に残っていますね。(長嶺

期待に応えてくれた4銘柄

・資生堂<4911>

国内外の化粧品販売の好調とインバンド需要で、6月には上場来最高値の9,250円をつけた。

9,000円台をつけたのは驚いた。アジアにおける強いブランド力の確立で、次の段階(収益拡大フェーズ)に入ったのだと確信。業務用化粧品事業から撤退し、一般消費者向け化粧品事業に経営資源集中するなど、勝てる戦略への魚谷雅彦社長の経営手腕に注目していきたい。(岡田

・UUUM<3990>

2017年8月にマザーズへ新規上場。今年7月に発表された2018年5月期の決算発表で、経常利益が前期比2倍の7億300万円となり、業績の急拡大が確認された。動画広告市場の成長への期待感から同社株は上昇局面に入り、7月には1,600円台だった株価が12月20日には4,635円まで伸びている。

これぞ業績拡大を伴った成長株ストーリー!と思えた銘柄。HIKAKIN(ヒカキン)などの人気ユーチューバーを数多く抱える同社は、動画広告市場を追い風に上値追いが続きそう。(岡田

・ALBERT<3906>

人工知能やディープラーニングを活用したビッグデータ分析に強みを持つ同社。トヨタ自動車と自動運転分野で、東京海上日動火災保険と保険商品で、KDDIとは通信業務で資本提携するなど、大手企業との提携によって様々な分野における人工知能の活用が広がっている。11月29日に上場来高値となる16,730円をつけた。

苦戦を強いられたマザーズ指数と正反対に右肩上がりの上昇を続けた同社は異彩を放ちました。PER300倍、PBR28倍など指標面では割高感が否めないものの、来年以降も人工知能のテーマが続くかどうかも含めて注目しています。(山下)

・ラクスル<4384>

印刷物の通販サイト「ラクスル」の運営会社で、5月31日のマザーズへ新規上場。初値は1,645円で公募価格の1,500円を9.7%上回った。その後も株価は伸び、9月26日に3,930円の高値に。

[執筆者]かぶまど編集部
かぶまど編集部
無防備なまま株式市場に参加して大切なお金をなくしてしまう人をひとりでも減らしたい──そんな思いから、未来の株価や相場を予測するのではなく、過去の事例やデータといった「普遍的な事実」に焦点を当てた記事を発信します。同時に、株初心者の方や、これから株を本気で始めようとしている方にもわかりやすい解説を心がけています。
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