ディップ、ZOZOにドル円も… アベノミクスが投資家に残したもの

株窓編集部 2020/09/16

《多くの投資家・トレーダーに様々な経験と思い出を残したアベノミクス。その終焉にあたって何を思うのか。「株の窓口」執筆陣が振り返ります》

アベノミクス下で注目を集めた新テーマ

岡田禎子

人材サービス関連銘柄

アベノミクスで打ち出された「一億総活躍社会」というテーマによって、人材サービス関連銘柄が注目されました。

なかでもディップ<2379>は、AKB48を起用した「バイト探しはバイトル」の印象的なCMで若者の心を掴みました。そして、仕事探しがスマホに移行するという時代の波に乗る形で、株価は40倍近くまで上昇、大出世銘柄となりました。

「旬のタレントを使ったCMが面白いな」と思って注目していた銘柄ですが、新しい市場の拡大とはこういうことなのだ、とまさに目の当たりにした銘柄です。

・EC関連銘柄

アベノミクス下で急拡大したのがEC市場です。スマートフォンの普及や共働き世帯・単身世帯の増加、ECの取り扱い品目の拡大など様々な要因が重なり、2013年度は11兆円だった市場規模は、2019年は19兆円となっています。そんなEC市場拡大に伴い、EC関連銘柄も大きく上昇しました。

工具・工場用品通販のMonotaRO<3064>や、「ゾゾタウン」を手がけるスタートトゥデイ(現・ZOZO<3092>)などは、ECサイトという新しい市場の代表的銘柄。マーケットでも業績の絶好調さで注目を集め、アベノミクスの間に株価はそれぞれテンバガー を達成しています。

特にZOZOは、創業者の前澤友作氏の個性的なキャラクターも話題になり、雑誌やテレビなど様々なメディアで特集が組まれました。何度か取材にうかがったこともあって、決算説明会は毎回必ず実況中継で観るなど、「今度は何を始めるのかな?」と期待で胸がワクワクする経験をさせてくれた銘柄です。

Zホールディングス<4689>による買収劇など、最後までアッと驚かされました。

アベノミクスと言えば、ドル円と日経平均

川島寛貴

・ドル円

アベノミクスで印象に残っている銘柄といえば、なんといっても「ドル円」だ。

当時、為替のほうがメインであった私は、2013年1月に75円だったドル円が2015年には、たった2年と少しで120円まで急上昇していく様子を目の当たりにした。実に45円(+60%)も上がったのだ。

これには、下げ相場(円高)に慣れ切って頭まで冷や水に浸かっていたトレーダーとして、頭の切り替えに大いに苦しんだ。だが、変化に対応できるスピードを求められるのが相場の常だ。このときのドル円は、そのことを改めて教えてくれた。

・日経平均株価

2012年11月から2013年5月まで急上昇を続けた日経平均株価。まさにこれこそ、アベノミクスという名にふさわしい上げっぷりだった。

8,000円から16,000円手前までの倍増の中、やっと買いポジションを持ったところで一時的な急落に足をすくわれたのも、今となっては良い思い出。上げ続ける相場にも必ず急落はある

こうして振り返ってみれば、アベノミクスとは、トレーダーにただ大きな利益をもたらしただけでなく、相場で生き続けるための数々の教訓もまた授けてくれたのだろう。ここに改めて礼を言う。ありがとう、アベノミクス!

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[執筆者]株窓編集部
株窓編集部
無防備なまま株式市場に参加して大切なお金をなくしてしまう人をひとりでも減らしたい──そんな思いから、未来の株価や相場を予測するのではなく、過去の事例やデータといった「普遍的な事実」に焦点を当てた記事を発信します。同時に、株初心者の方や、これから株を本気で始めようとしている方にもわかりやすい解説を心がけています。 →この執筆者の記事一覧へ

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