4月の株価はどうなる? 12年に一度の大イベントで急騰する銘柄とは

意外と知られていないのですが、株式相場にはお決まりの「パターン」があります。月ごとの特徴や株価を動かすイベントを熟知しておけば、無駄な損失を回避し、大きなチャンスをつかめます。2019年の4月には12年に一度の大イベントも。一体どんな銘柄に注目すればいいのでしょうか。

「4月相場は強い」

4月は一年を通じて株式相場が最も賑やかになる月です。海外ファンド勢の第2四半期入りや、国内機関投資家の運用開始で、新規マネーが流入しやすく、株式相場が盛況となる傾向があるからです。

また、下旬からは3月期決算企業の決算発表シーズンとなり、好業績の銘柄に注目が集まります。さらに、春は「バイオ祭り」が起きやすいことが広く知られていますし、2019年は統一地方選挙も行われるので、それらの関連銘柄からも目が離せません。

(参考記事:最も株高・株安になりやすいのは何月? 意外と知らない株式相場のパターンとは

外国人投資家は4月に日本株を買う

外国人投資家は、過去10年連続で4月に日本株を買い越しています。その背景としては、4月は日本の機関投資家の運用開始月なので新規資金が流入しやすく、それに合わせて海外ファンド勢が日本株の運用に力を入れる傾向にあること、また、3月に得た配当金を再投資に回していることなどが挙げられます。

加えて税制面でも、アメリカでは2月から5月にかけて個人投資家に税金が還付されることから、その資金がアメリカ市場に向かって相場を下支えした結果、日本株も買われやすくなる、という傾向があります。

新規マネーの流入で株価も上昇傾向に

もちろん、外国人投資家が買い越しだからと言って、必ずしも株価上昇が伴うとは限りません。ですが、4月は外国人投資家の新規マネーの出動によって上昇傾向が最も強い月だと言うことはできそうです

実際、過去3年の4月の日経平均株価を見ると、2016年は日銀の追加緩和見送りで月末に大きく値を下げたものの、全体的には月末にかけて上昇する傾向が見て取れます。

(Chart by TradingView


(参考記事:株価に大きな影響を与える「外国人投資家」とは何者か? その動向を探る

好決算銘柄は発表“前”に見つける

日本の上場企業の多くが3月末決算です。そのため4月から5月中旬にかけて続々と決算発表が行われます。一般的には、決算内容が会社予想や市場コンセンサスより良い場合には株価は上昇し、悪い場合には株価は下落します。

その傾向をうまく利用して、「好業績が予想される銘柄に先回りで投資する」という戦略があります。

好業績銘柄を「先回り」で探す方法

どうやって「先回り」をするのかと言えば、ポイントは「業績予想の修正」です。

上場企業は、決算発表の際に業績予想を発表していますが、その予想値から一定程度以上の乖離がある場合には、速やかに「業績予想の修正に関するお知らせ」の発表を行わなくてはいけない、というルールがあります。

具体的には、以下の基準にあてはまる場合に修正が出されます(この基準に該当しない小幅な修正の場合でも、会社側の意向で修正が行われることがあります)。

  • 売上高に10%以上の増減があった場合
  • 営業利益・経常利益・当期純利益に30%以上の増減があった場合

この業績予想の修正で「上方修正(事前予想より高くなる)」を出した銘柄は、その後、株価が急騰する傾向にあります

例えば、第3四半期までの利益の進捗率が会社予想(通期)に対して高く、かつ過去平均よりも高ければ(銘柄によっては季節性のため収益に隔たりがあるため)、本決算発表までに上方修正が出される可能性が高いと言えます。

・伯東<7433>

伯東<7433>は、半導体などの電子部品や機器の卸販売を行う会社です。同社は2018年の第3四半期までの時点で、会社目標に対する経常利益の進捗率が87.2%でした(過去5年の平均は75%程度)。

そこで、3月30日に従来予想の33億円を35億円へと上方修正。そして、4月27日の本決算発表では来期予想を20%以上の増益とし、さらに配当金の増額も発表されました。これを受けて、株価は3月末から20%以上も上昇しました。

(Chart by TradingView

ただし、好業績なのに下落するなど、決算発表時の株価の動きには銘柄によってクセのようなものがあります。過去の決算発表時にどのように動いているかや、その他の注意点も必ず確認しておきたいポイントです。

(参考記事:決算発表で株価はどうなる? 決算シーズンを生き延びるために知っておきたいこと

選挙関連は12年に一度のフィーバー?

4月は春の統一地方選挙が行われる時期でもあります。

2019年は、4月7日に知事・道府県議会議員・政令指定都市の市長および議員の選挙が、それ以外の市区町村首長および議員選挙は4月21日に行われます。株式市場では、選挙が追い風となって業績への恩恵が見込まれる「選挙関連銘柄」に注目が集まりやすくなります。

例えば、選挙に使うハガキ印刷会社や封筒メーカーのイムラ封筒<3955>、ネット世論調査を行うGMOリサーチ<3695>やテレマーケティングのりらいあコミュニケーションズ<4708>、広報支援のプラップジャパン<2449>や、選挙報道で注目の「ニコニコ動画」を運営するカドカワ<9468>、開票作業や出口調査を行う人材派遣のパソナグループ<2168>などが挙げられます。

・ムサシ<7521>

ムサシ<7521>は、選挙関連の機材や用具の総合トップメーカーです。投票用紙読み取り分離機においてはシェア約8割を占めています。その高いシェアから選挙時には特需が期待され、2017年10月の衆院選前には株価が急騰しました。

(Chart by TradingView

特に2019年は、統一地方選後に参議院選挙も控えています。この2つの選挙が同年に行われるのは、実に12年に一度。選挙関連銘柄は「テーマ株」として意識され、継続的に資金が流入する可能性があると言えるでしょう。

(参考記事:AI、5G、自動運転車に缶詰も? トレンドに乗って大きく稼ぐ「テーマ株投資」の極意

桜だけでなく「バイオ」にも注目

春は、医学・薬学系の学会が数多く開かれるシーズンです。そのため医薬品やバイオ関連の銘柄が注目され、いわゆる「バイオ祭り」が起きやすくなります。

学会での発表は開発レベルの新薬などが多いため、企業の収益には直結しないケースがほとんどですが、バイオ関連銘柄の場合は目先の業績ではなく、現在の開発品が将来生み出す(であろう)収益への期待感から買われやすくなるのです

とくに赤字のバイオベンチャー企業の株価は、業績よりも学会報道などに反応しやすい傾向にあります。直近では、アンジェス<4563>やオンコリスバイオファーマ<4588>などが急騰しています。

4月から6月にかけては有力学会が目白押しですので、こうした視点で銘柄を探してみるのも面白いでしょう。

2019年の主な医薬学会スケジュール(参考)
  • 4月15〜17日:日本リウマチ学会
  • 5月9〜11日:日本病理学会
  • 5月9〜11日:日本化学療法学会
  • 5月16〜17日:癌免疫外科研究会
  • 5月23〜25日:日本糖尿病学会
  • 5月30〜31日:日本肝臓学会
  • 6月21日:日本癌局所療法研究会
  • 6月28〜30日:日本透析医学会

春の嵐への用心も忘れずに

こうして見ると、4月は春らしく、株式相場も元気づく月だと言えそうです。

しかしながら、株式相場に絶対はありません。新年度に日経平均株価がいきなり急落するようなことがあれば、市場心理が不安の方向に引っ張られ、波乱の幕開けとなることも十分に予想されます

どちらに転んでも臨機応変に行動する──これが、大きな損失を出さないために不可欠な姿勢です。株価の動きのパターンを理解し、自分なりの戦略を立てることで、大きな利益を手にするチャンスも生まれます。

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2019/03/29
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[執筆者]岡田 禎子
岡田 禎子
[おかだ・さちこ]証券会社、資産運用会社を経て、ファイナンシャル・プランナーとして独立。資産運用の観点から「投資は面白い」をモットーに、投資の素晴らしさ、楽しさを一人でも多くの方に伝えていけるよう活動中。個人投資家としては20年以上の経験があり、特に個別株投資については特別な思い入れがある。さまざまなメディアに執筆するほか、セミナー講師も務める。テレビ東京系列ドラマ「インベスターZ」の脚本協力も務める。 日本証券アナリスト協会検定会員(CMA) ファイナンシャル・プランナー(CFP®)

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